LANY式LLMOフレームワークの全貌 竹内渓太氏がAhrefs日本ユーザーミートアップで示した5ステップ設計と成功事例

LANY式LLMOフレームワークの全貌 竹内渓太氏がAhrefs日本ユーザーミートアップで示した5ステップ設計と成功事例

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2026年4月22日、東京・新橋で開催された「第3回Ahrefs日本ユーザーミートアップ」で、最初のセッションに登壇したのは株式会社LANY 代表取締役CEOの竹内渓太氏だった。
「LANY式LLMOフレームワークの紹介と成功事例公開」と題したプレゼンテーションで、竹内氏は約1年間にわたるLLMO支援の実務から導き出したフレームワークを、思想・手順・事例の3層で体系的に提示した。

スピーカー

竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)
竹内 渓太 氏
株式会社LANY
代表取締役CEO

LANYは創業6年目、約42名の規模で、2026年4月には初となる新卒2名も入社。SEO支援とLLMO支援を両輪で手がけており、Ahrefs日本ユーザーミートアップには前回のVol.2に続き今回も登壇している。

竹内氏が会場で強調したのは、「SEOとLLMOは明確に分けて考えた方がやりやすい」という思想だった。同じ延長線上にあるという見方(宗派)も存在する中で、LANYは意識的に別物として設計しているという。本記事では、その背景にある事業インパクトのデータから、5ステップのフレームワーク、そして1年間で積み上がってきた成功事例までを深掘りする。

なぜ「今」LLMOなのか 事業インパクトを示す4つの実データ

AhrefsMeetUp なぜ「今」LLMOなのか 事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

竹内氏がLLMO対策の必要性を説明する際に示したのは、抽象的な予測ではなく、すでに事業指標に現れている具体的な変化だった。

第1に、問い合わせの認知経路。LANYの問い合わせフォームには「どうしてLANYを知りましたか」というアンケート項目があり、2026年2月時点で約21%のユーザーが「AIで調べました」と回答していた。5人に1人がAI経由で流入している計算になる。

AhrefsMeetUp なぜ「今」LLMOなのか 事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

第2に、ToCマーケティング責任者ヒアリング。実際の顧客に認知経路を聞くと、10人中3人が「ChatGPTでLANYを知った」と答えたケースがあった。

第3に、コンペ敗退要因。あるクライアント企業がコンペで失注した際、その発注元企業に理由を聞いたところ、AIを使って各社を比較検討し、そのAIが他社を強く推薦したためそちらに決めた」という回答があったという実例です。

第4に、採用領域への影響。ある大企業について「AIに聞いてみると『ブラック』『残業が多い』『トップダウンが過ぎる』といった出力が返ってくる。実態と異なる情報が内定承諾率や辞退率に影響しているのではないか」という相談があった。

認知・商談・採用という複数の事業指標にAI経由の情報が効き始めている。これが竹内氏の出発点である。

SEOとLLMOは「同じ土俵ではない」対比

AhrefsMeetUp SEOとLLMOの違い(全体像) 事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

続いて竹内氏はSEOとLLMOを同じ延長線で考えるべきか否かという論点に踏み込んだ。結論は「分けて考えた方がやりやすい」。その根拠として違いが示された。

①最適化の対象単位:「キーワード」から「プロンプト」へ

AhrefsMeetUp ①最適化の対象単位:「キーワード」から「プロンプト」へ 事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

SEOは「化粧水 おすすめ」のようなキーワードに対して検索上位を獲得するゲームだった。背後には三十代乾燥肌の女性、二十代脂性肌の男性、五十代敏感肌の女性など多様なペルソナが存在するが、キーワード単位では粒度が粗く、網羅的なコンテンツで一括対応するのが定石だった。

一方LLMOでは、ユーザーが打ち込むプロンプトが詳細化する。「三十代の乾燥肌の人におすすめの化粧水を教えて」「A社の製品とB社の製品のどちらがいいか」といったロングテールの問いに、個別に対応していく必要がある。

②戦うファネル:TOFU/MOFU vs MOFU/BOFU

AhrefsMeetUp ②戦うファネル:TOFU/MOFU vs MOFU/BOFU 事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

SEOの守備範囲はTop of Funnel(課題認識)からMiddle of Funnel(比較検討)だった。「肌荒れ どうする」「化粧水 おすすめ 三十代」のような広めの入り口を取るのがセオリー。

LLMOではTOFUはAIが自然にMOFUへ導いてくれるため、事業者が力を入れる必要がない。代わりにMOFUとBottom of Funnel(最終選定)が主戦場になる。「A社とB社、私の肌にはどちらが合う?」という最終判断でAIに選ばれ続けることが、売上に直結する。

③最適化の面:自社サイト中心 vs ウェブ全体

AhrefsMeetUp ③最適化の面:自社サイト中心 vs ウェブ全体 事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

SEOは全体の8〜9割が自社サイトの最適化だった。LLMOでは自社情報と他社情報の双方が参照される。外部メディア、SNS、第三者比較サイト、プレスリリースなど、ウェブ全体が最適化の対象になる。

④消費者モデル:AISAS vs AICASへ

AhrefsMeetUp ④消費者モデル:AISAS vs AICAS  事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

日経クロストレンドが提唱した新しい消費者行動モデルは、AI時代の入り口が「アテンション」ではなく「ASK(AIへの問いかけ)」から始まると整理する。
ユーザーはAIに悩みを投げ、提示された候補をウェブで「Confirm(じっくり確認)」または「Check(軽く確認)」してから購入に進む。高額商品ほどConfirm、低額商品ほどCheckという分岐もあるという。

⑤測定の難しさ

SEOは順位→流入→コンバージョンを計測できたで追えた。LLMOではAIとの会話を経由したコンバージョンを直接は捕捉できない。指名検索や直接流入、アンケート回答、商談時のヒアリングといった間接的な手段でしか成果が見えづらいため、KPI設計が根本的に変わる。

LANY式5ステップフレームワーク

これらの前提を踏まえ、竹内氏がLANYで運用しているのが以下5ステップのフレームワークだ。「問題解決の基本構造と同じで、あるべき姿を定義し、現状とのギャップを可視化し、要因を特定し、打ち手を立てて検証する」という流れに落とし込まれている。

【Step1】カテゴリーエントリーポイント(プロンプト)設計

AhrefsMeetUp 【Step1】カテゴリーエントリーポイント(プロンプト)設計  事業インパクトを示す4つの実データ 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

最初にやるのは「どういう人が打つ、どういうプロンプトに対して、自社をどう推薦されたいか」のあるべき姿を定義することだ。プロンプトは「Who × When/Where × Why × 知りたいもの」の掛け合わせで構成する。

LANYではデータベース的な発想で各要素のマスタを作る。BtoCであれば、Whoは年代・性別・肌タイプ、Whyは美肌ケア・エイジングケア・コスパ重視、When/Whereは冬の朝・旅行先・寝室、といった具合に要素を洗い出し、それらを組み合わせてプロンプトを量産する。

さらに重要なのが、プロンプトをレイヤー別に設計するという観点だ。

MOFU側(候補に入るフェーズ)とBOFU側(最終選定フェーズ)を意識的に分けて設計するのがポイントで、両方で違う対策が求められる。MOFUは「候補に残るか」、BOFUは「最終選定で選ばれるか」が問われる。

【Step2】現状可視化

AhrefsMeetUp 【Step2】現状可視化 竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)

設計したプロンプトをAIに投げ、回答結果をモニタリングする。

観点としては、ハルシネーション(事実と異なる出力)、ネガティブな側面の強調、情報の古さなどもチェックする。「LANYだと創業6年目なので『まだ若くて安心できない』という出力が出ることがある。それに対して『創業年数は浅いが5年で300社の実績』というカウンターパンチを打てるよう、ウェブ上の情報を設計しておく」と竹内氏は例を挙げた。

【Step3】要因分析(KBFの特定)

AhrefsMeetUp  【Step3】要因分析(KBFの特定) (株式会社LANY 代表取締役CEO)

なぜ自社は推奨されないのか、なぜ候補から落ちるのか。その理由を探るためにLANYが使うのがKBF(Key Buying Factor)という概念である。AIがその領域で何を基準におすすめを選んでいるか、という意思決定軸を特定する作業だ。

Ahrefsのブログから引用された象徴的な例として、「姿勢を良くする椅子が欲しい」というプロンプトで各LLMが揃ってハーマンミラーのアーロンチェアを推す現象が紹介された。AIは「姿勢を良くする → 人間工学的に設計された椅子 → ハーマンミラーの代表製品」と連想的に推論しており、この「人間工学的に設計された」がKBFに相当する。

KBFを特定したら、出現ブランドと非出現ブランドの情報を星取り表のように比較する。化粧水であれば、KBFは「保湿成分・低刺激性・コスパ・第三者評価」といった軸になる。比較の結果、「競合は保湿成分を名前だけでなく濃度まで明記しているが、自社は濃度を出していない。だから学習されていない」といった具体的な差分が浮かび上がってくる。

【Step4】対策方針立案

AhrefsMeetUp  【Step4】対策方針立案(株式会社LANY 代表取締役CEO)

KBFに対して自社が言えるファクトを整理し、それをトリプルメディア(オウンド・アーンド・ペイド)に配置していく。LANYでは自社独自のフォーマットを顧客と一緒に作成し、KBFごとに自社の根拠を紐づけていく。

ここで重要なのが、AIが扱いやすい情報への翻訳だ。以下のような変換を意識する。

  • 悪い例(ファジーな表現):「人気があり、かなり優しい処方です」
  • 良い例(定量ファクト):「三十代の乾燥肌の人100人に聞いて、最も人気でした」

各メディアへの配置では、自社オウンドだけでなく、第三者比較サイト、プレスリリース、SNSなど、AIが参照する可能性のあるあらゆる場所に情報を置いていく。

【Step5】検証

AhrefsMeetUp  【Step5】検証(株式会社LANY 代表取締役CEO)

KPIとして追うのは、指名検索・直接流入・認知率といったブランド指標。ただしこれらはAI起点かどうかの因果関係を明確化しづらい。そこで手前のKPIとして、AIからの推奨率(設計したプロンプトで自社が何%出現するか)と推奨のされ方の質(優位に言及されているか)を定点観測する。

さらにLANYが最近開発しているのが、AI対話シミュレーターだ。特定のペルソナを設定したAIと別のAIを自然に対話させ、最終的にLANYが選ばれるか、選ばれなかった場合の原因は何かを分析する仕組みだという。
「プロンプトを100でも200でも1,000でも点で投げて一回の回答だけを見ていても、本質からずれるんじゃないか。対話を通して最終的にペルソナに選ばれるかまで責任を持ちたい」と竹内氏は設計意図を語った。

1年間で積み上がった成功事例

このフレームワークで実際に動かした結果として、2つの事例が共有された。

【Case1】HR SaaSで推奨率を10〜20%改善

AhrefsMeetUp  【Case1】HR SaaSで推奨率を10〜20%改善(株式会社LANY 代表取締役CEO)

圧倒的シェアを持つ1社が君臨するHR SaaSカテゴリで、「1位は難しくても候補に入る回数を増やしたい」という相談があった。半年間の継続支援の結果、生成AI起点のレビュー件数が増加し、推奨率が10〜20%向上。

【Case2】事実誤認を是正し、大企業・自治体プロンプトでも出現

別のSaaS事例では、AIが「このプロダクトは中小企業におすすめ」とばかり推奨する状態が続いていた。実態は大企業・自治体にも対応できる製品で、本来そのレイヤーでも候補に入るべきものだった。

仮説を立てて分析すると、ウェブ上に「中小企業でも安心」「中小企業におすすめ」といったテキストが大量に含まれており、AIが「逆に大企業には安心ではないのでは?」と解釈している可能性が見られた。

対策として、「大企業や中小企業、自治体などに利用されている」という訴求を自社メディア・外部メディアで展開した。結果として、「大企業向けのおすすめSaaS」「自治体向けのおすすめSaaS」というプロンプトでも候補に出現するように変わったという。

Ahrefs活用のTips

フレームワークを運用する上で、竹内氏が現場で使っているAhrefsの機能も紹介された。

ブランドレーダーのカスタムプロンプト

AhrefsMeetUp  ブランドレーダーのカスタムプロンプト(株式会社LANY 代表取締役CEO)

ブランドレーダーのカスタムプロンプトは自社が設計したプロンプトに対するAI出力を定点観測するのに使う。「引用されているページが見やすいので、どのページに施策を打つべきかが判断しやすい。ここはAhrefsの強み」と評価した。

Ahrefs MCPサーバー×Claude

AhrefsMeetUp  Brand Radarのカスタムプロンプト(株式会社LANY 代表取締役CEO)

Ahrefs MCPサーバー×Claudeは攻めるカテゴリーの選定に活用している。「LLMの知識と、Ahrefsから取ったマーケットの検索ボリュームを掛け合わせて、市場が十分に存在し、かつ自社の強みが活きる領域を絞り込む」という使い方だ。

おわりに

AhrefsMeetUp  おわりに(株式会社LANY 代表取締役CEO)

竹内氏のセッションを貫いていたのは、「LLMOはSEOの延長ではなく、独立した最適化が求められる領域である」というシンプルな思想だった。キーワードではなくプロンプト、TOFUではなくBOFU、自社サイトではなくウェブ全体、セッション数ではなく推奨率。この軸でSEOから距離を取り直すと、設計もKPIも別物になる。

一方で、具体的な実装手順としては「プロンプトを詳細化して抜け漏れなく生成する」「AIが重視しているKBFを特定する」「ファクトをAIが扱いやすい形に翻訳する」「AIが参照しうる場所すべてに情報を置く」という、極めて実務的なステップに落ちていく。抽象論と現場の距離が近いことが、LANY式フレームワークの特徴と言えそうだ。

第3回Ahrefs日本ユーザーミートアップ全体の概要や、PLAN-Bマーケティングパートナーズ 馬谷達也氏のセッション、Ahrefs CMO Tim Soulo氏によるLIVE Q&Aについては、ハブ記事をあわせて参照されたい。

株式会社LANYについて

株式会社LANY ロゴ URL https://www.lany.co.jp/

株式会社LANYは、企業の持続的な成長にコミットする「グロースパートナー」です。デジタルマーケティング支援を展開し、事業成長を多角的にサポートします。 SEO/LLMO(AI検索最適化)、コンテンツマーケティング、Web広告運用といった最先端のノウハウを提供。形式的なコンサルティング支援に留まらず、お客様のチームに深く入り込み、戦略立案から実行支援、継続的な改善までを一気通貫でサポートします。

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イベントレポート

#AI検索の最前線

2026年4月、国内のマーケター、SEO実務者、事業責任者が新橋の会場を埋め尽くした「第3回Ahrefs日本ユーザーミートアップ」。定員100名の枠が即完売した本イベントでは、検索のルールが「クリック獲得」から「AIによる推奨」へと激変する今、私たちが打つべき次なる一手が見示されました。 本レポートでは、業界を牽引するフロントランナーたちが語った「独立した最適化領域としてのLLMO」や「選ばれる理由(POD)の再設計」、そしてAhrefsが提示する「AIエージェントによる次世代計測インフラ」の全貌を、全4回の連載形式で余すところなくお届けします。

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