株式会社トゥモロー・ネットは2026年4月20日、2026年2月に実施した「2026年 企業のAIインフラ導入・運用実態調査」の結果を発表しました。
約7割がAIインフラ投資の増加を見込む調査結果の全体像
今後1年間のAIインフラ投資について、「大幅に増加する」「やや増加する」と回答した企業は70.9%に達しており、約7割の企業が投資拡大を見込んでいる状況が明らかになりました。AIを活用したシステムについて、「社外向けの製品・サービスとして明確に想定している」と回答した企業は60.0%に上り、「将来的に検討の可能性がある」とした企業も31.0%を占めています。
9割以上の企業が、AIを社内の業務効率化にとどまらず、「製品・サービス」として社外へ提供する可能性を視野に入れていることが読み取れます。AIインフラは単なるIT基盤ではなく、企業のAI活用戦略を支える経営投資として、位置づけられつつある傾向が浮かび上がりました。
AIインフラ導入・運用で浮き彫りになった多層的な課題
AIインフラの導入・運用における課題として、最も多く挙げられたのは「人材面」で25.9%でした。「コスト面」(18.9%)、「技術面」(18.5%)、「セキュリティ面」(16.2%)と続いており、課題は特定の領域に限らず多層的に分布していることが分かります。注目すべきポイントは次の4点です。
- 課題1位は「人材面」(25.9%)
- 部門間の課題認識に大きな差なし
- リソース効率に53.0%が不満
- GPU管理を26.8%が把握不十分
情報システム部門と、経営企画・DX推進などの戦略部門の間で、回答傾向に大きな差は見られず、AIインフラに関する課題認識は部門を越えて共通していることも判明しました。リソース効率について、「満足していない」「どちらともいえない」と回答した企業は53.0%に達しており、高性能リソースを十分に活用しきれていない実態がうかがえます。
Kubernetesの本番活用は2割を下回る運用基盤の実態
AIワークロードの運用基盤として注目されるKubernetesなどのコンテナオーケストレーションツールについて、「本番環境で活用し使いこなせている」と回答した企業は16.6%にとどまりました。「PoC/検証段階にある」が40.8%、「導入したが運用負荷が高く使いこなせていない」が16.2%という結果が示されており、実運用に至るまでの障壁が依然として存在します。主な内訳は次の3点です。
- 本番活用は16.6%にとどまる
- PoC/検証段階が40.8%
- 運用負荷で使いこなせない16.2%
GPUなどのAIアクセラレーターのリソース状況を「部分的にしか把握できていない」が19.7%、「ほとんど把握できていない」が7.1%と、合計26.8%の企業が正確な管理に課題を抱えています。AIインフラを安定的に運用するための、「技術」と「体制」の両面で整備が求められる状況です。
AIインフラ調査の主要数値と調査概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 調査名 | 2026年 企業のAIインフラ導入・運用実態調査 |
| 調査実施日 | 2026年2月 |
| 調査方法 | インターネット調査 |
| 対象エリア | 全国 |
| サンプル数 | 1,030名 |
| 調査対象 | IT部門担当者・戦略部門責任者 |
| 投資増加見込み | 70.9% |
| 熱対策に懸念 | 58.3% |
| 液体冷却を検討 | 52.0%(導入決定13.9%+検討中38.1%) |
trends編集部の一言
AIインフラ投資に約7割の企業が前向きな姿勢を示す一方で、「人材面」や「リソース管理」に課題が集中している構図は、ノーコードツールで業務改善を進める中でも実感するところがあります。ツールを導入しても運用体制が追いつかないケースは身近に起きており、GPU管理の把握が26.8%の企業で不十分という数値は、インフラ領域でも同様の課題が生じていることを物語っています。
Kubernetesの本番活用が16.6%にとどまっている点は、PoCから実運用への移行がいかに難しいかを、端的に示していると感じました。社内でAI関連のプロジェクトを推進している担当者にとって、自社のインフラ成熟度を客観的に把握するベンチマークとして、今回の調査データは具体的な検討材料になるはずです。
References
- ^ PR TIMES. 「トゥモロー・ネット、企業におけるAIインフラの活用状況を調査 | 株式会社トゥモロー・ネットのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000039.000024676.html, (参照 26-04-20).
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