カスハラ対策義務化で研修や録音が窓口を支援、人事・総務担当者は一人で抱え込ませない体制が焦点
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カスハラ対策の義務化に合わせて従業員研修や通話の録音を整えるとき、どの手段から手を付ければよいか迷っていないでしょうか。研修で断り方を学んでも、担当者が問題を一人で抱え込んだり管理者への共有が遅れたりすると、組織としての対応に時間がかかります。
この記事では、義務化後のカスハラ対策として、断りの接遇を学ぶ研修やAIロープレ、通話録音とAI要約、取手市役所の相談室での音声認識の運用、自治体の支援制度まで詳しく解説します。カスハラ対策の研修や記録の運用を整える人事・総務担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社アドバンスト・メディア、クリスタルメソッド株式会社
- 出典の最終掲載:2026.10.02
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:発表資料より(PR TIMES)
[1] 【2026年10月カスハラ対策義務化】国際おもてなし協会が、予防から「断りの接遇」までを体系化したカスハラ対策研修サービスの専用サイトを公開
掲載 2026.10.02
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[2] AI音声認識AmiVoiceを活用した窓口対応向けソリューションが、カスハラ対 策として取手市役所での正式運用を開始
株式会社アドバンスト・メディア / 掲載 2026.10.02
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画像:発表資料より(PR TIMES)
[3] プリペアード 評判が高いAI通話録音・自動要約サービス「RecACE plus」、カスハラ対 応にも活用できるモデルケース企業を埼玉県で初募集
掲載 2026.10.02
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画像:クリスタルメソッド株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[4] カスハラ対策義務化に対応、AIロープレの無料体験デモを提供
クリスタルメソッド株式会社 / 掲載 2026.10.02
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目次
カスハラ対策の義務化後に選ぶ従業員研修
カスハラ対策の従業員研修では、正当なクレームとカスハラを見分け、不当な要求には線を引く対応を現場で実践できるかが焦点です。練習の進め方が異なる研修の形として、以下の2つがあります。
- 予防から断りの接遇まで学ぶ9単元の研修
- AIアバターと応対を練習するロープレ研修
どちらの形でも、見極める基準の示し方が研修を選ぶ分かれ目です。
予防から断りの接遇まで学ぶ9単元の研修
国際おもてなし協会は、2026年10月1日にカスハラ対策研修の専用サイトを公開し、予防や断りの接遇、組織で守る体制を一貫して学ぶ研修を提供しています。研修の土台となる「波の先読みモデル」の3層は、以下の通りです。[1]
| 層 | 名前 | 学ぶ内容 |
|---|---|---|
| 第1層 | さきまわり | 不満の芽や期待のずれを早く捉える |
| 第2層 | おさまり | 敬意を保ち不当な要求に線を引く |
| 第3層 | みまもり | 相談・引き継ぎ・記録・対応後のケア |
3層は「カスハラの基礎」「接遇」「心遣い」の3領域と組み合わされ、研修全体は9単元の構成です。第2層の断りの接遇では、敬意・共感・代替・境界の4つの要素を軸に、言葉の選び方に加えて声の調子や伝える順序まで練習します。
研修には現場を想定したロールプレイがあり、説明や断り方、引き継ぎの伝え方を練習できます。また、同協会は予防的な接遇がカスハラの責任を従業員に負わせるものではないとし、不当な言動には組織として対応する考えを示しました。
コースは現場スタッフや店長・SV・管理者、人事・法務・相談窓口といった役割ごとに用意されています。研修後は理解度テストで学習内容を確かめ、導入先の課題に応じて顧客推奨度などの指標で効果を測るとしています。
AIアバターと応対を練習するロープレ研修
クリスタルメソッドが無料で提供している「カスハラ対応AIロープレ」は、AIアバターが怒ったお客さま役を演じ、利用者が店員役として声やテキストで応対する体験デモです。AIの声のトーンは応対の質に応じてリアルタイムに変化し、謝罪や原因説明、解決策の提示が適切だと穏やかな声に変わります。[4]
振り返りに使える評価の機能は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 解析する情報 | 発話内容・声のトーン・表情 |
| 会話分析 | 応対後にやり取りを振り返る |
| レポート | 総合スコアとレーダーチャート |
| コメント | 項目ごとの良かった点・改善点 |
要素ごとの評価によって、「なんとなく良かった」で終わらない振り返りができると同社は説明しています。体験デモでは、東京都の「カスタマー・ハラスメント防止のための各団体共通マニュアル」が示す定義と判断基準を踏まえ、正当なクレームとカスハラの違いを整理しました。
業種別のシナリオもあり、小売業向けには3週間前に購入した商品が2日で壊れたと主張するお客さまへの対応を用意しています。役割別のコースとロールプレイで学ぶ接遇研修と、応対ごとにスコアで評価を受けるAIロープレでは、練習の形や振り返りの方法が異なります。[1]
カスハラ対策で電話を録音するAI要約サービス
プリペアードが取り扱いを始めた「RecACE plus」は、固定電話の通話を録音し、AIで文字起こしと要約を行うサービスです。同社は、電話のクレームやカスハラではやり取りが担当者の記憶やメモだけに残り、後から正確に状況を確かめにくいケースがあると説明しています。[3]
RecACE plusでは、録音と文字起こしによって実際のやり取りを後から確認でき、AIの要約をアプリやメールで管理者や関係部署へ共有できます。緊急性の高い問い合わせは専用アプリのプッシュ通知で把握でき、複数の店舗や拠点の通話記録も管理者がまとめて見られる仕組みです。
埼玉県でのモデルケース企業の募集概要は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象地域 | 埼玉県 |
| 対象 | 県内に拠点を持つ企業・事業者 |
| 導入料金 | モデルケース向けキャンペーン料金 |
| 導入方法 | 既存の固定電話に機器を設置 |
| 導入条件 | 回線や機器構成で異なる場合あり |
同社は、電話を受けた担当者だけに対応を任せず、組織として迅速に対応できる体制づくりを支援するとしています。モデルケースでは、問い合わせ対応の効率化や社内での情報共有、電話応対品質の向上などの活用方法を、企業ごとの課題に応じて検証する予定です。
カスハラ対策に音声認識を使う取手市の相談室
取手市は、アドバンスト・メディアのAI音声認識AmiVoiceを使った窓口対応向けソリューションを、2026年10月から市民協働課と健康福祉部の2つの相談室で正式運用しています。相談室で職員を支える主な機能は、以下の2つです。
- 別室の管理職へアラートを送る機能
- 相談内容を庁舎内で記録する機能
アラート通知は相談中の職員をその場で支える機能で、記録機能は相談の経緯を後から確かめられるようにする機能です。取手市は、2025年11月から行ったテスト運用の結果を踏まえて正式運用に移ったとしています。
別室の管理職へアラートを送る機能
取手市では、プライバシー保護の観点から市民の相談の多くを相談室や面談室で受けており、職員1人で対応する際の不安が課題でした。同市はテスト運用を通じて、カスハラへの一定の抑止効果と職員の心理的安全性の確保に加え、窓口対応の品質向上も期待できると判断しました。[2]
相談中の異状の検知と支援にかかわる機能は、以下の通りです。
| 機能 | 内容 |
|---|---|
| 異状の検知 | 不適切な言葉や感情の高まり |
| アラート通知 | 別室でモニタリングする管理職へ |
| 検知キーワード | 厚生労働省のマニュアルを基に設定 |
| ヘルプ要求 | 職員が手動で室外の管理職へ |
| 全文テキスト化 | 会話をリアルタイムで共有 |
管理職は室外で相談内容や経緯を把握したうえで、必要に応じて担当職員を速やかにフォローできます。取手市の総務部次長兼情報管理課長は、席を外さずに室外の職員へフォローを求められるヘルプボタンについて、隣にもう一人いるような感覚で相談に臨めると述べています。
相談内容を庁舎内で記録する機能
アドバンスト・メディアのソリューションは、相談の音声と全文テキストを記録し、過去の相談内容や経緯を踏まえた対応を支援する仕組みです。記録とデータの活用にかかわる機能は、以下の通りです。[2]
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 記録の検索 | 日時やキーワードで検索 |
| 資料の表示 | 登録した言葉の発話で自動表示 |
| 蓄積データ | 証跡としての活用 |
| 傾向分析 | 生成AIでカスハラを誘発する言動を可視化 |
| 分析の用途 | マニュアルや教育内容の見直し |
取手市は庁舎内にサーバーを置き、ソリューションをLGWAN環境上で運用しているため、相談内容などのデータをインターネットへ送信せずに庁舎内で管理できます。個人の相談を扱う窓口で録音や文字起こしを使う場合、データをどこで管理するかも、導入を判断する材料の一つです。
同市は今後、相談内容の記録・共有を通じた業務効率化にも役立て、他部署への活用拡大も検討したいとしています。
カスハラ対策の研修や録音を選ぶ確認表
改正労働施策総合推進法の施行により、事業主には方針の明確化・周知や相談体制の整備、発生時の適切な対応などが求められます。地方公共団体の任命権者にも、カスハラ防止のための雇用管理上必要な措置を講じることが求められました。[1][2]
費用面では、東京都がマニュアルの整備に加えて録音・録画環境の整備などに取り組む都内中小企業等へ、40万円の奨励金を支給しています。名古屋市の補助金は、市内の中小企業者を対象に、通話録音装置の導入などの経費を2分の1以内、5万円〜30万円の範囲で補助する制度です。
自社の状況に当てはめるときの確認点は、以下の通りです。[3][4]
| 観点 | 確かめること | 関係する手段 |
|---|---|---|
| 見極めの基準 | 正当な意見との線引きを示せるか | 接遇研修・AIロープレ |
| 練習の機会 | 役割や業種に合う場面があるか | 役割別コース・業種別シナリオ |
| 対応の場面 | 対面・電話・相談室のどこか | 通話録音・音声認識 |
| 引き継ぎ | 管理者へすぐ知らせる手段があるか | プッシュ通知・アラート |
| 記録の管理 | 保管場所と閲覧範囲を決めたか | 庁舎内サーバー・LGWAN |
| 費用 | 要件と期限を募集要項で確認したか | 東京都・名古屋市の制度 |
たとえば電話の多い拠点では通話録音と文字起こし、閉じた相談室では音声認識とアラート通知というように、場面ごとに記録と引き継ぎの手段を選ぶ方法があります。さらに、従業員の練習や管理者による経緯の確認と引き継ぎ、記録をもとにした研修の見直しまでの分担を、人事・総務担当者が社内で決めておくことが運用の出発点です。
References
- ^ PR TIMES. 「【2026年10月カスハラ対策義務化】国際おもてなし協会が、予防から「断りの接遇」までを体系化したカスハラ対策研修サービスの専用サイトを公開」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000045428.html, (参照 26-10-06).
- ^ PR TIMES. 「AI音声認識AmiVoiceを活用した窓口対応向けソリューションが、カスハラ対 策として取手市役所での正式運用を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000817.000020223.html, (参照 26-10-06).
- ^ PR TIMES. 「プリペアード 評判が高いAI通話録音・自動要約サービス「RecACE plus」、カスハラ対 応にも活用できるモデルケース企業を埼玉県で初募集」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000159968.html, (参照 26-10-06).
- ^ PR TIMES. 「カスハラ対策義務化に対応、AIロープレの無料体験デモを提供」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000113338.html, (参照 26-10-06).














