合同会社Projimoは、中小企業の事業承継を「ITと業務の引き継ぎ可能性」という観点から支援する新サービス「事業承継IT診断Projimo」の提供を開始しました。
事業承継IT診断Projimoの背景と課題
事業承継の議論は、株価や税金、株式の分け方に集中します。税理士や弁護士、金融機関、M&A仲介会社といった支援の体制は整ってきました。一方で、後継者が引き継いだあとに実際に困るのは、そこではありません。
同社が挙げる現場の課題は、次のようなものです。
- 値決めの基準が先代の頭の中にしかない
- ドメインとサーバーの契約者が先代の個人名義
- 20年もののシステムを触れるのが、付き合いの長い業者の担当者1人だけ
- 保守契約が口約束で書面が見当たらない
- ネットバンキングの管理を社長だけが握っている
株式は書面で渡せますが、会社の動かし方は書面では渡りません。中小企業庁が示す事業承継の3類型(親族内承継や従業員承継、第三者承継=M&A)のどれを選んだ場合でも、この問題は同じように残ります。第三者承継の場面では、引き継げない状態そのものが企業価値の評価に影響することもあります。
事業承継IT診断Projimoの先代依存マップと5つの軸
独自フレーム「先代依存マップ」では、「社長が抜けたら止まるもの」を5項目まで洗い出します。依存先(役割で表記)/止まると何が起きるか/影響が出るまでの速さ/どう渡すか、の4点で一覧にする形式です。速さは「即日」「1週間」「1か月」で色分けし、何から手を付けるべきかを議論ではなく順番で示します。
現状診断は、①属人性・可視化 ②名義と権限 ③システムの継続性 ④数字の見える化 ⑤変化への耐性という5つの軸で実施します。各軸を1.0〜5.0で評価し、「事実 → 解釈 → 処方」の3点セットで記述する設計です。
総合点は出しません。平均点は実態を隠すため、最も低い軸こそが経営リスクだと同社は考えています。
打ち手は思想の異なる3案で提示され、3案目には常に「渡さない(第三者承継や事業の縮小、廃業)」を置きます。承継だけを前提にしないことが、この診断の中立性の担保です。さらに最初の90日の行動計画として、誰が・何を・いつまでに判断するかまで落とし込みます。
事業承継IT診断Projimoが扱う領域と専門家の領域
診断が扱うのは、次の範囲です。
- 属人化した業務の可視化
- 契約や名義、権限の棚卸し
- システムの継続性とベンダー依存
- 経営数字が後継者に見えるか
- 後継者が新しいことをやれる土台か
一方で株価評価、税務や事業承継税制の要件判断、株式の分け方や遺留分、法務・登記、資金調達の可否判断は扱いません。
税務・法務は、税理士や弁護士、認定経営革新等支援機関の領域です。そこに踏み込まないと明言することが、専門家と並んで仕事をするための前提だと同社は位置づけています。制度の活用可否についても「専門家に確認する価値がある」までを伝え、要件判断は専門家に渡す運用です。
同社は、引き継ぎ支援の受注を前提に診断しません。「今のままでよい」「システムは触らず記録だけ残せばよい」という結論も、正当な処方として、書くとしています。この価格帯を成立させているのは生成AIの活用で、従来は人が2〜3か月かけていたヒアリングの構造化やシナリオ作成、コスト試算を、AIが即日ドラフトし実務家が検証して署名します。
事業承継IT診断Projimoの料金と提供内容
| メニュー | 料金 | 期間・内容 |
|---|---|---|
| 事業承継IT診断(クイック) | 98,000円(税別) | 最短1週間/何から手を付けるかを決める |
| 事業承継IT診断(標準) | 298,000円(税別) | 2〜3週間/引き継ぎ計画まで作る |
| 引き継ぎ実行支援 | 月額300,000円(税別)〜 | 個別/棚卸し・移管の実務に伴走 |
| 第三者承継のご相談 | 無料 | 適切な仲介会社等への橋渡し |
対象は従業員10〜100名規模の中小企業で、承継の型(親族内や従業員、第三者、未定)は問いません。後継者が決まった直後の「何から教えればいいか分からない」という段階が最も効果的だとしています。税理士や社労士、中小企業診断士、金融機関、M&A仲介会社からの紹介を主な入口として設計されており、顧問先への紹介や共同でのセミナー開催の相談も受け付けます。
合同会社Projimoの会社概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 会社名 | 合同会社Projimo |
| 代表者 | 代表社員 西川貴弘 |
| 設立 | 2026年2月16日 |
| 所在地 | 東京都板橋区 |
| 事業内容 | 事業承継・M&A後のIT統合(PMI)支援、IT/クラウド診断、大規模PMO支援、自治体DX支援、IT人材支援 |
| URL | https://projimo.jp |
同社は「中小企業がITベンダーに騙されない世界」をビジョンに掲げ、中小企業の"ITのお医者さん"として、健康診断(各種診断サービス)から治療(PMO・実行支援)、定期健診(IT顧問)までを提供しています。今回の診断サービスは、既存の「クラウド診断Projimo」「M&A後のIT統合(PMI)支援」「大規模PMO支援」「自治体DX支援」に続く5つ目のサービスです。
trends編集部の一言
「値決めの基準が先代の頭の中にしかない」「ドメインとサーバーの契約者が先代の個人名義」という指摘は、事業承継に限らず、多くの組織に当てはまります。その点でマーケティングの現場でも、広告アカウントや解析ツールの管理者権限が特定の担当者の個人アカウントに紐づいたまま運用されている例は珍しくありません。担当者の異動や退職で作業が止まるという構造は、業種を問わず共通しています。
総合点を出さず、最も低い軸こそが経営リスクだと位置づける評価設計は興味深い考え方です。業界全体としても、スコアの平均値で健全性を語る診断は多いものの、実務で止まるのは常に最も弱い一点ではないでしょうか。「渡さない」という選択肢を3案目に必ず置く中立性の担保も、支援を売るための診断にしないという姿勢として、注目しておく価値がありそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「「社長が明日いなくなったら、この会社は動きますか」Projimo、事業承継の"ITと業務の引き継ぎ"に特化した診断サービス「事業承継IT診断Projimo」を提供開始 | 合同会社Projimoのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000182165.html, (参照 26-07-27).
※本記事は一次情報(PR TIMES)を基に編集しています。内容はAIで確認していますが、誤りや最新情報との差異がある場合は、以下フォームよりご報告ください。
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