株式会社イトーキは、オフィス内の家具と連動したセンサーによって実利用データを取得するデバイスソリューション「ITOKI OFFICE DEVICES(イトーキ オフィス デバイシズ)」を開発したことを発表しました。
ITOKI OFFICE DEVICESが解決するオフィス運用課題
出社回帰が進むなか、オフィス空間が手狭になる状況が広がっています。「使われていない会議室やブースが予約で埋まっている」「4人なのに8人部屋を予約している」「延長したいが、次の予約状況が分からない」といった課題が顕在化しました。従業員がストレスを抱えやすく、生産性低下につながる状況が生まれています。
こうした課題に対応するため、「ITOKI OFFICE DEVICES」は予約データだけでは見えない「実利用データ」を取得するソリューションです。取得するデータは、利用開始・終了、着席・離席、滞在時間、利用人数などを想定しています。
例えば、予約時間に着席がない空予約が発生した際、センサーが検知して、予約者に開放の有無を即座に通知する仕組みです。予約者が開放すると予約が解除され、次の利用者が予約しやすくなるのです。早期に終了した際にも同様に、空予約の解消を支援します。
ITOKI OFFICE DEVICESの本社12階でのプロトタイプ実装とデバイス構成
本社12階(約2700㎡)では、チームで場所と時間を共有する「チームコワーク」の働き方に最適な「Team Co-work Zone(チームコワークゾーン)」に、距離センサー「Office Sensor」と利用状況を表示する「Office Label」を実装しました。会議室5か所には、主に人感センサーと利用状況表示を兼ね備えた「Office Box」が導入されました。
会議室は、ガラス建材で構築された空間となっていますが、会議室内の利用者のみに人感センサーが反応する設計により、ガラス空間のデザインと機能性を両立しています。また、ソロ席計18席にも「Office Sensor」が搭載され、モニターを完備したソロ席の公平な利用を促します。
デバイスは「Office Label」「Office Box」「Office Sensor」の3種類で構成されており、ボックス型やチェア専用型の形状でオフィス内の空間や家具そのものをデータ取得の接点へと進化させる設計です。Team Co-work Zone、会議室5か所、ソロ席18席に各種デバイスが実装されています。
ITOKI OFFICE DEVICESの4階層データ構造とAIエージェント連携
株式会社イトーキでは、オフィス利用データを4階層で捉えています。主な構成は次の通りです。
- Layer0:オフィスレイアウト
- Layer1:オフィス家具
- Layer2:オフィス設備(湿度、温度データなど)
- Layer3:働く人(個別データ)
「ITOKI OFFICE DEVICES」は、Layer1に位置づける「オフィス家具」の利用データ取得を本格化する取り組みです。取得した実利用データは、AIエージェント「ITOKI OFFICE AI AGENTS(イトーキオフィスAIエージェント)」を通じて、会議室予約システム「Reserve Any(リザーブエニー)」等の既存アプリケーションと連携させる予定となっています。オフィス空間の利用傾向や運用課題を継続的に分析しながら、スペース問題の解決と利便性向上につなげていきます。
ITOKI OFFICE DEVICESの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社イトーキ |
| 本社所在地 | 東京都中央区 |
| 代表取締役社長 | 湊 宏司氏 |
| 創業 | 1890年 |
| サービス名 | ITOKI OFFICE DEVICES(イトーキ オフィス デバイシズ) |
| カテゴリ | デバイスソリューション |
| デバイス種別 | Office Label/Office Box/Office Sensor |
| 実装場所 | ITOKI DESIGN HOUSE TOKYO 12階(約2700㎡) |
| 実装対象 | Team Co-work Zone、会議室5か所、ソロ席18席に各種デバイスを実装 |
| 取得データ | 利用開始・終了、着席・離席、滞在時間、利用人数 等 |
| 顧客提供 | 年内開始予定(2026年6月時点はプロトタイプ・価格未定) |
| 連携サービス | ITOKI OFFICE AI AGENTS/Reserve Any(リザーブエニー) |
trends編集部の一言
「4人なのに8人部屋を予約している」「使われていない会議室が予約で埋まっている」という状況は、オフィスワーカーであれば誰もが経験する場面でしょう。オフィスDX領域では、予約データと実利用データの統合が重要テーマになりつつあります。センサーで実態を可視化するだけではなく、空予約の解消まで一連の流れで対処しようとしている点は、業界全体として、実運用を意識した取り組みとして注目されるのではないでしょうか。
マーケティングの文脈に置き換えると、「ツールを導入した」と「実際に活用されている」の間にある乖離を測定できるかどうかが、施策の改善サイクルを左右する要因です。「予約では見えない実利用データ」という発想はその構造と重なっており、データドリブンな改善の起点をどこに置くかという問いとして、業界全体の動向としても示唆を含む取り組みといえます。
2026年6月時点でプロトタイプという段階ながら、自社オフィスを実証の場として、先行公開する姿勢は提案の説得力を高める判断といえるのではないでしょうか。年内の顧客提供開始に向けて、AIエージェントとの連携がどこまで深まるか、今後の展開も注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「イトーキ、AIエージェントとの連携でオフィス運用を最適化する「ITOKI OFFICE DEVICES」を開発 | 株式会社イトーキのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000657.000032317.html, (参照 26-06-12).
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