営業と運営が振り返る、生成AI時代の2026年度新入社員研修で変わったこと・変わらなかったこと
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生成AIで変わったこと、変わらなかったこと ── 2026年度 新入社員研修の現場から
生成AIを前提とした新人研修で、何を変え、何を変えないのか。
「AIを使わせること」と「本当に理解させること」を両立する、2026年度の研修設計
生成AIの活用が当たり前になりつつある一方、新人研修では「進捗しているように見えて、実は理解できていない」という新たな課題も生まれている。2026年度の新入社員研修で実際に起きた変化と、口頭試問やAIアセスメント、人による伴走をどう組み合わせたのか。研修を担当したコードキャンプの寺沢さん、細川さんに話を聞いた。
この記事の要点
- 生成AIを研修に組み込むだけでなく、活用フェーズを段階的に設計し、口頭試問やAIアセスメントによって「進捗」と「理解度」を分けて確認する体制を整えた
- 生成AIが前提になっても、立ち上げ期の現地研修、基礎力の習得、安心して失敗できる環境づくりといった「人が介在する研修」の重要性は変わっていない
- CCIによる進捗の可視化に、講師・営業・運営によるモニタリングと現場ノウハウを重ね、受講者のつまずきを先回りして支援する運営を続けている
| 比較項目 | 2026年度に変わったこと | 変わらなかったこと |
|---|---|---|
| 研修設計 | 生成AIを段階的に組み込み、活用方法をオリエンテーションや日々の運営で定着させる | 立ち上げ期に人が現地へ入り、心理的安全性と質問しやすい関係性をつくる |
| 理解度の確認 | 口頭試問とAIアセスメントで「進捗」と「理解度」を分けて確認する | 基礎力を重視し、人が受講者の理解を確かめながら伴走する |
| 運営・フォロー | CCIと現場のモニタリングを組み合わせ、つまずきを先回りして支援する | 受講者一人ひとりに人が関わり、状況に応じて支援を組み立てる |
今回話を聞かせてくれたのは
ラーニングソリューション事業部
営業・研修運営
ラーニングソリューション事業部
営業・研修運営
目次
2026年度の新人研修で起きた変化
今年度を一言で表すとどんな年だったか

運営からは「ザ・新人」、営業からは「生成AI」。ゼロから育てる新人像と、生成AIをどう根づかせるかという二つの実感が今年度を象徴した。
2026年度の新入社員研修も、大きな区切りを迎えた。まずは営業の寺沢さん、運営の細川さんに、今年度を一言で振り返ってもらった。
運営の細川さんが挙げたのは、「ザ・新人」という言葉だ。
「今年は本当に“ザ・新人”と言える、新人らしい研修でした。受講生が、変な先入観を持たず、非常にまっすぐな姿勢で研修に臨んでくれました。何の経験もないゼロベースの状態から人を育てていく、そういう研修だったと思います。」
人前で話すことも、発表することも初めてという状態からのスタート。それが研修を終える頃には、自分の意見を先輩に対して言えるようになり、スライド作成などのビジネススキル面でも大きく成長していたという。スキル面だけでなく、人間的な成長の面でも手応えがあったと細川さんは振り返る。
営業の寺沢さんが挙げたのは、対照的に「生成AI」だった。
「一言で言うと、生成AIですね。このお客様とは3年ほどのお付き合いになりますが、当初は“生成AIが支援する側”という位置づけを共有するところから始まり、研修のなかで生成AIを使い慣れていってもらう、という流れでした。」
運営から見た“ゼロから育てる新人”と、営業から見た“生成AIをどう根づかせるか”。立ち位置によって見え方は違うが、どちらも今年度の新入社員研修の実感だ。
生成AI活用の現場で、何が変わったか

生成AIはフル活用を前提にしつつ、活用フェーズを分け、オリエンテーションや朝会・夕会などで使い方を段階的に定着させた。
今年度、最も大きく変わったのは、やはり生成AIとの向き合い方だった。開発実務ですでに生成AIが使われている以上、新人にも「基本はフル活用」で臨む、そんな企業が増えている。
ただし、ここに新人研修ならではの論点がある。新人研修は基本技術に触れる貴重な機会でもある。生成AIを“手段”として使いこなしてもらいながら、着実に自分で考えられるかをどう担保するか。
研修の形態にもよるが、コードキャンプのカスタマイズ研修(パッケージ研修や公開講座も一部適用あり)では、個別に座学を進める形式のほか、学びが身についているかを確認する取り組みや、チーム開発に向けたワークショップなど、企業の目的に合わせたオリエンテーションやワークショップを提供できる。今回も、ここを工夫した。
「いきなり“使ってください”だと、思わぬ方向に行ってしまう。だから生成AIとの向き合い方や活用の仕方を、オリエンテーションで丁寧に扱いました。」
具体的には、活用方法をフェーズごとに分け、その都度オリエンで使い方を説明。うまく活用できていなければ、チアリングや朝会・夕会で「どう使うと、どんなメリットがあるか」を繰り返し伝えていったという。
運営の細川さんは、生成AIがもたらした“良い変化”にも触れる。
「生成AIは人に質問するわけではないので、質問のハードルが段階的に下がります。そして、雑な文章で命令すると雑な回答が返ってくる。だからこそ、相手に伝わる構造で命令文を書く練習になり、それがそのまま、現場で外部の方とテキストでやり取りする力にもつながっていました。」
“理論武装できてしまう”時代に、理解度をどう測るか

「進捗」と「理解」は別物。口頭試問と質問会を組み合わせ、見かけ上の進捗と本当の理解度のずれを拾う。
一方で、新人研修(IT未経験者の技術学習)における生成AI活用には、明確なリスクもある。CodeCampInsight(以降、CCI)で進捗は見えても、課題そのものをAIで作ってしまえば、本当の実力は測れない。
そこでコードキャンプが機能させたのが「口頭試問」だ。学習の進捗状況は見えても、成果物をAIに作らせてしまえば、本人の本当の実力は測れない。
この課題に対して大きな役割を果たしたのが、コードキャンプの「口頭試問」だ。
受講者が作成した成果物をベースに、担当講師が忖度なしで本質的な理解度を確認する。理解がつながっていないと、口頭試問の受け答えはどうしてもあやふやになる。
細川さんによれば、それは講師が判定するだけでなく、受講生自身にとっても「自分で整理できていない=理解できていない」と、口に出すことで気づける場になっているという。
“見かけ上は進んでいるが理解が伴っていない”という当初の懸念を、口頭試問がこうして炙り出す。だからこそ受講者は、自らの弱点や見直すべき観点を正確に把握し、具体的なネクストアクションへと踏み出せる。
さらに、Slackでの質問が生成AIに置き換わったことを受け、オンラインの質問会も新設した。口頭試問がカリキュラムごとの節目だとすれば、この質問会は定常的な学習サポートの場だ。
日々の理解度や質問の仕方を事務局が継続的にグリップできる体制を整えたことで、「安心して研修を進められた」と受講者や企業側の研修担当者からも評価を得ている。
生成AI時代の研修を支える設計と運営
大規模研修だからこそ、設計で押さえるべきこと
大規模研修では理解度のばらつきと、つまずきの見えにくさを前提に設計する必要がある。鍵は「進捗」と「理解」を分けて見ること。
今年度の“持ち帰りの学び”になったのが、大規模な開発研修ならではの傾向だ。人数が多く、生成AIの活用も各自に委ねられる環境では、受講生の理解度に差が開きやすい。
「理解している人はちゃんと理解しているのですが、ボトム層に“知識があやふやな層”が多くいました。AIを使うなら、こちらでしっかりハンドリングしてあげないと失敗する——研修として、そう感じました。」
規模が大きくなるほど、受講生同士の教え合いも活発になる。アウトプットの機会として良い一方で、理解があいまいなまま広がる場面も出てくる。さらに、質問が生成AIに向かうようになると、つまずきのサインが運営側から見えにくくなることもある。
だからこそ、大規模研修や生成AIをフル活用する研修では、こうした傾向をあらかじめ想定した設計が必要になる。ここで鍵になるのが、「進捗」と「理解」は別物だという視点だ。
CCIで「どこまで進んだか」は見えても、「本当に理解できているか」は進捗だけではわからない。口頭試問はカリキュラムの節目で理解度を確かめられるが、そこに至るまでの途中経過までは拾いきれない。
仕組みでも支える「AIアセスメントの新規実装」

章ごとの理解度を定量的に測るAIアセスメントを新たに実装。現場で拾う支援と、仕組みによる可視化を両輪にする。
営業の寺沢さんは、理解度を仕組みで担保することはどんな規模の研修でも欠かせないとしたうえで、規模に応じて支援の設計を変えていく必要があると語る。
「当社の仕組み上、口頭試問の題材は提出課題にあたるので、その過程で見えるのは教材の進捗や課題の実施状況が中心です。そこで今年度から、章ごとの理解度を測るAIアセスメントを新しく実装し、展開を始めました。」
特定の章に対して段階的に理解度を測る仕組みで、基礎的な技術が理解できているか、さらに踏み込んだ理解に達しているかを、定量的に把握できる。現場の運営で拾う部分と、仕組みで可視化する部分。生成AIが前提になった今は、その両方が必要になっているという。
テーマは変わらず、手段が増えた
研修テーマ自体は大きく変わらず、生成AIが新たな学習手段として加わった。活用方針は各社のガイドラインに合わせて設計する。
もっとも、研修の“テーマ”自体は大きく変わっていない。「Javaを学びたい」といった要望は依然として多い。
「テーマはあまり変わっていません。それをより効率的に進める手段として生成AIが出てきた。力を借りる対象が、以前は講師だけだったところに、AIも加わった——そんな感覚です。」
セキュリティ面では使用ツールを企業側で管理し、過去にインシデントのあったツールは注意して使う、受講生はツール利用時に上長の許可を取る、といった運用も話題に上がった。生成AIの取り扱い方針は企業ごとに異なるため、コードキャンプの新入社員研修では各社のガイドラインに合わせた柔軟なカリキュラム設計を行っている。「生成AIを使用しない」「段階的に活用する」「フル活用を前提とする」といった複数のパターンを用意しており、企業の要望に寄り添った最適な研修を提案しているという。(※適用可能なパターンは研修内容により異なる)
変わらなかったのは、現地・基礎・人の重要性

変わらないのは、立ち上げ期の現地支援、基礎力、安心して失敗できる環境づくり。AI時代だからこそ基礎の重要性は増している。
生成AIが前提になっても、変わっていない部分もある。
一つは立ち上げ期の現地研修だ。初日から数日は講師が現地に入り、みっちりと関係性を作る。その後オンライン重視へ段階的に移行していく。いきなりオンラインで始めるのではなく、まず心理的安全性と一体感、質問しやすい空気を人の手でつくる。この立ち上げは、人が現地で入ってこそ作れる部分だと二人は言う。
もう一つは、基礎力への需要だ。
「立ち上げの重要性は全然変わっていませんし、先方が基礎力を絶対的に求めるところも変わっていません。いかに基礎力をつけさせ、そして“いい失敗”をさせてあげるか。運営として、ここは変わらない部分です。」
AIが書いたコードを評価できる人材が必要とされる場面が増えており、基礎の重要性はむしろ増しているという。そして「いい失敗」とは、安心して失敗できる場を用意することだ。
「研修は、安心・安全に失敗できる場所です。“実務でこれをやったらダメ、でもここでは失敗できるからね”と最初に伝える。失敗は恥ずかしくない、そこからのリカバリーが大事だと。心理的ハードルを下げてあげることを、今年は特に重視しました。」
教材もあえてゼロから百まで説明せず、調べさせる余白を残す。新卒といっても、大学院を経た人、第二新卒として入社した人など、バックグラウンドは多様だ。だからこそ「きちんと進める」「本当に理解しているか」「人としてどう関わるか」という3つの軸で、一人ひとりに向き合う。
人が介在する意味と、CCIが果たす役割
CCI(CodeCampInsight・コードキャンプインサイト)のデモ画面
CCIで状況を可視化し、人が数字の背景を読み、先回りして支援する。生成AI時代でも、人と仕組みを組み合わせる運営は変わらない。
座談会で繰り返し話題に上がったのが学習管理ツール(CCI)と、その裏で動く“人”の役割だった。
CCIは受講生の進捗をリアルタイムに可視化する。しかし価値はそこにとどまらない。講師・営業・運営がその数字をモニタリングし、長年培ってきた研修ノウハウや行動パターンのロジックを重ねて、つまずきや遅延を先回りしてフォローする。
「CCIを見て、“今ここでつまずいている。おそらくオブジェクト指向のこの部分が苦手だから”とお伝えします。さらに、その人の進め方の癖や性格から、“今後はこういう形で進むと思います”と管理者の方に先に共有しておく。想定と違う進み方になったときにも、あらかじめ目線を合わせておけるんです。」
朝会・夕会では、その日の振り返りやテーマスピーチに対して周囲がフィードバックし合う。最初はCodeCampが実演し、徐々に受講生が主体となるよう促していく。
そして運営は、質問会に「来てください」と待つのではなく、こちらから絡みに行く。
「基本的に、こちらからコミュニケーションを取りにいきます。朝会・夕会で“質問ない? 理解できてる?”と会話して把握し、それを支援の方向性を決める判断材料にしていく。ここはしっかりやりたい部分です。」
口頭試問はAI時代に“理論武装できてしまう”なかで、本当に血肉になっているかを確認するフローとして機能する。加えて、公開レビューやワンポイントレッスン、ソースコード共有会で全員のノウハウを吸収し合い、アセスメントで日次の理解度を見てすぐにテコ入れする。人と仕組みの両面から、成長を確かなものにしていく。
長年それぞれの分野を担当し、多くの受講生や担当者と向き合ってきた蓄積が、チームで共有されている。だからこそ、状況が違っても対応の引き出しがある。生成AIの時代でも、人が間に入ってキャッチアップし、組み立てていく。このやり方は変えていない、と二人は話す。
来年度へつなぐ知見とメッセージ
来年度に向けて、すでに動いていること
今年度の知見を備忘録として蓄積し、内定者研修・来年度研修の提案とAIアセスメントの展開をすでに進めている。
来年度に向けた動きは、すでに始まっている。
「今年は非常に良い成果を得られました。ただ、受講生の個性によって運営の仕方も変わってくるため、それを踏まえて来年度の進め方を検討しているところです。あわせて、“このアプローチが良かった”という振り返りを備忘録として運営側で残しています。1年経つと現場での細かなノウハウを忘れてしまうため、知見としてしっかり書き留めておくんです。」
提案の動きも早い。今年度の新入社員研修が一区切りついたこの時期から、8月末ごろには内定者研修の提案が始まり、来年度4月に向けた提案も並行して動いていく。
運営面のアップデートとしては、前述のAIアセスメントの新規実装・展開が代表例だ。“ウォッチできない環境での理解度のすくい上げ”という今年度の課題に対しても、仕組みと運営の両輪で応えていく。
最後に、研修担当者へ伝えたいこと
受講者一人ひとりに寄り添い、長期的な活躍につながる研修を企業と一緒に設計することが、二人が最後に伝えたメッセージだ。
最後に、これから研修を検討する担当者へ、二人からメッセージをもらった。
「長い目線で活躍し続け、ご機嫌に、楽しく働いていると言ってもらえるように——そのための研修をご提案したいと思っています。実施期間中も、受講生一人ひとりに良い意味で期待をかけて、一緒に育っていける。そういう研修です。ぜひ、まずは気軽にご相談ください。」
「コードキャンプの強みは、寄り添っていける研修を提供できることだと思います。御社の新人をお預けいただければ、しっかりサポートしてお返しします。」
今回は企業ごとに設計するカスタマイズ研修の話が中心になったが、コードキャンプには公開型やパッケージ研修といった形態もある。研修の実施が初めての企業についても、まずは相談の段階から一緒に考えていくことができる。
来年度の新入社員研修はもちろん、内定者研修や中途向け研修の検討が本格化するこれからの時期。インタビューの最後に、両名は「まずは自社の課題感について、気軽に相談してほしい」と語ってくれた。
配属先を問わず通用する、新人育成を。
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