【時間がない人向け】記事の要約
- Word、Excel、PowerPointで機密情報保護を強化
- ユーザーのUPNを含む透かしで情報漏洩を追跡可能に
- Microsoftが動的透かしを含む新機能を発表
Microsoftの機密情報保護機能に動的透かしを追加
Microsoftは、Word、Excel、PowerPointにおける機密情報保護機能を強化する新たな動的透かし機能を発表した。この機能は、ファイルを開いたユーザーのUPN(ユーザープリンシパル名、通常はメールアドレス)を含む透かしをドキュメント上に表示するもので、情報漏洩の追跡が可能となり、機密情報の不正な拡散を抑制する効果が期待される。[1]
動的透かし機能は、Microsoft Purview Information Protectionの感度ラベルの一部として実装される。管理者が保護された感度ラベルに対してこの設定を有効にすると、該当するラベルが付与されたファイルを開いた際に動的透かしが表示されるようになる。ユーザーは通常通りファイルの閲覧、編集、共同作業を行えるが、ファイルの内容の上に常に透かしが表示されることになる。
Word | Excel | PowerPoint | |
---|---|---|---|
動的透かし表示 | 対応 | 対応 | 対応 |
UPN表示 | 可能 | 可能 | 可能 |
ファイル編集 | 通常通り可能 | 通常通り可能 | 通常通り可能 |
対応クライアント | 最新版Office必要 | 最新版Office必要 | 最新版Office必要 |
動的透かしとは
動的透かしとは、ドキュメントを開いたユーザーの情報を含む透かしをリアルタイムで表示する機能。主な特徴は以下の通り。
- ユーザーのUPN(メールアドレス)を含む透かしを表示
- ファイルの内容の上に常に表示される
- スクリーンショットや写真撮影時にも透かしが含まれる
- 情報漏洩の追跡と抑止に効果を発揮
- Microsoft Purview Information Protectionの感度ラベルと連携
動的透かし機能は従来の静的な透かしと異なり、ファイルを開いたユーザーごとに異なる情報を表示することができる。
これにより情報漏洩が発生した場合でも、どのユーザーからの漏洩であるかを特定することが可能になる。また、ユーザーに対して常に監視されているという意識を持たせることで、不正な情報共有を抑止する心理的効果も期待できる。
動的透かし機能の利用制限と今後の展開
動的透かし機能を利用するにはファイルの所有者を除くすべてのユーザーが、この機能をサポートするOfficeクライアントを使用する必要がある。サポートされていないバージョンのOfficeでファイルを開こうとすると、アクセス拒否メッセージが表示されることになる。この制限により、一部のユーザーがファイルにアクセスできなくなる可能性があるため、組織全体でのOfficeクライアントの更新が必要となる。
Microsoftは動的透かし機能を2024年後半に一般提供する予定だ。現在はパブリックプレビュー段階にあり、管理者はPurviewコンプライアンスポータルで感度ラベルを設定する際に「動的透かしを使用」オプションを選択できる。
また、PowerShellのSet-Labelコマンドレットを使用して、透かしに管理者定義の文字列を含めるなどの詳細な設定も可能となっている。
trends編集部「K」の一言
動的透かし機能の導入により、組織内の機密情報保護がより強化されることが期待される。しかし、この機能の実装に伴い、プライバシーや労働監視の問題が浮上する可能性もある。ユーザーの行動を常時トラッキングしているという印象を与えかねず、従業員のモラルや信頼関係に影響を及ぼす恐れがある。
今後、Microsoftには動的透かし機能のカスタマイズ性の向上が望まれる。例えば、特定の時間帯や特定の種類のドキュメントにのみ透かしを表示する機能や、透かしの表示内容をより柔軟に設定できるオプションなどが追加されれば、組織のニーズに合わせた運用が可能になる。
また他のクラウドサービスとの連携も期待される。
動的透かし機能は、主に企業や組織にとって大きな恩恵をもたらす。機密情報の漏洩リスクを軽減し、コンプライアンス要件を満たすのに役立つからだ。一方で、一般ユーザーにとっては、自身の行動が常に監視されているという不快感を感じる可能性がある。組織は、この機能の導入にあたり、従業員との十分なコミュニケーションとガイドラインの策定が必要となるだろう。
技術的な観点からは動的透かしの実装方法や性能への影響が気になるところだ。大量のドキュメントに対して動的に透かしを生成・表示することで、システムの負荷が増大する可能性がある。Microsoftには、パフォーマンスの最適化と、透かしの偽造や除去を防ぐセキュリティ対策の継続的な改善が求められるだろう。
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