獣害対策のAIロボットやクマップを企業が実証・提供、安全管理担当者の出没確認の省力化をめざす
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獣害対策にAIやロボット、クマップのような出没情報の共有サービスを検討するとき、実証中の技術と製品として提供中のサービスの区別がつきにくいと感じることはないでしょうか。検知する対象や情報を受け取る人、導入の段階を分けて見れば、自社や地域の現場に合う手段を絞り込みやすくなります。
この記事では、森林を巡視する四足歩行ロボットやソーラー式SIMカメラの実証から、出没情報を従業員へ届けるクマップの法人向けサービス、選ぶときの確認点まで詳しく解説します。獣害対策を進める自治体の農林担当者と、屋外作業がある企業の安全管理担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社BearBell、株式会社XNOVA
- 出典の最終掲載:2026.10.02
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:株式会社BearBellの発表資料より(PR TIMES)
[1] 鳥獣対策技術の認知拡大を支援 BearBellが「クマップコネクト™」をリリース
株式会社BearBell / 掲載 2026.09.24
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画像:株式会社BearBellの発表資料より(PR TIMES)
[2] 屋外で働く従業員の安全管理を支援 BearBellが「企業版クマップ」「開発版クマップ」をリ リース
株式会社BearBell / 掲載 2026.09.24
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画像:発表資料より(PR TIMES)
[3] シカなど野生動物対策、水路管理の省人化へCore-Business株式会社が山梨県韮崎市と連携をスタート電源・Wi-Fi不要のソーラー式SIMカメラ「e-CAM(イーカム)」を市内3カ所に導入
掲載 2026.10.01
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画像:株式会社XNOVAの発表資料より(PR TIMES)
[4] XNOVA・Unitree・Eco Forest Friendly、京都市西京区の森林で自律走行ロボットによる森林巡視実証を実施
株式会社XNOVA / 掲載 2026.10.02
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目次
獣害対策で現地の見回りを補う機器の実証
森林や自然公園で獣害の兆候や野生動物の出没をつかむには、人の見回りや目撃情報に頼る場面が多くありました。人の見回りを補う機器を自治体と組んで確かめる実証は、以下の通りです。
- 四足歩行ロボットによる森林巡視の実証
- ソーラー式SIMカメラによる遠隔監視の実証
ロボットの実証には京都市が共催として、カメラの実証には韮崎市が連携先として加わっています。ただし、獣害対策にどこまで役立つかは、発表時点ではまだ検証している段階です。
四足歩行ロボットによる森林巡視の実証
2026年9月30日、XNOVAやUnitree、Eco Forest Friendlyの3社は、京都市西京区の森林で自律走行型の四足歩行ロボットによる森林巡視を実証しました。3社は、担い手不足が進む森林管理の省力化とシカ・イノシシ等の獣害対策を見据え、「森で働くフィジカルAIロボット」の社会実装に向けた検証を進めるとしています。[4]
実証では、安全を最優先に走行区間を決め、森林内の不整地での走破性と運用上の課題を確かめました。取得したGPSデータを使い、森林内のナビゲーションに向けた基礎検証も行っています。
3社が受け持った作業は、以下の通りです。
| 会社 | 受け持った作業 |
|---|---|
| XNOVA | 制御・GPSナビ・運用方法の検証 |
| Unitree | 機体の提供と技術協力 |
| Eco Forest Friendly | 林業の知見と自治体等との連携 |
今後3社は、位置推定や巡回ルート生成、通信・電源・防水性を含む運用方法の改善を進めるとしています。シカ・イノシシ等の出没状況の早期把握は、林道・治山施設の点検などと並ぶ将来の活用先として検討される段階です。
ソーラー式SIMカメラによる遠隔監視の実証
Core-Businessは山梨県韮崎市と連携し、ソーラー式SIMカメラ「e-CAM(イーカム)」を使った実証実験を市内3カ所で始めると明らかにしました。職員の移動・巡回の負担軽減に加え、野生動物の出没実態の把握や災害時の状況確認につなげられるかも検証の対象です。[3]
市内3カ所で確かめる内容は、以下の通りです。
| 設置場所 | 確かめる内容 | 検証する領域 |
|---|---|---|
| 穴山新田堰 | 水位やゴミ・漂着物の状況 | 防災・水路管理 |
| 午頭島ドッグラン | 公共施設の利用状況 | 公共施設管理 |
| 穂坂自然公園 | 野生動物の出没状況 | 鳥獣対策 |
穂坂自然公園では、シカ・イノシシなどを含む野生動物の種類や出没する時間帯、頻度を継続して記録するとしています。目撃情報などに頼っていた出没状況を見える形にし、公園管理や安全対策、注意喚起に生かせるかを確かめる計画です。
e-CAMは、ソーラー発電とSIMによるモバイル通信を組み合わせた屋外向けの遠隔監視カメラです。docomo・au・SoftBankのいずれかの通信エリア内なら電源工事や通信回線工事をせずに設置でき、スマートフォン等からリアルタイムの映像と録画を確認できます。
獣害対策の出没情報を届けるクマップ
BearBellは、住民投稿や行政公表情報を地図と通知で共有する動物目撃情報共有システム「クマップ」を開発・運営しています。同社がリリースした法人向けのサービスは、以下の通りです。
- 従業員へ通知する企業版クマップ
- 既存システムへ組み込む開発版クマップ
- 鳥獣対策機器とつなぐクマップコネクト
基盤のクマップは、2026年9月16日時点の同社把握値(概数)で累計約3万ダウンロードとなっています。企業版と開発版は出没情報を受け取って業務に使う企業向けで、クマップコネクトはAIカメラなどの鳥獣対策技術を持つ事業者向けです。
従業員へ通知する企業版クマップ
企業版クマップは、専用サーバーの構築を前提とせずに使える法人向けSaaSで、周辺の出没情報を従業員へ届け、確認状況や対応履歴を組織で管理する仕組みです。BearBellは、電力・鉄道・道路・通信や物流、建設・測量、保険など、屋外業務や広域拠点を持つ企業から導入の相談を受け付けています。[2]
主な機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 通知 | 拠点周辺の出没情報 |
| 受信 | アプリ・メール・LINE |
| 確認ボード | 従業員の確認日時を把握 |
| 記録 | 配信証跡と対応ログをPDF・CSV出力 |
| 管理 | Web管理画面で拠点・ID管理 |
| AI信頼度スコアリング | 投稿の確からしさを評価 |
たとえば、点検予定の拠点周辺で出没情報が入ると、現場の従業員が情報を確認し、管理者は確認ボードで未確認者を把握して追加の連絡を判断できます。対応ログや出力した記録の使い道として、BearBellは社内報告や対応の振り返りを挙げました。
料金は利用ID数に応じた3プランで、初期費用は別途、契約単位は1か月、最低利用期間は6か月です。年払いには割引があり、LINE受信は有償オプションとして用意されています。
既存システムへ組み込む開発版クマップ
開発版クマップは、クマップが集める情報や配信の仕組みを、企業の既存システムや自社アプリから使うためのPaaS型サービスです。作業指示や配車計画の画面に出没情報を表示できれば、担当者が別のアプリを開いて照合・転記する手間を減らせるとBearBellは説明しています。[2]
個別に設計する活用の例は、以下の通りです。
- 作業指示システムに当日の出没情報を表示
- 点検ルートの計画画面に出没情報を重ねる
- 監視・防災センターのモニターに追加
連携の方式としては、必要なデータを取得するAPIと、新しい情報の発生を既存システムへ届けるWebhookなどを想定しています。API仕様書ドラフトやセキュリティ事前回答書、連携構成案は、秘密保持契約の締結後に個別に提供する扱いです。
料金は基本利用料やAPI利用量、個別開発費を組み合わせた個別見積で、最低利用期間は6か月です。BearBellは、企業版から始めて既存システムとの連携を検討する進め方も示しています。
鳥獣対策機器とつなぐクマップコネクト
クマップコネクト™は、AIカメラやセンサー、忌避装置、柵、わななどの鳥獣対策技術と、クマップの配信網をつなぐ連携サービスです。有償のパートナー掲載では、通知・詳細画面での検知元クレジット表示や個別リンク、ロゴ・社名の掲載などを受けられます。[1]
検知データを持たない忌避装置や柵、わなも、正確な位置を公開せずにエリアで表示するなどの方法で、設置状況の掲載から参加できます。
データ接続とパートナー掲載の条件は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データ接続の料金 | 原則無料 |
| 接続側の技術費用 | 相手企業の負担 |
| 無料接続の解約 | 解約可能 |
| 掲載・露出の料金 | 有償・個別見積 |
| 掲載の契約期間 | 1か月単位・最低6か月 |
BearBellは、有償掲載の有無が情報の表示順位や通知の優先度、信頼度評価に影響しないとしています。連携された情報について同社は、住民が生活圏の状況を確かめる材料となり、企業は拠点周辺の注意喚起や作業前の確認に生かせると説明しました。
獣害対策のロボットやクマップを選ぶ観点
獣害対策の手段を比べるときの軸は、検知する対象や情報を受け取る人、導入の段階です。森林巡視ロボットは実証の段階にあり、e-CAMは商品として提供されたうえで韮崎市の3カ所での活用が検証されており、企業版クマップや開発版クマップ、クマップコネクトは製品として提供されています。[1][2][3][4]
自社や地域の現場に当てはめるときの確認点は、以下の通りです。
| 観点 | 確かめること | 例 |
|---|---|---|
| 検知する対象 | 動物の出没か森林の変化か | e-CAMは動物の種類と時間帯 |
| 情報を受け取る人 | 職員か従業員か住民か | 企業版は従業員と管理者 |
| 導入の段階 | 実証中か提供中か | ロボットは走破性の確認段階 |
| 電源と通信 | 設置場所の電源と電波 | e-CAMは通信エリア内が条件 |
| 契約の条件 | 最低期間と初期費用 | 企業版は最低6か月 |
BearBellは、検知結果が個別のシステムにとどまれば、住民や企業へ届けるための別の発信・運用が要ると説明しています。検知の手段を選ぶ段階で、検知結果を届ける相手と経路も合わせて決めておくのが現実的です。
実証の段階にある手段は発表時点で効果がまだ示されていないため、導入は検証結果や改善の進み具合を見てから判断する必要があります。製品として提供されている手段では、最低利用期間や初期費用、個別見積の範囲を契約前に確かめておくと安心です。
References
- ^ PR TIMES. 「鳥獣対策技術の認知拡大を支援 BearBellが「クマップコネクト™」をリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000174497.html, (参照 26-10-07).
- ^ PR TIMES. 「屋外で働く従業員の安全管理を支援 BearBellが「企業版クマップ」「開発版クマップ」をリ リース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000174497.html, (参照 26-10-07).
- ^ PR TIMES. 「シカなど野生動物対策、水路管理の省人化へCore-Business株式会社が山梨県韮崎市と連携をスタート電源・Wi-Fi不要のソーラー式SIMカメラ「e-CAM(イーカム)」を市内3カ所に導入」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000054.000153208.html, (参照 26-10-07).
- ^ PR TIMES. 「XNOVA・Unitree・Eco Forest Friendly、京都市西京区の森林で自律走行ロボットによる森林巡視実証を実施」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000007.000086773.html, (参照 26-10-07).













