エルピクセル株式会社は2026年4月16日、医用画像解析AI「EIRL(エイル)」シリーズが東南アジア6カ国で薬事承認を取得したと発表しました。
EIRLシリーズが東南アジア6カ国で薬事承認を取得した背景
今回承認を受けた製品は、胸部X線画像から肺結節を含む異常陰影候補領域の検出や、結核の可能性を分類する画像診断支援AIです。すでに数件の医療機関でトライアル導入を実施しており、今後は各国の販売パートナーやPACS(医用画像管理システム)を提供する各社と、緊密に連携しながら販売を推進していく方針です。
東南アジア地域では、生活習慣の変化等に伴い、心血管疾患やがん等の非感染性疾患(NCD)が主要な健康課題となっています。加えて、世界の新規結核患者の3分の1以上が同地域に集中しており、感染症対策と非感染性疾患対策の両面で、画像診断の需要が高まっている状況です。
東南アジアにおける医療課題とAI活用の取り組み
東南アジア諸国では、医師や医療リソースが先進国と比べて不足しており、特に地方や小規模医療機関では、専門医による診断体制の整備が十分ではありません。エルピクセルは、画像診断支援AIの普及を通じて、「医療の質の均てん化」と「安全性の向上」に貢献できると考えています。
- 6カ国での薬事承認を一括取得
- 複数医療機関でトライアル導入を実施済み
- PACS提供企業との連携による販売推進
- タイでモバイル結核検診の実証実験を開始
結核の早期発見に向けては、2025年3月よりタイ・マヒドン大学公衆衛生学部と共に、X線撮影装置を搭載したバスによる、モバイル結核検診の実証実験に取り組んでいます。診断支援AIの現場活用を、段階的に広げていく計画です。
各国の薬事承認状況と対象製品の概要
| 国名 | 承認時期 | 主な対象製品 |
|---|---|---|
| ベトナム | 2024年12月 | Viewer、Chest Metry、Chest XR |
| フィリピン | 2025年1月 | Viewer、Chest Metry、Chest XR |
| タイ | 2025年1月〜9月 | Chest Screening、Chest TB |
| インドネシア | 2025年5月 | Viewer、Chest Metry、Chest XR |
| マレーシア | 2025年11月 | Chest Screening |
| シンガポール | 2026年3月 | Chest Screening(XR, Chest Metry) |
trends編集部の一言
医療AIの海外展開において、6カ国で一括して薬事承認を取得するのは、相当な準備が必要になるはずで、各国の規制対応を並行して進めた実行力が印象に残りました。PACS提供企業や現地の販売パートナーとの連携戦略は、医療現場のワークフローに即した形でAIを届けるうえで、重要な判断だといえます。
結核検診にX線撮影装置を搭載したバスを活用する、実証実験の取り組みも注目に値します。日本国内で1200施設以上に導入され、総解析件数が1600万件(2026年2月末時点、トライアル含む)を突破している実績をベースに、東南アジアの医療現場でどのような成果が出てくるのか、今後の進展を追いかけたいところです。
References
- ^ PR TIMES. 「画像診断支援AI「EIRL(エイル)」シリーズが、東南アジア6カ国で薬事承認を取得 | エルピクセル株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000092.000010005.html, (参照 26-04-17).
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