"などの文字化け表示される原因
Webページで"という文字列が表示されてしまうのは、HTMLの特殊文字処理に問題が発生しているためです。"はダブルクォーテーション(")を表すHTMLの文字実体参照であり、本来はブラウザによって「"」という記号に変換されて表示されます。しかし、何らかの理由でこの変換処理が正しく行われないと、"という文字列がそのまま画面に表示されてしまいます。
この問題が発生する原因として、以下の3つがあります。
- HTMLの特殊文字として認識されていない
- 二重エスケープが発生している
- 文字コードの設定が間違っている
それぞれ異なる状況で発生するため、自分の環境がどのケースに該当するかを確認することで適切な対処ができます。以下では各原因について、詳しく解説していきます。
HTMLの特殊文字として認識されていない
"という文字列が正しく変換されない主な原因は、ブラウザがHTMLの特殊文字コードとして認識していないことです。HTMLでは「&」で始まり「;」で終わる文字列を特殊文字コードとして解釈しますが、この形式が崩れていると通常のテキストとして扱われてしまいます。
発生する状況として、以下のようなケースがあります。
- セミコロン(;)が抜けている場合("のみ)
- アンパサンド(&)が欠けている場合(quotのみ)
- 全角文字で記述されている場合(")
- HTMLタグの外側(テキストファイルなど)に記述されている場合
特にWordPressなどのCMSで、ビジュアルエディタとテキストエディタを切り替えながら編集していると、意図せず形式が崩れることがあります。また、外部ツールからコピー&ペーストした際に、見た目は同じでも全角文字に変換されていることもあるため、注意が必要です。
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二重エスケープが発生している
二重エスケープとは、既にエスケープ処理された文字列に対して、さらにエスケープ処理を行ってしまう状態を指します。本来「"」という記号を表示するために"と記述したはずが、システム側で自動的にもう一度エスケープ処理が行われ、"のように変換されてしまうことがあります。
この問題が発生しやすい状況は、以下のとおりです。
- PHPやJavaScriptで自動エスケープ機能が有効になっている
- 「データベースに保存する際」と「ブラウザに出力する際」の両方でエスケープ処理が実行される
- セキュリティ対策のプラグインが自動的にエスケープ処理を追加している
- テンプレートエンジンの設定で自動エスケープがオンになっている
特にWebアプリケーションやCMSを使用している場合、複数のレイヤーでエスケープ処理が行われるため、意図せず二重エスケープが発生しやすくなります。開発者ツールでHTMLソースを確認すると、"のように&自体がエスケープされていることで判別できます。
文字コードの設定が間違っている
HTMLファイルの文字コード設定が適切でない場合、特殊文字が正しく処理されないことがあります。文字コードとは、コンピュータが文字を数値として扱うための変換規則です。HTMLファイルを作成した際、文字コードとブラウザが解釈する文字コードが異なると、文字化けが発生します。
文字コードに関連する問題として、以下のようなケースがあります。
- HTMLファイルの先頭に文字コード宣言(meta charset)が記述されていない
- ファイル保存時の文字コードとmeta charsetの指定が一致していない
- Shift_JISで保存されたファイルをUTF-8として読み込んでいる
- サーバーから送信されるHTTPヘッダーの文字コード指定が間違っている
現在のHTML標準ではUTF-8が推奨されており、多くのブラウザもUTF-8を前提として動作します。Shift_JISやEUC-JPなど古い文字コードを使用していると、特殊文字の処理に問題が発生しやすくなるため、UTF-8に統一することが望ましいでしょう。
"の文字化けを直す方法
"という文字列が表示されてしまう問題を解決するには、原因に応じた適切な対処が必要です。HTMLの特殊文字は正しい形式で記述し、文字コードを適切に設定することによって、ブラウザが正しく「"」として表示できるようになります。
また、今後同じ問題を起こさないために、HTMLの特殊文字に関する基礎知識を身につけておくことも大切です。
解決方法として、以下の3つがあります。
- 文字コードをUTF-8に設定する
- 正しいエスケープ処理を行う
- よく使うHTML特殊文字を覚える
それぞれ異なるアプローチで問題を解決できるため、自分の状況に合った方法を選択することで効率的に対処できます。以下では各方法について詳しく解説していきます。
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文字コードをUTF-8に設定する
HTMLファイルの文字コードをUTF-8に統一することで、特殊文字の処理に関する多くの問題を解決できます。UTF-8は世界中のほぼすべての文字を扱える文字コードであり、HTML Living Standardでも標準として推奨されています。「ファイル保存時の文字コード」と「HTMLファイル内の宣言」を一致させることが重要です。
具体的な設定手順は、以下のとおりです。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>ページタイトル</title>
</head>
<body>
<p>ここに本文を記述します。</p>
</body>
</html>
上記のコードでは、head要素内の最初の行で<meta charset="UTF-8">を記述しています。この宣言により、ブラウザはこのHTMLファイルをUTF-8として解釈します。
また、テキストエディタでファイルを保存する際も、文字コードをUTF-8(BOMなし)に設定する必要があります。Visual Studio CodeやSublime Textなどのエディタでは、画面右下の表示から文字コードを確認・変更できます。
正しいエスケープ処理を行う
HTMLで特殊文字を表示するには、文字実体参照または数値文字参照を正しい形式で記述する必要があります。"はダブルクォーテーション(")を表す文字実体参照であり、「&」で始まり「;」で終わる形式を守ることでブラウザが正しく解釈できます。二重エスケープを避けるため、システムの自動エスケープ設定も確認しましょう。
正しいエスケープ処理の例を以下に示します。
<!-- 文字実体参照を使う場合 -->
<p>彼女は"こんにちは"と言いました。</p>
<!-- 数値文字参照を使う場合 -->
<p>彼女は"こんにちは"と言いました。</p>
<!-- 属性値の中でも使用できる -->
<p title="彼女は"こんにちは"と言いました">マウスを乗せると表示されます</p>
上記のコードでは、文字実体参照(")と数値文字参照(")の両方でダブルクォーテーションを表示しています。どちらを使用しても同じ結果が得られますが、文字実体参照の方が意味がわかりやすいため一般的です。
また、HTML属性の値の中でクォーテーションを使う場合も、必ずエスケープ処理が必要になります。二重エスケープを避けるため、CMSやフレームワークを使用している場合は、自動エスケープ機能の設定を確認しておきましょう。
よく使うHTML特殊文字を覚える
HTMLで頻繁に使用される特殊文字を覚えておくことで、文字化けのトラブルを未然に防ぐことができます。これらの文字参照を正しく使えるようになれば、Web制作やブログ執筆がスムーズになります。
よく使う特殊文字の一覧は、以下のとおりです。
| 表示 | 文字実体参照 | 数値文字参照 | 説明 |
|---|---|---|---|
| < | < | < | 小なり記号 HTMLタグの開始記号として使われるため必須 |
| > | > | > | 大なり記号 HTMLタグの終了記号として使われるため必須 |
| & | & | & | アンパサンド 文字実体参照の開始記号として使われるため必須 |
| " | " | " | ダブルクォーテーション 属性値の中で使う場合に必要 |
| ' | ' | ' | シングルクォーテーション 属性値の中で使う場合に必要 |
| (半角スペース) | ノーブレークスペース 連続する空白を表示する場合に使用 |
||
| © | © | © | 著作権記号 コピーライト表記で使用 |
文字実体参照は英単語の略語で構成されているため覚えやすく、コードの可読性も高くなります。一方、数値文字参照はすべての文字に対応できるため、文字実体参照が定義されていない特殊な記号を表示する際に使用します。どちらの形式もセミコロン(;)が必要なので、忘れないように記述しましょう。
※上記コンテンツの内容やソースコードはAIで確認・デバッグしておりますが、間違いやエラー、脆弱性などがある場合は、コメントよりご報告いただけますと幸いです。
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