企業のサイバー攻撃による個人情報流出の危険性において、目にする機会が多くなっている「ダークウェブ」。匿名性の高いWebサイトの集合体ということもあり、情報の漏洩元となっています。
ダークウェブに公開された個人情報をチェックする方法として、ダークウェブモニタリングというサービスがあります。本サービスを利用することで自身の情報が漏洩したときに素早く対応することが可能です。
そこで今回はダークウェブモニタリングの重要性や、ダークウェブモニタリングサービスを備えているセキュリティソフトについて紹介します。また、個人情報の流出を発見したらやるべきことについても紹介しているので、もしものときに備えたい方はぜひ参考にしてみて下さい。
ダークウェブとは
ダークウェブ(Dark Web)はインターネットの一部で、特定のソフトウェアや設定が必要な隠されたWebサイトの集合体です。一般的には匿名性が強調されており、Tor(The Onion Router)などの匿名ネットワークを使うことでアクセスできます。
ダークウェブでは合法的な活動も行われている一方で、違法な活動が多く見られることからネガティブなイメージが強い部分でもあります。
たとえばサイバー攻撃によって流出した個人情報がダークウェブにて公開され、第三者によって悪用される可能性を持つ場となっています。ほかにもハッキングツールやマルウェアも入手することが可能です。
こうした違法な活動が盛んなダークウェブに個人情報が流出すると、その情報を悪用される可能性があります。悪用される前に自身の情報が漏洩されていないか確認する方法として、ダークウェブモニタリングを使うことが有効です。
ダークウェブモニタリングは必要か?
ダークウェブモニタリングとは、個人情報がダークウェブ上で不正に取引されたり公開されたりしていないかを監視するプロセスです。
ダークウェブモニタリングを使うことで流出した情報が早期に検出され、被害が拡大する前に素早く対応できます。これにより、個人や企業は自分たちのデータが悪用されるリスクを最小限に抑えることができます。
企業へのサイバー攻撃が後を絶たないこともあり、ダークウェブモニタリングは現代のサイバーセキュリティ対策において非常に重要だと言えます。
KADOKAWAに続き伊予銀行もサイバー攻撃の被害に
株式会社伊予銀行は委託先である株式会社イセトーがランサムウェア攻撃を受け、銀行のユーザー情報が流出したことを公表しました。[1]
流出した情報には住所や氏名、取引関連情報が含まれていますが、クレジットカード番号や暗証番号などの直接的な財産被害につながる恐れのある情報は含まれていません。
また、個人番号やメールアドレス、電話番号も漏えいしていないことが確認されています。
流出した情報はダークウェブ上に公開されましたが、現在は削除されておりダウンロードが不可能な状態となっています。今後も外部専門家と連携し、監視を続ける予定とのことです。
このように情報漏洩先としてダークウェブを活用するケースが多数あります。そのため個人情報の漏洩をいち早く発見する方法として、ダークウェブモニタリングの利用がおすすめです。
具体的な方法として、ダークウェブモニタリング機能を搭載しているセキュリティソフトの利用が有効です。
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ダークウェブモニタリング機能を搭載しているセキュリティサービス3選
ダークウェブモニタリング機能を採用しているセキュリティサービスを3つ紹介します。
ノートン「Norton 360」
ノートン (Norton) は個人および家庭向けにサイバーセキュリティ製品を提供する企業です。主な製品である「Norton 360」には、ウイルス対策やファイアウォール、VPN機能、そしてダークウェブモニタリング機能などが含まれています。
これらのツールを通じてユーザーのデバイスや個人情報を多角的に保護し、サイバー脅威に対抗するための包括的なセキュリティ対策を提供しています。
ノートンが提供しているダークウェブモニタリングは、1デバイス辺り年間3,280円です。[2]
マカフィー「McAfee+アドバンス」
McAfee+アドバンスは、McAfeeが提供する高度なセキュリティソリューションです。このプランにはウイルス対策だけでなく、個人情報保護やダークウェブ上に個人情報が漏洩していないかモニタリングするIDモニタリングサービスなどが含まれています。
特にフィッシング詐欺やランサムウェアからの保護が強化されており、デジタルライフ全体を安全に守ることが目的です。
McAfee+アドバンスの料金は年間払いで8,500円。ダークウェブモニタリングだけでなく、帯域無制限のVPNやクリーニング機能も備わっています。[3]
トレンドマイクロ「パスワードマネージャー」
トレンドマイクロの「パスワードマネージャー」は、複雑なパスワードの自動生成や保存、入力を行うセキュリティツールです。ひとつのマスターパスワードで複数のパスワードを管理でき、ブラウザ拡張やモバイルアプリでのシームレスな使用が可能です。
また、セキュリティ監査機能により、弱いパスワードや重複したパスワードの検出と改善をサポートします。ダークウェブモニタリング機能も備えており、メールアドレスやクレジットカード番号、銀行口座番号などの個人情報が漏洩されないか監視できます。
トレンドマイクロ「パスワードマネージャー」の料金プラン[4]
プラン名 | 価格(税込) | 期間 |
---|---|---|
ダウンロード 3年版 | 6,380円 | 3年 |
ダウンロード 2年版 | 4,840円 | 2年 |
ダウンロード 1年版 | 2,750円 | 1年 |
個人情報の流出を発見したらどうしたらいい?
ダークウェブモニタリングで自分の情報が流出していることを検知した場合、迅速な対応が求められます。流出した情報ごとにやるべき対策方法を下記にまとめました。
パスワード流出時の対応方法
Webサイトやサービスでパスワードが漏洩すると、アカウント乗っ取りのリスクがあります。同じパスワードを複数のサイトで使用していると攻撃の可能性が高まるため、すべてのパスワードを異なるものに変更することがおすすめです。
メールアドレスが流出時の対策
メールアドレスが漏洩するとスパムメールが増加する可能性があります。関連アカウントのパスワードを変更し、スパム対策サービスの利用を検討しましょう。
クレジットカード番号流出時の対応
金銭被害を防ぐために速やかにカード会社に連絡し、利用停止を申請します。不審な取引があれば即時報告しましょう。
銀行口座番号流出時の対策
銀行口座情報が流出した場合は金融機関へ相談し、明細の監視を強化することが最適です。
運転免許証・パスポート番号流出時の対応
個人識別情報が漏洩すると詐欺に悪用される可能性があります。不審な連絡を受けた場合は、消費者センターに相談が必要です。
References
- ^ 伊予銀行. 「業務委託先での不正アクセスによるお客さま情報の漏えいについて」. https://www.iyobank.co.jp/notices/202408-rouei.html, (参照 2024-08-20).
- ^ ノートン. 「更新価格表」. https://jp.norton.com/pricing, (参照 2024-08-20).
- ^ マカフィー. 「ID盗難保護サービス」. https://www.mcafee.com/ja-jp/identity-theft/protection.html, (参照 2024-08-20).
- ^ トレンドマイクロ. 「パスワードマネージャー」. https://virusbuster.jp/store/pwmgr/, (参照 2024-08-20).
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