株式会社Wallabeeは、GEO/AIO/LLMOプラットフォーム「Optyino.ai」の分析結果として、生成AIの回答におけるホワイトペーパー本体の引用実態を発表しました。
Optyino.aiが40件のBtoB質問でAI回答を検証
Optyino.aiは、ChatGPTやPerplexity、Geminiなどの生成AIにおける自社ブランドの言及・引用状況を分析し、AI検索時代の新しいマーケティング指標を提供するGEO/AIO/LLMOプラットフォームです。今回の調査では、「デジタルデータ業界の最新トレンドは?」など、ホワイトペーパーを直接指定しない自然なBtoB検索質問40件を対象に、8AIモデル・40プロンプトの組み合わせで取得されたAI回答25,001件を分析しました。
BtoBマーケティングの現場では、「ホワイトペーパーを作ればAI検索でも引用されやすくなるのではないか」という期待がよく聞かれます。生成AI検索ではSEOと同様に、一次情報や数値根拠を持つコンテンツが評価されやすいとされ、調査レポートやホワイトペーパーはその代表格と見なされがちです。
一方で、ホワイトペーパーの多くはPDF形式で、フォーム入力を経て初めてダウンロードできる形で公開されているケースも少なくありません。PDFやフォーム通過後のページだけに情報が閉じている場合、検索基盤やAIシステムが発見・取得・解釈のいずれかの段階でつまずきやすいことが知られています。Optyino.aiは、こうした構造上の懸念が実際のAI回答データにどの程度反映されているかを検証するため、今回の分析を実施しました。
ホワイトペーパー本体の引用率はわずか0.4%にとどまる
資料タイプ別に見ると、ホワイトペーパー本体の回答引用率は0.4%(99件/25,001件)でした。発行主体を企業・商用サイトやBtoBメディアに限定した「商用ホワイトペーパー」に絞ると、引用率はさらに低い0.1%(27件)にとどまります。
一方、導入事例や製品カタログなど、資料形式のコンテンツを広く含めた「資料型コンテンツ」全体の回答引用率は22.3%(5,586件)に達しています。ホワイトペーパー本体単体との差は約56倍、最も引用率が高い導入・活用事例(7.7%)と比べても約19倍の差があります。
本体を引用した回答に含まれる引用URL102件の内訳を見ると、発行主体の偏りが顕著です。
| 発行主体 | 本体引用URL数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 公的・政府機関 | 72件 | 70.6% |
| 企業・商用サイト | 22件 | 21.6% |
| BtoBメディア・資料プラットフォーム | 5件 | 4.9% |
| 業界団体・技術プロジェクト | 3件 | 2.9% |
| 学術・教育機関 | 0件 | 0.0% |
公的・政府機関発行の白書が本体引用URLの70.6%を占める一方、企業・商用サイトは21.6%にとどまります。ホワイトペーパー本体の回答引用率がわずか0.4%であることに加え、その引用の大部分を公的機関が占めていることから、企業が発行する商用ホワイトペーパー単体の引用機会は、全体の数値以上に限定的だと考えられます。
AIモデル別に見ると、ホワイトペーパー本体の回答引用率には最大18倍の差があり、最も低いPerplexityは0.1%、最も高いCopilotは1.8%です。
| AIモデル | 本体引用率 | 商用本体引用率 | PDF引用率 |
|---|---|---|---|
| Copilot | 1.8% | 0.4% | 3.6% |
| Grok | 0.4% | 0.0% | 1.1% |
| Gemini | 0.4% | 0.1% | 3.9% |
| ChatGPT | 0.3% | 0.2% | 29.9% |
ChatGPTのPDF引用率は29.9%と他モデルより突出していますが、本体引用率は0.3%にとどまり、平均的な水準です。ChatGPTが引用する大量のPDFの大半は、ホワイトペーパー本体ではなく一般的な資料だと考えられます。PDF件数のみを成果指標にすると、ホワイトペーパー本体が十分に引用されていない実態を見落とすおそれがあります。
検索意図別では、解説・導入判断の質問での本体引用率が2.8%である一方、企業・サービス選定の質問では0.1%まで下がります。課題解決・最適化の質問にいたっては引用回答が0件で、引用率は0.0%です。
生成AIは、業界動向や仕組みを説明する解説フェーズの質問では白書を参照することがあっても、発注先や導入サービスを比較検討するフェーズの質問では、ホワイトペーパーを引用する頻度が大きく下がる傾向があります。比較検討フェーズの質問では具体的な企業やサービスの比較軸を求める回答が多く、個別の事例記事や製品カタログのほうが回答材料として使われやすいと考えられます。
今回の調査結果からは、「ホワイトペーパーという形式そのもの」よりも「PDF単体で完結する資料の公開の仕方」が、生成AIでの引用されやすさを左右している可能性が浮かび上がります。主要な発見や数値をHTML本文の要約ページとして公開し、そこからPDF本編やダウンロードフォームへ誘導する構成には、検討の余地があると言えます。
Optyino.aiによる調査の概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 調査期間 | 2026年1月16日から2026年7月18日まで(184日間) |
| 調査主体 | Optyino.ai |
| 分析対象回答数 | 25,001件 |
| 抽出引用URL数 | 237,721件 |
| 集計対象引用URL数 | 227,708件 |
| 対象AIモデル | ChatGPT・Claude・Gemini・Grok・Perplexity・Copilot・Google AIモード・Google AI Overviewの8種 |
| 対象プロンプト数 | 40プロンプト |
| 対象領域 | Web3・データ活用、GEO・AI・マーケティング、物流・SCM、企業経営・SaaS、エネルギー、規制・専門物流の6領域 |
| 検索意図 | 解説・導入判断、企業・サービス選定、課題解決・最適化の3種 |
trends編集部の一言
ホワイトペーパー本体の引用率が0.4%にとどまり、資料型コンテンツ全体の22.3%と56倍もの差が生じている点は、BtoBマーケティング業界にとって見過ごせないデータです。マーケティングの現場でも「一次情報を盛り込んだホワイトペーパーを作ればAI検索で評価される」という発想は根強く、今回の結果はその前提を見直す材料になりそうです。
引用された本体の70.6%を公的・政府機関の白書が占め、企業発行の商用ホワイトペーパーは21.6%にとどまっている点も、業界全体としては注目に値します。同じ調査内容でもPDF単体で公開するか、HTML本文の事例記事や製品カタログとして公開するかによって、AI検索での見え方が大きく変わる可能性があり、コンテンツ設計を見直す良い検討材料になりそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「生成AIはホワイトペーパーを引用する?Optyino.aiがAI回答25,001件を分析、引用率はわずか0.4% | 株式会社Wallabeeのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000037.000124655.html, (参照 26-07-20).
※本記事は一次情報(PR TIMES)を基に編集しています。内容はAIで確認していますが、誤りや最新情報との差異がある場合は、以下フォームよりご報告ください。
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