エンゲージメントサーベイが離職予兆を可視化、人事担当者に次の打ち手を示す
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従業員のエンゲージメントを測るサーベイを実施しても、スコアを共有しただけで終わり、次の打ち手が決まらないまま次回を迎えていないでしょうか。離職予兆をつかむには、測る項目に加えて、測った結果をその後の施策に活かせているかも、課題として挙げられています。
この記事では、エンゲージメントサーベイが何を測り、その結果をどう改善につなげるのかを、サービスごとの設計の違いや行政機関での使われ方まで詳しく解説します。エンゲージメント向上と離職防止を担う人事担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:南青山アドバイザリーグループ株式会社、株式会社カオナビ ほか1件
- 出典の最終掲載:2026.09.25
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:南青山アドバイザリーグループ株式会社の発表資料より(PR TIMES)
[1] バラバラだった人事施策を、ひとつの仕組みに。「エンゲージメントストック」にサーベイ機能を追加
南青山アドバイザリーグループ株式会社 / 掲載 2026.09.15
発表を見る

画像:株式会社カオナビの発表資料より(PR TIMES)
[2] カオナビ、人材データ×サーベイで現場主導の改善案を示す「カオナビエンゲージメント 」をリリース
株式会社カオナビ / 掲載 2026.09.17
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画像:株式会社リンクアンドモチベーションの発表資料より(PR TIMES)
[3] 「モチベーションクラウド エンゲージメント」がデジタル庁「デジタルマーケットプレイス(DMP)」に登録されました
株式会社リンクアンドモチベーション / 掲載 2026.09.17
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目次
エンゲージメントストックのサーベイ機能追加
人事施策をつなぐ仕組みの中にサーベイを組み込む設計が示されました。サーベイ機能の追加で変わる点は、以下の通りです。
- 称賛や報酬をつなぐエンゲージメントストック
- 行動データと合わせて見るサーベイ結果
称賛や報酬で集まる行動データと、サーベイの回答を同じ仕組みの中で扱う点が、設計の特徴です。
称賛や報酬をつなぐエンゲージメントストック
南青山アドバイザリーグループは、9月15日掲載の発表で、社員の日々の行動や貢献を起点に人事施策をつなぐ仕組みとして「エンゲージメントストック」を提供していると説明しています。称賛やポイント、報酬、表彰といった施策を、別々に運用せずにつなぐ点を重視しているとしています。[1]
エンゲージメントストックは、企業が増やしたい行動をポイント項目として設定し、社員一人ひとりの行動や貢献を可視化して還元するポイント型報酬制度です。蓄積したポイントは、制度設計に応じて現金やVポイント、PayPayなどへ交換できます。
同社が目指す循環として示された流れは、以下の通りです。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 行動の設定 | 増やしたい行動を決める |
| 称賛とポイント | 日々の貢献を見える化 |
| 表彰と報酬 | 評価を実感のある還元へ |
| データ蓄積 | 称賛や評価が積み上がる |
| 分析 | サーベイやAIで状態を把握 |
| 次の施策 | 育成や配置、組織改善へ |
行動データが集まった後にサーベイやAIでの分析を置き、育成や配置、組織改善へ戻す並びが示されました。サーベイを単発で終わらせない前提が、循環の中に組み込まれています。
行動データと合わせて見るサーベイ結果
同社は、サーベイ機能の追加によって、社員や組織の状態を把握するサーベイもエンゲージメントストックの中でつなげられるようになったと説明しています。サーベイを単独で実施して結果だけを見るのではなく、日々蓄積される行動や称賛のデータとあわせて捉えるとしています。[1]
施策が別々に運用されたときに生まれる課題は、以下の通りです。
- 施策ごとに運用が分かれる
- 称賛や評価が単発で終わる
- サーベイ結果を次に活かせない
行動や称賛のデータとサーベイの回答を同じ場所に置くことによって、組織の状態を多面的に把握し、その後の人事施策につなげるとしています。
同社は、称賛として贈られるサンクスポイントなどのデータをAIで分析する「AI Talent Mapping」も提供しています。社員の強みや行動特性、組織内のつながりを可視化し、組織開発や人材育成に使える情報を示す機能です。
カオナビエンゲージメントのサーベイ分析
カオナビは、人材データとサーベイの回答を掛け合わせる設計を採りました。取り上げる内容は、以下の通りです。
- 匿名回答と属性分析を両立するサーベイ
- 対象者別に出すAIの改善アクション
回答者を特定しない形で集めた結果を、役職や在籍年数で切り分けられる点が、設計の分かれ目です。
匿名回答と属性分析を両立するサーベイ
カオナビは、社員のエンゲージメント状態を蓄積された人材データと掛け合わせて分析する新システム「カオナビエンゲージメント」を、2026年9月17日にリリースするとしています。本人や上司、組織と主語を分けた設問設計により、どこに課題があるのかを明確にする設計です。[2]
同社は、一般的なサーベイツールではスコアの可視化はできても、深い要因分析までは踏み込みにくい側面があったとしています。実名にすると本心を語りにくく、匿名にすると課題の特定や踏み込んだ分析がしづらいというジレンマも挙げています。
カオナビエンゲージメントの主な仕様は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 回答方式 | 匿名で回答を収集 |
| 設問設計 | 本人や上司、組織で分ける |
| 属性分析 | 役職や在籍年数などで区分 |
| レポート | 人事向けと現場向けの2種類 |
| システム連携 | 今後カオナビと連携予定 |
人事異動や上長変更があってもカオナビの情報と自動で連動するため、運用の手間を抑えられるとしています。連携は発表時点では今後の予定で、カオナビに登録された情報を使う属性分析も順次提供とされています。
対象者別に出すAIの改善アクション
カオナビは、分析結果を全社の傾向を示す人事・経営層向けレポートと、粒度の細かい現場マネージャー向けレポートの2種類で出力する仕組みです。サーベイの結果に応じてAIが具体的な改善アクションを示すため、立場ごとの打ち手を検討できるとしています。[2]
対象者ごとに示される内容は、以下の通りです。
| 対象 | 示される内容 |
|---|---|
| 人事・経営層 | 全社の傾向を示すレポート |
| 現場マネージャー | 粒度の細かいレポート |
| 全社・部門・上司 | AIによる改善アクション |
スコアの共有だけで止まりやすかった運用を、現場の管理職が自部署の打ち手を選ぶところまで広げる狙いです。
β版は2026年5月から提供され、約90社の利用企業から寄せられたフィードバックを開発に反映したとしています。利用企業からは、期待値との差が表記されるため課題抽出に役立ったという声が挙がっています。
サーベイと並ぶエンゲージメント支援のDMP登録
リンクアンドモチベーションは、クラウドサービス「モチベーションクラウド エンゲージメント」がデジタル庁の「デジタルマーケットプレイス(DMP)」に登録されたと説明しています。登録により、国や地方公共団体などの行政機関が、DMP上でサービス内容を検索して選定できるようになりました。[3]
デジタルマーケットプレイスは、行政機関によるクラウドソフトウェアなどの調達をデジタル庁が支援する仕組みで、機能や価格、セキュリティ情報を比較できます。地方公共団体では、職員採用の応募者減少や若手・中堅職員の離職といった課題が出ていると同社は説明しています。
同社が示すサービスの規模と実績は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| データベース規模 | 延べ14,440社・約671万人 |
| 行政での実績 | 9庁を含む26組織を支援 |
| 職員データ | 13万人以上を蓄積 |
| 売上シェア | 10年連続第1位(予測含む) |
データベース規模は2026年6月末時点の数値で、売上シェアはアイ・ティ・アールの調査による従業員エンゲージメント市場の順位です。自治体職員を対象とした同社の調査では、エンゲージメントが高い組織ほど休退職率が低い傾向が確認されたとしています。
離職予兆を可視化する主体性のサーベイ
インフィニットマインドとProgressは、従業員の主体性の推移を可視化する「主体性コンディション・サーベイ」を共同で開発したと説明しています。熱意ある人財を失わない経営をめざす企業や団体の支援を目的としたサービスです。[4]
両社は、表面上は波風を立てずに心の中で会社に見切りをつける「静かな退職(Quiet Quitting)」が世界的なトレンドになっていると説明しています。熱量の高い人財の息苦しさを可視化し、退職や離職の予兆をつかんで手立てを講じることが求められるとしています。
従業員が回答する「はたらくコンディション・チェック」の内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設問数 | 1回あたり5問 |
| 所要時間 | 3分程度 |
| 管理者画面 | ダッシュボードでスコア閲覧 |
| 会話例 | 推移に応じた1on1の例 |
| 実施頻度 | 月に何度でも料金は同じ |
管理者はスコアだけではなく、推移に応じた1on1での会話例も閲覧できるため、測った後の対話までが示されます。人材確保が難しい地方都市では、従業員の離職が企業の存続に直接関わる事例が頻繁に報じられているとしています。
自社に合うエンゲージメントサーベイの選び方
サーベイを選ぶときは、測る対象や結果の受け手が、サービスごとに異なる点を見比べる必要があります。測る項目が違えば、集まるデータも、その後に打てる手も変わります。
自社の状況に当てはめるときの確認点は、以下の通りです。[1][2][3][4]
| 確認点 | 見るところ |
|---|---|
| 測る対象 | 行動データか主体性か |
| 回答の負荷 | 設問数と実施の頻度 |
| 匿名と分析 | 匿名のまま属性を分けるか |
| 結果の受け手 | 人事か現場の管理職か |
| 次の打ち手 | 改善案や会話例の有無 |
行動や称賛の記録を土台にする設計と、主体性のコンディションを短い設問で追う設計では、集まるデータの性格が異なります。
サーベイの結果に応じてAIが改善アクションを示す仕組みも、スコアの推移に合わせた1on1の会話例を示す仕組みも公開されました。結果を受け取る人と、その人が次に取る行動については、上の表の確認点に当てはめて見比べられます。
References
- ^ PR TIMES. 「バラバラだった人事施策を、ひとつの仕組みに。「エンゲージメントストック」にサーベイ機能を追加」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000109.000033965.html, (参照 26-09-30).
- ^ PR TIMES. 「カオナビ、人材データ×サーベイで現場主導の改善案を示す「カオナビエンゲージメント 」をリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000376.000030113.html, (参照 26-09-30).
- ^ PR TIMES. 「「モチベーションクラウド エンゲージメント」がデジタル庁「デジタルマーケットプレイス(DMP)」に登録されました」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000632.000006682.html, (参照 26-09-30).
- ^ PR TIMES. 「「離職予兆」を可視化するサーベイをリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000072537.html, (参照 26-09-30).








