株式会社日立ソリューションズ西日本は、製造業向けAI類似図面検索システム「Hi-PerBT 図面検索AI」の最新版を7月1日から提供開始すると発表しました。
Hi-PerBT 図面検索AI開発の背景と製造業における課題
製造業では、顧客ニーズの多様化に伴う製品の高度化・複雑化が進む一方、人材不足や熟練者の退職による技術継承が課題となっています。過去の設計資産を効率的に「検索」や「比較」、「再利用」することの重要性が高まっているものの、多くの企業では膨大な図面が蓄積されながらも、十分に活用しきれていません。
「類似図面の検索に時間がかかる」「必要な図面を見つけられず、同じような図面を再設計してしまう」といった課題を多くの企業が抱えている状況があります。株式会社日立ソリューションズ西日本はこうした課題への対応を続けており、今回の最新版では検索機能と比較機能の両面を強化しました。
Hi-PerBT 図面検索AI 最新版で強化された4つの主な特長
最新版の主な特長は以下の通りです。
- 形状検索AIエンジンの搭載で類似形状を高精度に識別
- Microsoft AzureのAI-OCR技術によるテキスト認識精度の向上
- AI画像認識による図面の傾き・位置・縮尺ズレの自動補正
- 事前学習不要により導入準備期間を約2~3週間短縮
形状特徴の識別に適した新たなAIエンジンにより、図面の軽微な形状差異を高精度で識別できます。Microsoft AzureのAIサービスを活用したOCR技術との連携によって、従来認識が難しかったCAD特有のフォントや手書き文字にも対応し、検索漏れを防止する設計です。AI画像認識技術の採用により、改訂前後の図面の差異を正確に抽出し、設計変更時の確認工数削減と修正箇所の見落とし防止に貢献します。
事前学習済みのAIエンジンにより、これまで必要だった図面データごとの個別学習が不要となりました。導入前の準備期間を従来比で約2~3週間短縮するとともに、学習用図面データの事前提供も不要です。図面管理システム「Hi-PerBT Advanced 図面管理」との連携も可能で、登録された属性情報と合わせた複合的な検索によって、より高精度かつ効率的な図面探索を実現します。
Hi-PerBT 図面検索AI 最新版の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供元 | 株式会社日立ソリューションズ西日本 |
| 所在地 | 広島県広島市 |
| 代表者 | 取締役社長 加藤 哲哉氏 |
| 製品名 | Hi-PerBT 図面検索AI |
| カテゴリ | 製造業向けAI類似図面検索システム |
| 主な強化点 | 形状検索AIエンジン搭載・AI-OCR精度向上・AI画像認識による自動補正 |
| 導入期間短縮 | 従来比約2~3週間短縮 |
| 連携製品 | Hi-PerBT Advanced 図面管理 |
| 連携AIサービス | Microsoft AzureのAIサービスを活用したOCR技術 |
| 展示予定 | ものづくりワールド東京(2026年7月1日(水)~7月3日(金)・東京ビッグサイト) |
trends編集部の一言
導入前の準備期間が従来比で約2~3週間短縮されるという点は、現場への定着スピードを左右する要素として注目に値します。業界全体としては、AIツールの精度向上よりも「すぐ使い始められるか」という導入摩擦の低減が、普及を左右するボトルネックになりつつあるのではないでしょうか。事前学習不要という設計は、その課題への実践的な応答です。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、新しいツールを導入するたびに「学習データの準備」や「初期設定の工数」が壁になるという状況は業界横断で語られてきたテーマです。DX推進領域では、既存資産をAIで再活用するアプローチへの関心が高まる可能性があり、事前学習不要という設計はその流れを後押しする動きとして捉えられます。
References
- ^ PR TIMES. 「図面データの活用促進で、業務効率化と製品品質向上に貢献する、製造業向けAI類似図面検索システム「Hi-PerBT 図面検索AI」の最新版を提供開始 | 株式会社日立ソリューションズ西日本のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000038.000060443.html, (参照 26-06-26).
