Microsoftは2024年8月から、Visual Studioの月次セキュリティ更新プログラムをMicrosoft Update（MU）システムで提供すると発表した。IT管理者によって管理されていない組織に属さない開発者は、毎月の「パッチ火曜日」にMUを通じてVisual Studioのセキュリティ更新プログラムを受け取ることができる。^[1]

この新しい更新オプションはVisual Studio 2022、Visual Studio 2019、Visual Studio 2017で利用可能だが、Previewチャンネルはこのオプションの対象外となる。開発者はWindows設定の「Windows Update」から「詳細オプション」を選択し、「他のMicrosoft製品の更新プログラムを受け取る」オプションを有効にすることでVisual Studioとその他Microsoft製品の更新プログラムをMUから受け取ることが可能だ。

MUを介して配信される更新プログラムは通常、夜間のマシンのアイドル時間中に適用される。Visual Studioを閉じて夕方にはVisual Studioを定期的に保存して閉じることで、翌朝にはWindows Updateの履歴で最新のVisual Studioセキュリティ更新プログラムが正常に適用されたことを確認できるようだ。また、Visual Studioを閉じてWindows Updateの「更新プログラムのチェック」ボタンを押すことで、オンデマンドで手動で更新することもできる。

IT管理者向けのVisual Studio管理者向け更新プログラムソリューションも提供中

Microsoftは組織のIT管理者向けに、Windows Update for Businessを使用して月次のVisual Studioセキュリティ更新プログラムを展開できるVisual Studio管理者向け更新プログラムソリューションも提供している。マイクロソフトを含む1,500以上の組織が現在このソリューションを使用しており、毎月数十万台のマシンにVisual Studioのセキュリティ更新プログラムを自動的にインストールしている。

今回の発表は、更新ポリシーを管理する個人ユーザーに向けたものだ。Microsoftは開発者がこのソリューションに登録し、他のMicrosoft製品と一緒にVisual Studioの更新プログラムを自動的に受け取りインストールすることを推奨している。

おすすめのPython研修一覧

Python研修を提供しているおすすめの企業・法人を一覧で掲載しております。

Python研修の一覧を見る

おすすめのDX研修一覧

DX研修を提供しているおすすめの企業・法人を一覧で掲載しております。

DX研修の一覧を見る

おすすめのJava研修一覧

Java研修を提供しているおすすめの企業・法人を一覧で掲載しております。

Java研修の一覧を見る

おすすめのJavaScript研修一覧

JavaScript研修を提供しているおすすめの企業・法人を一覧で掲載しております。

JavaScript研修の一覧を見る

trends編集部「K」の一言

IT管理者によって管理されていない環境で働く開発者にとって、セキュリティ更新プログラムの適用が簡単になることで、常に最新の安全な開発環境を維持できるようになる。しかし、自動更新がもたらす利便性の裏で、更新プログラムによる予期せぬ副作用のリスクも忘れてはならない。

Visual Studioの更新プログラムは新機能やバグ修正だけでなく、既存のアプリケーションの動作に影響を与える可能性のあるAPIの変更なども含まれている。そのため開発者は更新プログラムの適用前にリリースノートを確認し、自身のプロジェクトへの影響を慎重に評価する必要がある。場合によっては更新プログラムの適用を延期し、テストと修正の時間を確保することも検討すべきだろう。

また、組織におけるVisual Studioの管理という観点からは、IT管理者向けのVisual Studio管理者向け更新プログラムソリューションの存在も見逃せない。セキュリティ更新プログラムの一元管理と適用は、開発環境の保護と統制にとって重要な要素だ。しかし、管理者は開発者のニーズとのバランスを取りながら、更新プログラムの評価とロールアウトのプロセスを慎重に設計する必要がある。

Microsoftのこの取り組みは、Visual Studioユーザーにとって利便性とセキュリティの向上をもたらすものだ。しかし、自動更新の恩恵を最大限に活かすためには、開発者とIT管理者の双方が更新プログラムの管理というテーマにおいて、それぞれの役割と責任を理解し協力していくことが不可欠だろう。