Appleは2024年秋に予定しているiOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoia、watchOS 11、visionOS 2、tvOS 18のリリースに合わせてApple Maps、Apple Pay、Apple Fitness+などの主要サービスを大幅に強化すると発表した。各サービスにはユーザーの利便性を高める新機能が多数追加される。^[1]

Apple Mapsでは米国の国立公園でのハイキングルート表示や、ユーザー独自のウォーキングルートの作成が可能。Apple Payではオンラインや各アプリでの支払い時に、ローンの分割払いができるようになる。

Apple Fitness+はパーソナライズされたおすすめ機能の「For You」や、新しいワークアウトの発見を助ける「Explore」などより使いやすくなるよう大幅にデザインが刷新される。フィットネスアプリのサマリータブにもFitness+のおすすめが表示され、ワークアウトデータと一緒に確認できる。

Apple Music、Apple TV、iCloudにも新機能が多数

Apple MusicではSharePlayを使ってHomePodやApple TV、Bluetoothスピーカーから再生中の曲のコントロールをみんなで共有することが可能。また、聴覚障害のあるユーザー向けにiPhoneの触覚を使って音楽を体感できる「Music Haptics」機能が追加される。

Apple TVアプリにはApple TV+の映画やドラマを見ているときに、出演者や音楽などの情報をリアルタイムで表示する「InSight」機能を搭載予定だ。tvOS 18では、Apple TV 4Kで音声をよりクリアにする「Enhance Dialogue」の性能が機械学習の活用により向上する。

iCloud Mailは受信トレイを整理して最新状態に保つための分類機能を導入する。メールはプライマリ、トランザクション、アップデート、プロモーションに自動的に振り分けられる。iCloudの設定画面も刷新され、主要な機能の有効化やiCloud+の活用などがスムーズになる。

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trends編集部「K」の一言

Appleが発表した新OSとサービスの強化は、ユーザーの利便性を大きく向上させるものだ。特にApple Mapsのハイキングルート機能は、アウトドア愛好家には嬉しい新機能だろう。一方でこれだけの機能を使いこなすには、学習コストがかかるのではという懸念もある。

Apple Payのリワードや分割払い機能はほかの決済サービスにも似たような機能があるため、差別化ポイントとしてどこまで訴求力があるかは未知数だ。ただ、Apple Payユーザーにとっては選択肢が増えるのは歓迎すべきことだろう。セキュリティ面での優位性をアピールしつつ、他サービスとの連携も強化してほしい。

Apple Fitness+の改善は、ますます健康志向が高まる中で的を射た施策と言える。パーソナライズ機能の充実でユーザーのモチベーション維持にも役立ちそうだ。ただ、初級者から上級者まで満足できるコンテンツのラインナップ拡充も引き続き求められる。

Apple TVの「InSight」機能は、視聴体験を豊かにする新機軸だ。今後はApple TV+オリジナル作品との連動企画なども考えられ、没入感をさらに高められそうだ。iCloudのメール分類は受信トレイの整理で利便性が格段に上がるため、ビジネスユーザーを中心に歓迎されるだろう。端的に言えばAppleはユーザー目線に立った機能強化を着実に進めている。OSとサービスの緊密な連携にも一層磨きをかけ、エコシステムの強みを存分にアピールしてほしい。