補助金の審査に通ることで対象の事業を実施したあと、事業費の一部が補助金として支給されます。
この記事では事業再構築補助金の特徴や利用条件、具体的な利用手順について紹介します。
事業再構築補助金とは
事業再構築補助金とは新型コロナウイルス感染症の影響に長期間苦しんでいる中小企業や中堅企業を支援するための制度です。この補助金は需要の減少や売上の回復が難しい状況を乗り越え、ポストコロナの新市場への進出や事業の転換を促すことを目的としています。
補助金は複数の類型に分けられており、成長分野進出・コロナ回復加速化・サプライチェーン強靱化など各事業者の具体的なニーズに応じた支援を提供します。
補助対象となるのは補助金の申請資格を有する中小企業者や中堅企業です。補助金は事業者が提出する具体的な事業計画に基づき、必要な経費の一部をカバーする形で交付されます。
このように事業再構築補助金は、厳しい状況にある企業が新しい可能性に挑むための強力なサポートを提供し、日本経済の再活性化に貢献しています。
事業再構築補助金の内容とDX推進への該当性
事業再構築補助金には主に3つの支援枠が用意されています。DXに該当する可能性のある事業類型も含まれているので確認してみることがおすすめです。
成長分野進出枠(通常類型) |
・概要: ポストコロナに対応した成長分野への事業再構築を行う中小企業や中堅企業を支援。 ・補助対象: 建物費や機械装置・システム構築費、技術導入費など。 ・DX推進への適用: 機械措置・システム構築費の支援が含まれているため、DXにおけるシステムの構築・導入費が該当する可能性がある。 |
---|---|
成長分野進出枠(GX進出類型) |
・概要: 環境問題への取り組みと経済成長の両立を目指す政策である「グリーン成長戦略」に沿った事業再構築を行う事業者を支援。 ・補助対象: 環境技術関連の導入や改善が含まれる。 ・DX推進への適用: 環境問題へ配慮した変革としてDXを実施する場合は該当する可能性がある。 |
コロナ回復加速化枠(通常類型) |
・概要: コロナの影響を受ける事業者への回復を加速させるための支援。 ・補助対象: 特にコロナからの回復を促す事業計画に対する補助。 ・DX推進への適用: コロナからの回復を促す事業なので、DXの実施が該当する可能性は低い。 |
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) |
・概要: コロナの影響を受ける事業者が最低賃金を上げることで、より速い回復を図るための支援。 ・補助対象: 最低賃金の引上げに伴うコストを補助。 ・DX推進への適用: 最低賃金の引上げと関連する効率化としてDXを実施する場合に適用される可能性がある。 |
サプライチェーン強靱化枠 |
・概要: 国内サプライチェーンの維持や強化を目的とした事業再構築を支援。 ・補助対象: サプライチェーン関連の費用や技術導入費、システム構築費など。 ・DX推進への適用: サプライチェーンの強化に関連するシステム構築費を含めたDXの場合、補助対象になる可能性がある。 |
各支援枠の補助対象を見る限り、DX推進の一部としてシステムを導入する際の費用は補助金の対象になる可能性があります。しかし、DX人材研修に関しては該当する対象が見つからないため、利用できる可能性は低いと言えるでしょう。
また、DX人材研修に該当する可能性として、補助対象にある「技術導入費」について調べてみました。
技術導入費は主に知的財産権などの導入に関する経費[1]を指すため「DXの人材育成研修」のような教育やトレーニング関連の費用は該当する可能性が低いようです。
事業再構築補助金の利用条件
事業再構築補助金の利用条件には、共通要件として以下の内容が含まれます。
- 事業の定義と適合性:事業は「事業再構築指針」に定められた「事業再構築」の定義に合致していなければなりません。これは事業の根本的な見直しや新しいビジネスモデルへの転換を含みます。
- 事業計画の策定と確認:事業計画書を作成し、金融機関(銀行、信用金庫、投資ファンドなど)や認定された経営革新支援機関の協力を得てこれを策定し、その確認を受ける必要があります。
- 成長目標の達成:補助事業が終了した後の3年から5年の間に、事業の付加価値額または従業員一人当たりの付加価値額の年平均成長率を3.0%から5.0%(事業の種類によって異なります)以上に増加させることが求められます。
事業再構築補助金の具体的な手順
事業再構築補助金の利用手順は以下の通りです。
申請は専用の電子申請システムのみ
事業再構築補助金の申請は、補助金の電子申請システム「jGrants」を利用します。jGrantsを利用するには、GビズIDプライムアカウントの取得が必要です。
GビズIDプライムアカウントを持っていない方は事前に登録を完了させてください。このアカウントは補助金の採択後の手続きにも使用されます。
事業再構築補助金でもらえる補助額
事業再構築補助金の補助額は事業の類型によって異なります。成長分野進出枠やサプライチェーン強靱化枠、コロナ回復加速化枠などそれぞれの要件に応じて設定されています。
類型 | 従業員数 | 補助金額(通常) | 補助金額(短期大規模賃上げ) | 補助率(通常) | 補助率(特別条件) |
---|---|---|---|---|---|
成長分野進出枠(通常類型) | 20人以下 | 100万円〜1,500万円 | 2,000万円 | 1/2 | 2/3 |
21〜50人 | 100万円〜3,000万円 | 4,000万円 | 1/2 | 2/3 | |
51〜100人 | 100万円〜4,000万円 | 5,000万円 | 1/2 | 2/3 | |
101人以上 | 100万円〜6,000万円 | 7,000万円 | 1/3 | 1/2 | |
成長分野進出枠(GX進出類型) | 20人以下 | 100万円〜3,000万円 | 4,000万円 | 1/2 | 2/3 |
21〜50人 | 100万円〜5,000万円 | 6,000万円 | 1/2 | 2/3 | |
51〜100人 | 100万円〜7,000万円 | 8,000万円 | 1/3 | 1/2 | |
101人以上 | 100万円〜8,000万円 | 1億円 | 1/3 | 1/2 | |
コロナ回復加速化枠(通常類型) | 5人以下 | 100万円〜1,000万円 | - | 2/3 | 3/4 (最高1,200万円まで) |
6〜20人 | 100万円〜1,500万円 | - | 2/3 | 3/4 (最高1,200万円まで) | |
21〜50人 | 100万円〜2,000万円 | - | 2/3 | 3/4 (最高1,200万円まで) | |
51人以上 | 100万円〜3,000万円 | - | 1/2 | 2/3 (最高1,200万円まで) |
補助率(特別条件)に関しては、特定の条件に基づいて異なる補助率が適用されます。
成長分野進出枠(通常類型)および成長分野進出枠(GX進出類型)の特別条件は、短期に大規模な賃上げを行う場合に適用。コロナ回復加速化枠(通常類型)の特別条件は、コロナで抱えた債務の借り換えを行っていない企業が該当します。
事業再構築補助金の問い合わせ先
事業再構築補助金の問い合わせは、電話で利用する「コールバック予約システム」を採用しています。[2]
コールバック予約システムより
本システムは事前に予約した日時にコールセンターから電話がくるのが特徴。コールバック予約システムの「予約日時を選択」から選べます。
References
- ^ 事業再構築補助金サポートサイト. 「サイサポ」. https://jigyou-saikouchiku-support.com/technology-introduction-costs/, (参照 2024-05-14).
- ^ 事業再構築補助金. 「コールバック予約システム」. https://jigyou-saikouchiku.resv.jp/reserve/calendar.php?x=1715654146, (参照 2024-05-14).
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