GMOインターネットグループは、2026年6月に実施した「生成AI活用」実態調査の結果を発表しました。
生成AI業務活用率98.7%に到達
2026年6月時点で、GMOインターネットグループの国内パートナー(シフト勤務除く)の98.7%(前回調査差+0.9ポイント)が、生成AIを業務に活用しています。利用頻度についても「ほぼ毎日利用している」パートナーが89.3%(前回調査差+5.6ポイント)に達しました。
月間の業務削減時間は43.2万時間、1人あたり約65.1時間(前回調査差+11.2時間)の削減を実現しています。3ヶ月前の前回調査と比べて11時間以上削減しました。
Claudeが利用率トップに浮上
日常利用する生成AIサービスについて、Claudeが73.4%と急伸し、これまでトップだったChatGPT(72.3%)を上回りました。次いでGeminiが64.3%という結果です。
有料サービス契約率は89.5%(前回調査差+16.0ポイント)と大幅に増加しました。2025年5月に創設した「GMO AIブースト支援金」の浸透が、この数値に反映されている結果です。2026年2月には「GMO AIブースト支援金 for Claude」として11.5億円を追加投資しています。
バイブコーディング実践率は約7割に拡大
AIでサービスやツールを開発するバイブコーディングについて、「業務で実践」と「試したことがある」人を合わせると71.8%のパートナーが実践経験を持っています。そのうち業務で実践している人は40.8%(約4割)に達しました。
グループ代表の熊谷正寿氏は、Claude Codeでバイブコーディングを実践し、自身の課題解決のために人生のコントロールパネル「夢が、かなうCockpit」というアプリを自ら開発・日々アップデートしています。同氏は「AIは経営者自らが使いこなしてこそ、組織全体に本物の変革をもたらす」と述べており、社内への波及を目指した姿勢を示しています。
「人間がやったほうがよい」領域と人材像
「まだ自分(人間)がやったほうがよい」と感じる場面として、ハルシネーション対策のための最終確認や数値、日付、法律情報の取り扱いを挙げるパートナーが多く見られました。対人業務やAIの「察する」能力の限界感についても、共通認識として定着しています。
生成AIを使いこなしている人の条件として最多の回答は「業務で成果を出す」でした。「知っている」より「成果が出ている」ことが評価基準として、重視されるようになっており、「人とAIの役割分担ができること」も次いで多い回答となっています。AIの出力を鵜呑みにせず、仮説を持って検証し、自分の言葉で説明できる判断力・説明力が、AIリテラシーの前提として、定着してきました。
グループ内AI推進プロジェクト「AIしあおうぜ!」リーダーの李奨培氏は、プロンプトエンジニアリングからコンテキストエンジニアリング・AIオーケストレーションへ、さらに今はループエンジニアリングの時代への移行を指摘しています。同氏はグラフDBを「第二の脳」として活用し、ノードとエッジで結ばれた知識を「連想」で呼び出す仕組みに注目しており、このループと知識の循環によって、組織の知性を変革・向上させることを2026年の展望として語りました。
「生成AI活用」実態調査の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 調査テーマ | 「生成AI活用」実態調査 |
| 回答者数 | 5,621人(有効回答5,621人) |
| 調査対象 | GMOインターネットグループの国内パートナー(正社員、契約社員、アルバイト、派遣社員、業務委託) |
| 調査期間 | 2026年6月8日(月)~6月12日(金) |
| 生成AI業務活用率 | 98.7%(前回調査差+0.9ポイント) |
| 月間業務削減時間 | 43.2万時間/1人あたり約65.1時間(前回調査差+11.2時間) |
| Claude利用率 | 73.4%(利用率トップ) |
| 有料サービス契約率 | 89.5%(前回調査差+16.0ポイント) |
| バイブコーディング実践率 | 71.8%(業務実践は40.8%) |
| ハイパーオートメーション目標 | 2027年11月30日までに「日本で最もハイパーオートメーション化された企業グループ」を目指す |
| 会社名 | GMOインターネットグループ株式会社(東証プライム市場 証券コード:9449) |
| 所在地 | 東京都渋谷区桜丘町26番1号 セルリアンタワー |
| 代表者 | 代表取締役グループ代表 熊谷 正寿氏 |
| 資本金 | 50億円 |
trends編集部の一言
5,621人規模の調査でClaudeの利用率が73.4%と急伸し、ChatGPTを上回った点は、業界全体としても注目に値する変化です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、複数のAIサービスを使い分ける局面が増えるなかで「どのサービスを主力にするか」という問いは、選定コストとして、現実的な課題になっています。
月間43.2万時間という業務削減の数値よりも、1人あたり約65.1時間という粒度の方が実感を持って受け取れるでしょう。業界全体としては、生成AI導入から定着フェーズへの移行を示す指標として、前回調査から11時間以上の削減が進んでいるというトレンドは、組織的なAI活用の深化を示す動向として読み取れます。グループ代表の熊谷正寿氏自身がバイブコーディングで実際にアプリを開発している点は、トップダウンのAI推進として、組織変革の事例としても注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「ClaudeがChatGPTを抜き利用率トップに バイブコーディングも約7割が実践経験あり【GMOインターネットグループ】 | GMOインターネットグループのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000005419.000000136.html, (参照 26-07-02).
