Workato株式会社は、コインチェック株式会社によるWorkatoの活用事例を公式ウェブサイトに公開しました。
Workato導入前にコインチェックが直面した3つの構造的な課題
コインチェック株式会社は、日本最大級の暗号資産取引所です。2027年度に施行が見込まれる金融商品取引法改正を見据え、市場環境の変化に柔軟に対応できる組織体制の構築に着手しました。経営層がAI活用を戦略的優先事項と位置づけ、2025年度のAI関連投資の予算を確保しています。
AI活用を推進しようとした際、コインチェックでは3つの構造的な課題に直面しました。主な課題は以下の3点です。
- 社内システムの多くにAIがつながらない
- 誰の権限でAIが動いているか、監査で証明できない
- ツールを導入しても、一部の社員しか使いこなせない
これらの課題に対し、金融業特有のガバナンス・監査要件を満たしつつ全業務システムのMCP化を推進するプラットフォームとして、Workatoが選定されました。コーディングエージェントを活用する環境の整備にとどまらず、組織全体にAI活用を根づかせる基盤として位置づけられています。
WorkatoのMCPサーバー全社展開による月間約35時間の業務削減
現在、Workatoを活用して構築・提供しているMCPサーバーは10個以上です。経費精算申請(バクラク)、会計(freee会計)、グループウェア(Google Workspace各種)、勤怠管理システム(ジョブカン)など社員が日常的に利用する主要業務システムを横断的にカバーしています。さらにワークフローツール、法令検索、人事データベース(BigQuery)も対象に含まれており、業務システム全体を横断する構成です。
これらのMCPサーバーを通じて、コーディングエージェント(Claude CodeやCursor)を使う全従業員が、エンジニアかどうかを問わず自分の権限で業務システムを横断的に操作できる環境が整いつつあります。専門ナレッジに特化したRAGエージェントも複数稼働しており、半年ごとの人事評価サイクルを支援するエージェントは、POC期間中にわずか1週間で構築しました。
全社での取り組みは現在、500以上のレシピが1,600万件以上のタスクを処理する規模にまで拡大しました。その結果として、従業員一人あたり月間約35時間の業務削減が実現されています。
コインチェック株式会社コーポレート本部コーポレートインテリジェンス部Applied AI Gグループ長の河石 良太郎氏は、次のように述べています。
「Workatoは、社内でAIを展開する上で不可欠なプラットフォームです。構築したレシピやMCPにユーザー認証をかけて個別に認証できるため、認証トークンを社内でばらまくといった危険なことをする必要がなく、米国SOX法に準拠した監査にも対応できます。社内向けにシステムを構築して提供するプラットフォームとして、とても重宝しています。」
Workato活用事例の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 掲載企業 | コインチェック株式会社 |
| 事例タイプ | 全社AI活用基盤の構築 |
| 主な成果 | 従業員一人あたり月間約35時間の業務削減 |
| MCPサーバー数 | 10個以上 |
| レシピ数 | 500以上 |
| 処理タスク数 | 1,600万件以上 |
| エージェント構築期間(POC) | わずか1週間 |
| 対応法令 | 金融商品取引法・米国SOX法 |
| 事例公開URL | https://www.workato.com/ja-jp/customers/coincheck?utm_source=prtimes |
| 提供元 | Workato株式会社 |
| グローバル導入実績 | 12,000社以上 |
trends編集部の一言
従業員一人あたり月間約35時間という削減幅は、Workatoによる全社AI活用基盤の構築が実務レベルで機能していることを示す数値です。業界全体として、AIツールの導入だけでは組織への定着が進まないという課題が共通して観察されています。
「社内システムにAIがつながらない」「監査で権限を証明できない」「一部の社員しか使いこなせない」という3つの課題をWorkatoで同時に解決した構成は、金融業以外の業種においても示唆を含む事例です。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、ツール導入後に「使いこなせる人と使えていない人の差」が生じる構造は業界横断で語られてきたテーマです。全員が同じ権限で業務システムを横断操作できるEnterprise MCPの発想は、組織へのAI浸透を促す仕組みとして業界全体の動向としても注目される取り組みと言えます。
Agentic AIの活用事例が日本語でも積み重なってきている点は、企業のAI活用が「検討段階」から「実装・定着段階」へ移行しつつある兆候として興味深い局面です。
References
- ^ PR TIMES. 「コインチェック、全従業員のAI活用基盤をWorkatoで構築し一人あたり月間約35時間の業務削減 | Workato株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000062.000090265.html, (参照 26-06-26).
