株式会社ロゼッタは2026年4月16日、株式会社化合物安全性研究所と共同で開発した、生物学的同等性試験(BE試験)向けの治験総括報告書自動作成ツール「CSR(BE)エディタ」の本格運用を開始しました。
CSR(BE)エディタの開発経緯とラクヤクAIの実証精度
治験の各工程で作成されるCSR(治験総括報告書)は、約1,000ページ以上に及ぶ膨大な文書量となり、手作業による「転記ミス」や「整合性の不一致」が発生しやすいという構造的な課題を抱えていました。ロゼッタは国立がん研究センター中央病院との共同研究を通じて、生成AIを用いたCSR自動作成ツールの精度向上と実用性評価(Phase2)を実施しています。
この共同研究では、計画部分の約97%がそのまま、あるいは最小限の修正で利用可能という高い精度を実証しました。今回の「CSR(BE)エディタ」は、この技術基盤を生物学的同等性試験の領域にも拡張したものです。
本格運用で期待される変化と今後の方針
化合物安全性研究所とのパートナーシップのもとで専用エディタの開発を進め、実運用に耐えうる水準に到達したことから、今期受託予定の試験に対する本格運用に移行した形です。ロゼッタは今期予定している受託試験のCSR作成において、「コストパフォーマンス」と「時間削減効果」の実証を進める方針を示しました。
- BE試験向けCSRの自動作成
- 転記ミスや整合性不一致の低減
- 作成期間とコストの削減
- ラクヤクAI技術基盤の領域拡張
ラクヤクAIは製薬業界特化型の生成AI SaaSソリューションとして、CSRや添付文書などの専門文書の自動生成や整合性チェック、翻訳機能を備えています。先発医薬品・後発医薬品を問わず、医薬品の上市速度向上(早期上市)に貢献する位置づけであり、医療業界全体のドキュメント作成プロセス変革を目指す構えです。
CSR(BE)エディタと関連企業の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| ツール名 | CSR(BE)エディタ |
| 運用開始日 | 2026年4月16日 |
| 開発元 | 株式会社ロゼッタ |
| 共同開発 | 株式会社化合物安全性研究所 |
| 基盤技術 | ラクヤクAI |
| 対象領域 | 生物学的同等性試験 |
| 親会社 | 株式会社メタリアル |
trends編集部の一言
治験総括報告書のように約1,000ページ以上にもなる文書を手作業で作成する現場の負荷は、製薬業界に限らずドキュメント業務が多い分野で共通する課題だと感じました。約97%がそのまま利用可能という精度の実証データには、具体的な業務改善のイメージが湧きます。
生物学的同等性試験という専門性の高い領域に特化したツールが本格運用に入った点は、AIの産業応用が汎用から専門分野へ深化していく流れを示す事例だと受け止めています。社内でドキュメント作成の自動化を検討している担当者にとっては、特定業務に特化したAI活用の進め方を考える際の参考材料になるのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「ラクヤクAI、化合物安全性研究所と共同開発生物学的同等性試験(BE試験)向け「CSR(BE)エディタ」を4月16日より本格運用開始 | 株式会社ロゼッタのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000806.000006279.html, (参照 26-04-17).
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