株式会社GFLOPSは、法人向け生成AIプラットフォーム「AskDona(アスクドナ)」に、エンタープライズ向けのアクセス制御機能を追加しました。
AskDonaアクセス制御機能追加の背景と目的
生成AIの業務利用は、特定部門での試験導入から、社内文書、規程、顧客情報、研究資料、監査・評価に関わる情報などを扱う実務利用へと広がっています。こうした変化を受けて、生成AIを便利なツールとして、提供するだけではなく、誰がどの情報や機能にアクセスできるかを組織として管理することが求められるようになってきました。
特にエンタープライズ領域では、いくつかの点が前提条件として挙げられます。具体的には、部署や職責、業務内容に応じて利用できる機能を分けること、組織全体で特定操作を制限できること、設定変更の履歴を確認できることが求められます。生成AIが業務データを参照して、回答や判断支援に活用されるほど、データガバナンス、アクセス制御、監査性は全社利用の基盤です。
AskDonaに追加された2つのアクセス制御機能の詳細
今回追加された機能は「組織の制限」と「ロール権限」の2つです。それぞれの役割を以下に示します。
- 組織の制限:コンプライアンスやセキュリティの観点から特定の操作を組織全体で制限する機能
- ロール権限:ユーザーに付与する権限のセットを役割ごとに管理する機能
設定の追加・解除履歴は監査ログに記録され、誰がいつ変更したかを確認できる仕組みです。
「組織の制限」では、設定した制限がオーナーを含む組織内のすべてのユーザーに適用されます。ロール権限で許可されている操作であっても、組織の制限が設定されている場合は、より厳しい制限が優先される仕組みです。
「ロール権限」では、標準で用意されたシステムロールに加え、各組織の管理者が作成・編集できるカスタムロールを利用できます。RAGチャットのみを許可する、ユーザー管理を管理者に限定する、分析閲覧やデータベース管理を特定ユーザーに付与するなど、部署や職責、業務内容に応じた権限設計が可能です。
AskDona(アスクドナ)アクセス制御機能の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社GFLOPS |
| 対象サービス | AskDona(アスクドナ) |
| サービス区分 | 法人向け生成AIプラットフォーム |
| 主な新機能 | 組織の制限・ロール権限(設定変更履歴の監査ログ記録を含む) |
| 想定利用対象 | 企業・研究機関・公共団体 |
| 本社所在地 | 東京都渋谷区 |
| 代表者 | 盛本マリア(共同代表:鈴木亮祐) |
| 会社HP | https://gflops-ai.com/ |
AskDonaアクセス制御機能で想定される3つの活用場面
今回のアクセス制御機能は、次の3つの場面での活用が想定されています。以下にまとめます。
- 全社利用時の権限管理:一般ユーザー・管理者・データベース管理者・分析閲覧者など役割ごとに利用範囲を分けた運用
- 部門ごとの利用範囲の管理:法務、人事、情報システム、研究開発、監査部門など業務目的が異なる部門への機能割り当て
- アセスメント業務や監査対応での利用制御:Batch Assessmentのように評価項目、証跡、判断理由、参照元などを扱う機能について、利用できるユーザーや部署を限定
trends編集部の一言
生成AIを「試す段階」から「全社で使う段階」へ移行するとき、最初に壁になるのがアクセス制御と監査対応です。マーケティング業界の文脈に置き換えると、外部データや顧客情報を複数メンバーで扱うツールにおいて、誰にどこまで情報を開示するかという権限設計は、業界横断で課題として語られてきたテーマでした。今回の機能アップデートは、そのボトルネックに直接答えようとしている点で、業種を問わず、参考になる発表です。
NIST(National Institute of Standards and Technology)のAI Risk Management Framework(AI RMF 1.0)やOWASP Foundationの「OWASP Top 10 for Large Language Model Applications 2025」が参考情報として、示されている点も注目されます。企業における生成AIツールの選定では、ガバナンスに関する情報開示が評価項目として扱われる場面もあるでしょう。マーケティング業界でも、生成AIツールの選定に際してガバナンス面の評価軸が重視されてきており、こうした情報開示のアプローチは、生成AIツールのガバナンスをめぐる市場動向として注目されます。
References
- ^ PR TIMES. 「GFLOPS、法人向け生成AIプラットフォーム「AskDona」にエンタープライズ向けアクセス制御機能を追加 | 株式会社GFLOPSのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000073.000132991.html, (参照 26-07-08).
