本ニュースの3行要約
- SenseTimeはインタラクション機能とコスト効率が向上した中国初のリアルタイムマルチモーダルモデル「SenseNova 5.5」を発表しました。
- 「Project $0 Go」イニシアティブはOpenAIから移行する新しい企業ユーザー向けに無料のオンボーディングを提供し、SenseNovaの強力な機能を活用しやすくします。
- SenseNova 5.5は金融・農業・文化観光向けの専門モデルを含むAI生産性ツールを提供し、効率と運用パフォーマンスを向上させます。
SenseTimeがWAIC 2024で次世代のAI技術「SenseNova 5.5」を披露
中国企業「SenseTime（商湯科技）」は2024年世界人工知能会議(WAIC)にて、革新的なAI技術「SenseNova 5.5」を発表しました。[1]
SenseNova 5.5には中国で初めてのリアルタイムマルチモーダルモデル「SenseNova 5o」が含まれており、GPT-4oと同等のインタラクション機能を備えているのが特徴。エッジサイドのコスト効率が大幅に向上し、デバイスごとの年間コストが9.90人民元に削減されました。
エッジサイドとは
エッジサイド（エッジコンピューティング）とはデータ処理や計算をクラウドやデータセンターではなく、データが生成される場所に近いデバイスやローカルネットワーク上で行うコンピューティングモデルです。これによりリアルタイムのデータ処理が可能となり、低遅延や帯域幅の節約が期待できます。
SenseNova 5.5のアップグレード内容
SenseNovaの最新バージョンであるSenseNova 5.5は、音声やテキスト、画像、動画などのさまざまなデータモダリティをリアルタイムで処理できるのが特徴。数学的推論や英語能力、コマンドの追従能力も大幅に向上しています。
本モデルはクラウドとエッジのハイブリッドコラボレーションアーキテクチャを採用し、推論コストを削減するとともに、リアルタイムの会話や音声認識などのアプリケーションに適しています。
ハイブリッドコラボレーションアーキテクチャとは
本記事で述べている「クラウドとエッジのハイブリッドコラボレーションアーキテクチャ」とは、データ処理や計算をクラウドサーバーとエッジデバイスの両方で分担し、効率的に行うアーキテクチャのことです。
本アーキテクチャを採用することでリアルタイムの応答性が向上し、ネットワーク帯域幅の節約やコストの削減、高い可用性とセキュリティが確保されます。
「SenseNova 5.5」の革新がもたらすAI業界への影響
SenseTimeの「SenseNova 5.5」の発表は、AI技術の進化において重要な節目となります。このアップグレードによってよりリアルタイムで自然なインタラクションが可能となり、エッジデバイスの導入も加速するでしょう。
これにより消費者向けアプリケーションだけでなく、企業向けのスマートソリューションにおいても効率化とアクセシビリティの向上が期待されます。
「SenseNova 5.5」の導入によってAI技術の民主化をさらに推進し、小規模企業から大企業まで幅広い組織がAIを利用する障壁を低減する可能性があります。
また、AIの対話能力が向上することでユーザー体験が大幅に改善され、AI技術の新たな利用例が生まれるでしょう。これによりSenseTimeの影響力がさらに拡大し、中国国内外でのビジネス拡大が加速される可能性があります。
References
- ^ SenseTime. "SenseTime Unveils SenseNova 5.5 - a Complete and Comprehensive Upgrade". https://www.sensetime.com/en/news-detail/51168278?categoryId=1072, (accessed 2024-07-15).
