Python3を用いたシステム開発やデータ分析において、自身のスキルを客観的に証明したい場面は、就職や転職活動などのキャリア形成で頻繁に発生します。スキルの証明でよく利用されるのが、一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する「エンジニア認定基礎試験」であり、プログラミングの基礎知識に対する客観的な評価を着実に実現可能です。
この記事では、基礎的な資格試験に関する全体的な難易度や合格までに必要な勉強時間の目安を順番に解説していきます。プログラミング未経験者と経験者における学習ペースの違いや推奨される試験対策の手法を具体的に紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
Python3エンジニア認定基礎試験の難易度
Python3エンジニア認定基礎試験の難易度は、ITSSレベル1相当の初級レベルに位置づけられており、プログラミング初心者でも合格を目指しやすい資格です。合格に向けて押さえておきたいポイントは、以下の4つです。
- 基礎試験の合格率
- 未経験者の勉強時間
- 経験者の勉強時間
- 推奨される学習方法
それぞれ受験者のレベルに応じた学習計画の立て方が異なるため、自身の経験年数に合わせて適切な対策を選択してください。
基礎試験の合格率
Python3エンジニア認定基礎試験は、問題数40問・合格ライン正答率70%・試験時間60分という仕様で実施されます。協会の試験概要ページで公式に確認できる客観的な基準です。
合格率については、協会が累計5万人達成時に公式発表した数値として76.0%が確認されています。難易度としてはITSS(経済産業省が定めるITスキル標準)レベル1相当の初級レベルに位置づけられており、プログラミング初心者にとって学習のマイルストーンとして設定しやすいという特徴があります。
出題範囲は主にPythonの基本文法、データ型、制御構文、関数、モジュールなどです。特にリストや辞書のメソッドの挙動、スコープルール、例外処理の構文は、試験で間違いやすいポイントとして知られています。
全体的な難易度は低めに設定されていますが、出題範囲を正確に把握しておくことが合格への近道です。基礎的な構文を一つずつ確実に理解していく手順が推奨されます。
未経験者の勉強時間
プログラミング未経験者の場合、合格者の体験談をもとにした参考値として40時間程度が一般的な目安とされています。条件によっては60時間前後かかる場合もあります。
1日1〜2時間のペースで1ヶ月から2ヶ月ほど継続して学習するスケジュールを目安にするとよいでしょう。個人差が大きい領域のため、余裕を持った計画を立てることをおすすめします。
学習の進め方として、まず公式教材の全体像を把握し、次に各章の演習問題に取り組む流れが一般的です。未経験者はエラーメッセージの解読に時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールが適しています。
学習の初期段階では、公式テキストの内容が難解で読みにくく、挫折の原因になりやすい点に注意が必要です。動画教材などを併用して、まずは全体像を掴むアプローチが有効です。
経験者の勉強時間
他のプログラミング言語をすでに習得している経験者の場合、勉強時間の目安は20〜30時間程度が一般的です。
基本的な概念を理解しているため、言語特有の構文や標準ライブラリの仕様を把握するだけで対応できます。ただし、業務経験と学習経験では習得スピードが異なる点も考慮してください。
経験者が特に注意すべき点は、他言語との細かい文法差異です。たとえば、Pythonのインデントによるブロック構造や変数のスコープルールは、C言語やJavaから転向した場合に混乱しやすいポイントです。
経験者であっても、細かい文法規則の差異で失点するケースが散見されます。油断せずに模擬試験を解き、弱点を把握しておく工夫が不可欠です。
推奨される学習方法
主教材としてオライリー・ジャパン『Pythonチュートリアル第4版』が協会の試験概要ページで指定されており、無料で読める原典としてPython公式ドキュメントのチュートリアルも参照できます。出題範囲として指定されている3章・4章・5章、8章、10章を重点的に反復する学習手法が王道です。
Python公式ドキュメントのチュートリアルでは、Pythonの特徴を次のように説明しています。
効率的な高レベルデータ構造と、シンプルで効果的なオブジェクト指向プログラミング機構を備えています。
出典:Python公式ドキュメント チュートリアル
この説明が示すように、Pythonはシンプルな文法体系のため公式チュートリアルの反復が試験対策として有効です。過去問は公開されていないため、無料の模擬試験サイトを何度も解いて出題形式に慣れる必要があります。
推奨される学習の流れは、以下の通りです。
- 公式教材で全体を通読する
- 重点章(3章・4章・5章・8章・10章)を重点的に復習する
- 模擬試験を繰り返し解いて弱点を洗い出す
- 公式ドキュメントで誤答箇所の仕様を確認する
独学で進める際は、模擬試験の結果を記録して苦手分野を洗い出し、公式ドキュメントで詳細を確認するサイクルを回す手法が効果的です。
Python3を含む関連資格の難易度
Pythonのスキルを証明する試験は、基礎レベル以外にも複数存在します。目的に応じて適切な試験を選ぶことが、効率的な学習に繋がります。
ここでは、代表的な関連試験の難易度比較と、それぞれで求められるPythonの知識レベルを解説します。
データ分析試験
「Python 3 エンジニア認定データ分析試験」は、基礎試験と同じく一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施する試験です。この試験では、データサイエンスの基礎知識やNumPy(数値計算ライブラリ)・pandas(データ解析ライブラリ)といったライブラリの活用能力が問われます。
基礎試験との主な違いは、以下の通りです。
| 項目 | 基礎試験 | データ分析試験 |
|---|---|---|
| 主な出題範囲 | 基本文法・制御構文・関数 | NumPy・pandas・データ可視化 |
| 難易度の目安 | ITSSレベル1相当(初級) | 基礎試験より高め(実践的) |
| 前提知識 | 不要(未経験者可) | 基礎試験レベルの知識が前提 |
基礎レベルと比較すると、特定のライブラリに関する専門的な知識が求められます。まず基礎試験で土台を固めた後に受験するのが一般的な順序です。
実践試験
「Python 3 エンジニア認定実践試験」は、基礎試験よりも高度なコーディング能力や実務で役立つPythonの応用知識を評価するための資格です。主教材は技術評論社『Python実践レシピ』が指定されています。
公式サイトの説明では、Pythonの実践的な活用に欠かせない仕様やライブラリの使い方を問う試験とされています。試験時間75分・受験料12,000円で、基礎試験(60分・10,000円)より難易度と負担が高くなっています。
実践試験で問われる主なトピックは、以下の通りです。
基礎レベルをクリアした経験者が、さらに上のステップを目指す際に適した試験です。主教材『Python実践レシピ』を中心に、ライブラリの実践的な活用方法を重点的に学習して対策を進める必要があります。
海外の関連試験
日本国内だけではなく、海外でもOpenEDG Python Institute(Python Institute)が発行するPCEP(Certified Entry-Level Python Programmer)などの関連資格が人気を集めています。PCEPはPythonプログラミングの入門レベルを証明するグローバルな認定資格で、オンライン(TestNow形式)での受験が可能であり、英語で受験します。
PCEPの主な特徴は、以下の通りです。
- OpenEDG Python Instituteが発行する国際的な認定資格
- 出題範囲はPythonの基本文法・データ型・制御構文など入門レベル
- 日本の基礎試験と入門・初級レベルという位置づけが同程度(出題形式は異なる)
- グローバルな転職・就職活動でのスキル証明に有効
資格の種類によって、出題範囲や求められるレベルは大きく異なります。自身のキャリアプランに合致する試験を選ぶことが成功への近道となります。
Python3エンジニア認定基礎試験の難易度に関するよくある質問
基礎試験とデータ分析試験はどちらを先に受けるべきですか?
基礎試験を先に受験することをおすすめします。基礎試験はPythonの基本的な文法やデータ構造を問う内容であり、プログラミング未経験者でも取り組みやすい難易度です。
データ分析試験は基礎知識を前提とした上で、ライブラリの活用方法などより実践的な内容が問われます。そのため、まずは基礎試験で土台を固めた後に次のステップとして挑戦するのが効率的です。
本番の過去問はどこで手に入りますか?
Python3エンジニア認定基礎試験の本番過去問は、公式には公開されていません。受験者が実際に出題された問題を手に入れることはできない仕様です。
過去問の代わりとして、認定スクールなどが提供している無料の模擬試験サイトを活用した学習が推奨されます。本番を想定した模擬試験を繰り返し解くことによって、出題傾向を掴むという対策が一般的です。
公式チュートリアルだけで合格できますか?
公式テキストのチュートリアルのみで合格を目指すことは可能ですが、完全未経験者には内容が難解に感じられる傾向があります。専門用語や概念の解説が難しく、学習の初期段階で挫折してしまうケースも多いのが実情です。
より確実に合格を狙うなら、チュートリアルに加えて初心者向けの入門動画や基礎解説書を併用する学習方法が有効です。分かりやすい教材で基礎を補ってからチュートリアルを読み込むと、スムーズに知識を定着させられます。
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