サイバー攻撃の元凶「マルウェア」とは?種類や感染後のリスクについてわかりやすく解説

サイバー攻撃の元凶「マルウェア」とは?種類や感染後のリスクについてわかりやすく解説

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近年世間を賑わせているサイバー攻撃の手段には、「マルウェア」という悪意を持ったソフトウェアプログラムが使われています。

マルウェアには身代金を要求するランサムウェアや、ユーザーのデータを監視するスパイウェアなどさまざまな種類があるのが特徴。いずれも情報漏洩や金銭的なリスクに発展する可能性があります。

本記事ではマルウェアの基本的な定義や種類、感染後のリスクについて詳しく解説します。マルウェアに感染しないための対策についても紹介しているので、マルウェアへの理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。

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マルウェアとは何か?

マルウェアとは「malicious software」の略で、悪意を持って作成されたソフトウェアやプログラムのことです。マルウェアはコンピュータネットワークに損害を与えることを目的としており、ユーザーや企業にとって重大な脅威となります。

例えばデータの盗難やシステムの破壊、個人情報の漏洩など多岐にわたる被害が発生する可能性があります。2024年6月8日にも、株式会社Kadokawaがマルウェアを使って身代金を要求する「ランサムウェア」の被害に遭いました。

危険性の高いサイバー攻撃「ランサムウェア」とは?ウイルスとの違いや感染を防ぐ対策方法を紹介
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このようにマルウェアは悪意のあるソフトウェアの総称であり、ユーザーや企業に深刻な影響を及ぼします。そのため適切なセキュリティ対策を講じることが不可欠です。

マルウェアの種類

 マルウェアにはさまざまな種類があり、それぞれ異なる悪意のある行為や目的を持っています。代表的なマルウェアの種類は下記の通りです。

  • ウイルス
  • トロイの木馬
  • ワーム
  • スパイウェア
  • ランサムウェア

各内容について詳しく解説します。

ウイルス

ウイルスはほかのプログラムやファイルに寄生し、自己複製してシステム全体に広がるマルウェアの一種です。寄生したプログラムが実行されると自動で増えるプログラムが組まれており、拡散性の高さが特徴。この過程でデータの破壊やシステムの不正操作を行います。

例えばメールの添付ファイルやダウンロードしたファイルにウイルスが組み込まれており、隠れてシステムに侵入することが多いです。これにより重要なデータが破壊されたり、パフォーマンスが低下することがあります。

また、ウイルス感染はネットワーク全体に広がり、企業全体の業務に支障をきたす可能性もあります。

トロイの木馬

トロイの木馬は一見無害そうなプログラムに見せかけてシステムへインストールされ、不正アクセスやデータの窃取を行うマルウェアです。ユーザーが正規のプログラムだと誤認してインストールすることを狙っており、感染したことに気づきにくいのが特徴です。

インストール後は不正侵入するための入口である「バックドア」を作成し、攻撃者がシステムにリモートアクセスできる環境を作る危険性があります。

例えばフリーソフトウェアに隠れてトロイの木馬がインストールされると、機密情報を取得され情報が流出したり、ほかのマルウェアをダウンロードされたりする恐れがあります。

ワーム

ワームとはネットワークを通じて自己複製し、広範囲に感染を拡大させるマルウェアの一種です。ワームはほかのプログラムに寄生せず、ネットワーク上の脆弱性を利用して自己複製するのが特徴。一度感染が始まると、非常に速い速度で広がる危険性があります。

例えば2000年代初頭に発生した「ILOVEYOU」というワームは、電子メールを介して広がり短期間で世界中の数百万台のコンピュータに感染。その結果「最も有害な」ウイルスとしてギネス記録にも認定されています。

スパイウェア

スパイウェアはユーザーの行動を監視し、個人情報を外部に送信するマルウェアです。ユーザーのオンライン活動を密かに監視し、収集した情報を攻撃者に送信するのが特徴。この情報にはクレジットカード番号やパスワード、閲覧履歴などが含まれます。

例えば無料ソフトウェアにスパイウェアが組み込まれている場合、ソフトウェアと一緒にインストールされる可能性があります。

インストール後はユーザーのキーボード入力を記録し、クレジットカード情報やログイン情報を収集。これにより金銭的な被害や個人情報の漏洩が発生します。

ランサムウェア

ランサムウェアはシステムやデータを暗号化し、復号のために身代金を要求するマルウェアです。システムに侵入すると重要なファイルを暗号化し、ユーザーがアクセスできないようにします。

そしてファイルを復号するための鍵を提供する代わりに、身代金を要求するのがランサムウェアの流れです。例えば2024年の6月、株式会社Kadokawaはハッカー集団からサイバー攻撃を受け、機密情報を人質に身代金を要求されました。

ランサムウェアによる被害はほかにも多数報告されており、多くの企業や組織が業務の停止を余儀なくされています。

マルウェアの感染経路

マルウェアに感染する可能性のある経路は下記の通りです。

  • メール添付ファイル
  • 悪意のあるWebサイト
  • ソフトウェアのダウンロード
  • USBメモリ

各感染経路の詳細について詳しく解説します。


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メール添付ファイル

知らない送信者や信頼する企業を装ったメールの添付ファイルを開くことで、マルウェアに感染するリスクがあります。

このような手法は「フィッシング攻撃」と呼ばれており、受信者を騙して添付ファイルを開かせるために送信者を偽装したり、緊急性を装ったりすることが主な特徴です。

例えば「重要なお知らせ」や「アカウントの確認が必要です」といった件名で送られてくるメールには注意が必要です。これらのメールに添付されているファイルを開くと、マルウェアが自動的にインストールされる可能性あります。

メールの添付ファイルを不用意に開くことは、マルウェアに感染するリスクを大幅に高めるので注意が必要です。

悪意のあるWebサイト

危険なWebサイトを訪問すると、自動的にマルウェアがダウンロードされることがあります。

悪意のあるサイトの例として、見た目がそっくりなオンラインショップのサイトや、偽のウイルス警告を表示してユーザーに不正なセキュリティソフトをインストールさせるサイトなどが挙げられます。

インターネットを利用する際には訪問するサイトの信頼性を確認し、不審なリンクをクリックしないことが重要です。

ソフトウェアのダウンロード

信頼できないWebサイトからソフトウェアをダウンロードすると、マルウェアが含まれている可能性があります。特に海賊版ソフトウェアはリスクが高いです。これらの不正ソフトウェアは通常の機能に見せかけて、バックドアやスパイウェアなどのマルウェアを含んでいます。

例えば無料でネットマンガやアニメを提供している非公式サイトからダウンロードした場合、そのアプリケーションにはマルウェアが含まれている可能性があります。

ソフトウェアをダウンロードする際には、公式サイトや信頼できる配布元からのみ行うことが重要です。

USBメモリ

公共の場所や他人のコンピュータで使用したUSBメモリには、マルウェアが組み込まれている可能性があるので注意が必要です。感染したUSBメモリをPCに接続すると自動的にマルウェアが実行され、システムに侵入することがあります。

USBメモリを使用する際には信頼できるデバイスのみを使用し、定期的にウイルススキャンを行うことが重要です。

マルウェアの感染経路に共通していることは、信頼性の低さです。どこが運営しているのかわからない海賊版のソフトウェアや、関係性が薄い他人が使ったUSBなどはマルウェアに感染するリスクがあることを認識することが大切です。

マルウェアに感染した際のリスク

マルウェアに感染すると下記のリスクが生じる可能性があります。

  • データの漏洩
  • システムの破壊
  • 金銭的被害

各内容について詳しく解説します。

個人情報などのデータ漏洩

データの漏洩とは、個人情報や機密データが外部に流出してしまうことです。マルウェアの一種であるスパイウェアやトロイの木馬は、ユーザーが入力したクレジットカード番号やパスワード、メールアドレスなどの個人情報を収集し、攻撃者に送信します。

取得された情報は不正に使用されたり、インターネット上にデータが漏洩するかもしれません。企業の場合、顧客データや取引先情報などの機密情報が漏洩すると、信用の失墜や法的責任が生じることがあります。

こうした漏洩したデータは闇市場で売買され、不正取引に使用される可能性があるのもリスクです。

システムの破壊

システムの破壊はマルウェアがコンピュータシステムにダメージを与え、正常に動作しなくなることです。ウイルスやワームはシステムファイルを改ざんしたり削除したりすることで、コンピュータが起動しなくなったり頻繁にクラッシュしたりする原因となります。

また、ランサムウェアはファイルを暗号化し、アクセスを不能にすることで企業の重要な業務プロセスを停止させます。これにより日常業務が滞り、業務効率が大幅に低下します。

企業の場合、システムの破壊により重要なデータが失われたりサービスが停止したりすることで、大きな損失を被ることにつながるのがリスクです。

金銭的被害

マルウェアの中でもランサムウェアは、ファイルを暗号化して復号のための身代金を要求します。

例えば2017年の「WannaCry」ランサムウェア攻撃では、ワームによって世界中にある20万台以上のコンピュータに被害が広がりました。その際、身代金として300ドル相当の仮想通貨を要求しています。

また、スパイウェアが収集したクレジットカード情報が不正取引に使われるという金銭的被害のリスクもあります。このようにマルウェアの被害により、個人や企業は直接的な金銭的損失だけでなく信用の失墜や法的問題にも直面する可能性があるのです。

マルウェアに感染したスマホの症状

スマホが下記のような状態の場合、マルウェアに感染している可能性があります。

  • 動作の遅延
  • 不審なポップアップ
  • データの不正送信
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動作の遅延やバッテリーの消耗

スマホの動作が以前に比べて急に遅くなる場合、マルウェアがシステムリソースを大量に消費している可能性があります。スパイウェアに感染するとバックグラウンドで常に動作し、ユーザーの活動を監視したり広告を表示したりするのが原因です。

その結果、CPUやメモリが過負荷になり、スマホの全体的なパフォーマンスが低下。アプリの起動が遅くなったり、バッテリーの消耗が速まったりするなどの症状が現れます。

不審なポップアップ

スマホに広告や警告のポップアップが頻出する場合、アドウェアなどのマルウェアに感染している可能性があります。

これらのポップアップはWebサイトを訪問していなくても表示されることがあり、ユーザーに不要なアプリをインストールさせたり偽のウイルス警告で不安を煽ったりすることが目的です。

これによりさらに多くのマルウェアがインストールされるリスクが高まります。

データの不正送信

マルウェアに感染したスマホは、ユーザーの知らない間にデータを外部に送信することがあります。

例えばスパイウェアに感染した場合、ユーザーのキーボード入力や位置情報などを収集して攻撃者に送信します。これにより個人情報や機密情報が漏洩し、プライバシーが侵害されるリスクが高まります。

また、クレジットカード情報やパスワードなどの重要なデータも盗まれる可能性があります。

もしこのような症状が発生し、マルウェア感染の疑いが出た場合はどのように対処すればよいのでしょうか?

マルウェアの削除方法

マルウェアの削除方法として有効なのが、信頼性の高いアンチウイルスソフトをインストールすることです。アンチウイルスソフトは最新の脅威データベースを使用してシステム全体をスキャンし、感染しているファイルやプログラムを検出して削除します。

例えばWindowsだとMcAfeeやNortonなどが有名なアンチウイルスソフトです。これらのソフトはリアルタイムでシステムを監視し、新たな脅威からも保護する機能を備えています。これによりデバイスの安全性を維持し、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを低減することができます。

マルウェアの感染が深刻で、アンチウイルスソフトでも完全に駆除できない場合は、最終手段としてデバイスを初期化する必要があります。

デバイスの初期化とはすべてのデータを削除し、工場出荷時の設定にリセットすることです。この方法によりマルウェアがデバイスから完全に除去されます。

ただし、初期化するとすべてのデータが消えるので、事前に重要なデータのバックアップを取ることが重要です。初期化後は信頼できるソースからのみソフトウェアを再インストールし、最新のセキュリティ対策を導入することで再度の感染を防止できます。

マルウェア対策で重要なこと

マルウェアによる被害を防ぐためには、下記の対策方法が有効です。

  • セキュリティ対策ソフトの導入
  • 定期的なバックアップ
  • 不審なリンクや添付ファイルを開かない
  • セキュリティ教育

各内容について詳しく解説します。

セキュリティ対策ソフトの導入

最新のセキュリティ対策ソフトを導入し、定期的にアップデートすることが重要です。セキュリティ対策ソフトはマルウェアの検出と駆除を行い、リアルタイムでデバイスを保護します。

例えば、McAfeeやNortonなどのソフトはシステムの脆弱性をチェックし、最新のマルウェアデータベースを使用して新しい脅威からも保護します。これにより不正アクセスや、データ漏洩のリスクを大幅に減らすことが可能です。

定期的なバックアップ

重要なデータは定期的にバックアップを取ることで、万が一マルウェアに感染してデータが破壊された場合でも復元できます。

バックアップは外部のハードドライブやクラウドストレージを利用して行うことが推奨されます。定期的なバックアップはデータの損失を防ぎ、業務の継続性を確保するために重要です。

不審なリンクや添付ファイルを開かない

知らない送信者からのメールや、不審なリンクはマルウェアが組み込まれている可能性があります。そのため不審なメールは削除し、信頼できる送信者からのものであってもリンクや添付ファイルを開く前に注意を払うことが必要です。

また、有名企業の名前を使ってリンクをクリックさせようとする「フィッシング攻撃」にも注意が必要です。

セキュリティ教育

企業や組織でのセキュリティ教育を徹底し、社員の意識向上を図ることが重要です。セキュリティ教育の内容はフィッシング攻撃の識別方法やセキュリティ対策ソフトの使用法、データの保護方法などが挙げられます。

定期的なセキュリティトレーニングを実施し、最新の脅威や攻撃手法に対する知識を更新することが全体のセキュリティ向上に寄与します。

※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。

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