GENIACは2024年2月に経済産業省が立ち上げたプロジェクトで、国内における生成AIの開発力を底上げするため基盤モデルの開発に焦点を当てている。フューチャーは本採択事業で東北大学や奈良先端科学技術大学院大学、会津大学の研究者らと共同チームを組み、日本語のソフトウェア開発に強い言語モデルの構築を目指す。

プロジェクト期間は2024年10月から2025年4月を予定。従来のソースコード補完にとどまらず「ソースコードの自動レビュー生成」や「仕様書からのソースコード自動生成」など、幅広い領域での高い生成能力の達成を目指しており、ソフトウェア開発の省力化および開発コストの削減を期待したい。

GENIACプロジェクトの概要

項目	詳細
プロジェクト名	GENIAC（Generative AI Accelerator Challenge）
主催	経済産業省
採択企業	フューチャー株式会社
開発内容	日本語とソフトウェア開発に特化した基盤モデル
連携機関	東北大学、奈良先端科学技術大学院大学、会津大学
プロジェクト期間	2024年10月〜2025年4月（予定）

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LLM（Large Language Model）について

LLMとは大規模言語モデル（Large Language Model）の略称で、膨大なテキストデータを学習し高度な自然言語処理タスクを実行できる人工知能モデルのことを指す。主な特徴として以下のような点が挙げられる。

大量のテキストデータから言語パターンを学習
文章生成、質問応答、翻訳など多様なタスクに対応
コンテキストを理解し、人間らしい応答が可能

フューチャーが取り組む日本語特化型LLMの開発は、ソフトウェア開発分野における言語の壁を取り除く重要な取り組みだ。従来の英語中心のモデルでは十分に対応できなかった日本語でのソフトウェア開発支援が可能になり、日本のIT産業の競争力向上に寄与すると期待される。

trends編集部「K」の一言

フューチャー株式会社による日本語特化型ソフトウェア開発LLMの構築は、日本のIT産業にとって画期的な取り組みだ。日本語でのコーディング支援や自動レビュー生成が可能になれば、開発効率の大幅な向上が見込める。しかし、日本語特有の表現や文化的背景を適切に理解し高品質なコード生成を実現するには、さらなる研究開発が必要になるだろう。

今後の課題として、日本語プログラミング言語との互換性や日本企業特有の開発プロセスへの適応が挙げられる。また、AIによる自動生成コードの品質保証やセキュリティ面での信頼性確保も重要な検討事項と言えるだろう。

将来的には、このLLMを基盤として日本語での音声コーディングや自然言語による複雑なシステム設計支援など、より高度な機能の実現を期待したい。さらに、日本語特化モデルの知見を活かし他のアジア言語圏向けのソフトウェア開発支援AIの開発にも発展させていくことで、日本のAI技術の国際競争力強化に繋がるだろう。