【イベントレポート】Ahrefs Japan Meetup Vol.2で語られたAI検索時代の最新SEO戦略と実践ノウハウ

【イベントレポート】Ahrefs Japan Meetup Vol.2で語られたAI検索時代の最新SEO戦略と実践ノウハウ

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イベント概要

2025年11月13日、東京都内にて「Ahrefs Japan Meetup Vol.2」が開催されました。前回から約1年ぶりとなる今回は、100名以上の申し込みがあり、開催約1ヶ月前にソールドアウトとなる人気イベントとなりました。

本イベントでは、Ahrefs本社からスペシャルゲストを招聘し、国内外のSEO最前線で活躍する4名の登壇者による講演と、パネルディスカッションが行われました。

Ahrefs Japan Meetup Vol.2 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

スピーカー

Ahrefsプロダクトマーケターのコンスタンス・タン(Constance Tan)氏
コンスタンス・タン 氏
Ahrefs Pte. Ltd.
プロダクトマーケター
竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)
竹内 渓太 氏
株式会社LANY
代表取締役CEO
徳田祐希氏(世界へボカン株式会社 代表取締役CEO)
徳田 祐希 氏
世界へボカン株式会社
代表取締役CEO
登章良氏(株式会社Hakuhodo DY ONE SXOソリューション局 局長 / ONE-AIO Lab 所長)
登 章良 氏
株式会社Hakuhodo DY ONE
SXOソリューション局 局長 / ONE-AIO Lab 所長

登壇順 掲載


Constance Tan氏「Ahrefs調査で判明したAI検索時代のSEO対策、上位表示との一致率はわずか7.4%の衝撃」

AhrefsプロダクトマーケターのConstance Tan氏は、1,000以上のクエリを分析した独自調査を基に、AI Overviewsの現状を解説。

主なポイント
  • AI OverviewsとSEO上位表示URLの一致率はわずか7.4%
  • しかしコンテンツの類似度は高い(コサイン類似度0.86)
  • 71%以上のページはオーガニック検索で上位表示されていない
  • AI Modeではユーザーの74%以上がAI内で完結し、ほとんどクリックしない
  • ブランド監査とオフページメンションが最も重要な対策

Googleはまだ圧倒的なシェアを持つものの、トラフィックは減少傾向。しかしAhrefsの内部データでは、様々なソース(ChatGPT含む)からのサインアップが確認されており、コンバージョンは必ずしも減少していないことが明らかになりました。


竹内渓太氏「検索のルールが変わる、SEOとLLMOを両輪で進める統合型検索マーケティング戦略」

株式会社LANY代表の竹内氏は、AI検索時代における「検索マーケティング」の再定義を提唱しました。

主なポイント
  • 検索は多様化:Google検索だけでなく、AI Overviews、AI Mode、ChatGPT等へ対策が必要
  • 従来のSEO(左手)に加え、AI検索対策(右手)の両輪が重要
  • SEOの本質:EEATとNeedsMetの2軸で課題設定
  • Last Longest Click:ユーザー行動を良くすることで順位を上げる本質的な施策
  • 具体的な4つの対策軸:SEO、AI Overviews、AI Mode、ChatGPT等のLLM
  • AI Overviews対策:50記事中16記事で引用成功の実験結果
  • SEO×LLMO並行で効率的に進める戦略

特に印象的だったのは、竹内氏自身のキックボクシングジム契約までの検索ジャーニー事例と、「LLMO」キーワードで2位から1位に上がった実例です。後者では、リライトや被リンク対策ではなく、UX改善を実施した結果、次のGoogleキャッシュ更新タイミングで1位に踊り出たとのこと。「最後1個上げたければUXがすごく重要」という本質的なメッセージが示されました。

また、AI Overviews対策では、プロンプトで最適化した50記事をテストし、16記事で引用に成功。AIが持ち帰りやすいチャンキングの単位で文章を作ることの重要性が、実験データで裏付けられました。


徳田祐希氏「海外SEO歴18年のプロが教える、Ahrefsで解決する5つの課題と実践ノウハウ」

世界へボカン株式会社CEOの徳田氏は、海外SEO歴18年の実績から、海外SEOの実践的ノウハウを共有しました。

主なポイント

  • 海外SEOの5つの課題と解決策をAhrefsで解決可能
  • 課題1:英語キーワードの発見 → Site Explorer & Translate機能
  • 課題2:コンテンツ作成 → AI Content Helper(ただしネイティブチェック必須)
  • 課題3:多言語展開の注意点(サブドメイン・サブディレクトリの分離必須)
  • 課題4:翻訳品質の6段階レベル管理
  • 課題5:Shopify Sidekickでコンバージョン分析

特に強調されたのは、「売上に寄与しているか」の重要性。ケニアの中古車販売や岡山のデニムブランドの事例を通じて、現地ニーズの徹底調査と、ユーザーの検討を進める情報提供の重要性が語られました。

また、Google Lensの月間200億回検索を活用し、訪日外国人が店舗で商品を撮影して検索する際に、英語の商品情報を用意しておくことで、店舗売上にもつながるという視点も提示されました。


登章良氏「業界1位を獲得したその先のSEO戦略、10年伴走で見えた攻め・守り・組織の3つの柱」

登章良氏「業界1位を獲得したその先のSEO戦略、10年伴走で見えた攻め・守り・組織の3つの柱」 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

株式会社Hakuhodo DY ONE SXOソリューション局 局長の登氏は、10年以上のクライアント伴走経験から、業界最上位を実現した後の戦略を語りました。

主なポイント

  • 近年のSEO評価軸:SEO(内部+外部)→ SXO(内部+外部+ユーザー行動)
  • 業界最上位実現後の3つの戦略:攻め・守り・組織体制
  • 攻めの取り組み:検索市場の白地開拓(Google)、検索市場の白地開拓(その他検索プラットフォーム)、海外SEO上位プレイヤーの分析
  • 守りの取り組み:業界モニタリング(新規台頭プレイヤーの早期発見)、HTML/WEBページの定期監視(競合施策の把握)
  • 組織体制の構築:SEOスキルの継承・ナレッジの蓄積

特に重要視されたのは、10年以上の伴走経験の中で約1-3年のタームでSEO担当者が変わる実体験を踏まえた「企業・組織内におけるSEOスキルの継承・体制構築」の重要性です。

登氏はSEOにおいて業界最上位だったWEBサイトが、テクニカルSEOの施策不足により後退した実例も紹介し、スキルの定着化や体制基盤の構築の必要性を強調しました。


パネルディスカッション&ライブQ&A

4講演の後、登壇者全員によるパネルディスカッションが行われました。

【Q1】 AI検索時代のSEO担当者のあり方

登氏:ユーザーの検索行動が多様化するにつれて、SEO担当者に求められるスキルも当然ながら高度化していく見込みです。これまで「SEO」という言葉の裏側には、Googleの市場規模の大きさから「Google SEO」が内包されていましたが、今日において、ユーザーが利用する検索プラットフォームはGoogleに限った話ではありません。

AI検索に限らず、あらゆる検索プラットフォーム全体を視野に入れたマーケティング戦略を策定するスキルが必要になる見込みです。

さらに、SEOを推進する上では、複数の部署との連携が必要となります。プロジェクトが複雑化することが想定されますので、可能であれば、プロジェクトマネジメント(PM)スキルも兼ね備えていることが望ましいです。

SEO担当者に求められるスキルが拡大していく見込みではありますが、一方で、我々は限られた時間の中で成果を創出する必要があります。その点を踏まえると、業務プロセス全体を俯瞰し、AIと共生しながら業務を効率化していく能力もまた、重要となります。

竹内氏:実体験として、TWICEのモモがInstagramで履いているスニーカーを見つけ、指名検索してオニツカタイガーのキャンペーンページに辿り着き、次にInstagramでコーディネートを検索し、最後にGoogle Mapで店舗を探して銀座の店舗に行って購入したという検索ジャーニーを経験しました。我々は当たり前のように複数のプラットフォームを使って検索しています。

SEOではなく「検索」とメタに捉えた時に、誰がどういう検索意図で、どのプラットフォームで何を求めて検索するのかを推察することを自然とやっています。各プラットフォームの特性、アルゴリズム、ユーザーの検索ジャーニーにおけるタッチポイントを意識した上で、それぞれを最適化していける「検索PM」的な役割に上昇していけると、楽しく検索マーケットを捉えられるのではないかと思います。

Constance氏:根本的な「SEOの専門家としての日々の実務」が変わるかという点については、実はあまり変わらないというのが私の答えです。

特にホワイトハットのSEO、つまり素晴らしいコンテンツを作ること、表示状況の監査、テクニカルSEOのチェックといった業務は、将来的にAI検索に劇的な技術革新が起きない限り、やるべきことはほとんど変わりません。しかし、組織における「SEO担当者の役割」は変わりつつあります。

先日のカンファレンス「Ahrefs EVOLVE」で多くの参加者と話して感じたのは、これまでSEO担当者はマーケティングチームの片隅にいる存在でしたが、今ではマーケティング全体がどこへ向かうべきかという大きな戦略会議に招待されるようになっています。今の状況はSEOのプロフェッショナルにとってチャンスです。検索のランドスケープがどう変化しているのかを、ブランドや会社全体に理解させるリーダーになれる機会が巡ってきています。

徳田氏:顧客の解像度を上げること、顧客のジャーニーを行動ベースで聞くことが大事だと思っています。こ

れまでは検索ベースでユーザーがどう行動しているかを見ていればよかったのですが、今は実際に3人くらいの顧客に聞いて、実際に使っている媒体が何なのかを確認しないと、施策が間違ってしまいます。

泥臭いことをやったり、いろんな部門を横断してやったりする中で、施策が間違っているとダメージが大きいので、お客様の解像度を上げる—例えばアパレルならお客様のクローゼットの中まで想像できるくらいブランドを理解し、ジャーニーを描くことで、やった時点からちゃんと刺さるようにすることが大事だと思います。

【Q2】 AI検索時代のKPI設定とROI

登氏:認知・興味関心・比較検討・購買購入といった購買プロセスにおいて、これまで段階的な検索を通じて意思決定してきたユーザーの検索行動が、AI検索の台頭に伴い、そのプロセスの一部が、AI検索のインターフェース上で完結してしまう世界観が想定されます。そちらを考慮したKPIを設定する必要があります。

黎明期ということもあり、KPIに関して三者三様の見解があるかと思いますが、私からは「認知」「検索」「訪問」というプロセスに大別してお話できればと思います。
まず「認知」のフェーズに関しては、指名検索関連のキーワードの検索数をで見るようにしています。

理由としては、AI検索内で一部の行動が完結したとはいえ、ハルシネーションのリスクがあり、従来の検索エンジンで再検索して確認する行動が想起されるためです。こちらは、念のためモニタリングしている状況です。

次に「検索」のプロセスに関しては、従来のSEOで用いられる順位に加えて、回答の中に必ずWEBサイトのドメインが表記されるわけではないので言及量、シェアオブボイス等を見ています。

また、回答の正誤情報のスコアと、ポジネガ(センチメント)スコア、つまり対象ブランドの言及が良いものかどうかもモニタリングできるようにしております。

最後の「訪問」フェーズについては、従来のSEOでは、オーガニックトラフィックが主な指標となっておりましたが、AI OverviewsによるCTR低下や、海外では、AI Modeの約9割がゼロクリックといった調査データも確認されているため、トラフィックだけを追ってしまうとミスリードを起こしかねません。

AI検索経由のCVRが高いという言及もありますので、トラフィックだけではなくCVやCVRといった獲得指標もモニタリングする必要があると考えます。

竹内氏:登さんが言ってくれているのがすごいなと思っていて、私のスタンスとしては、日々のモニタリングにAIの事業インパクトを求めるのは難しいと思っています。

先行指標であれば、登さんがおっしゃったようなAIの推奨率(シェアオブボイス)や、指名検索のコンバージョンを見ていけばいいと思います。ただ、AI検索の最適化にどれくらいの投資をしていくのかは、マーケティングミックスモデルのように、もっと深掘りして「どれくらいやるのか」を信じて半期やり、その結果がどうだったかを定性で返してもらう形にしかできないのではないかと思っています。

なので、あえて厳密に紐づける必要はないかなと思います。我々の数値を言ってしまうと、最近10月の問い合わせのきっかけを全部取っているのですが、「インターネット検索」「YouTubeを見て」「SNSを見て」に加えて「AIで出てきた」というのが17%くらいあって、わりかしお問い合わせのインパクトがあるなと思っています。

目に見えない指標ではありますが、スナップショットで見ていくと結構インパクトがあるので、大枠としてどれくらい投資していくのかという判断と、日々のモニタリングは分けて考えた方がいいのではないかと個人的には思います。

Constance氏:Ahrefsのマーケティングチームとして、我々がどのように成功を測定しているかという点についてお話しします。実は我々は、エンゲージメントのデータを何段階にも分けて複雑に分析するようなことはしていません。

非常にシンプルに管理しています。基本的には、長期的にどれだけの売上(レベニュー)や登録者(サブスクライバー)を生み出しているかという最終的な数値を全体的に見ています。

また、今回のようなオフラインイベントでの反応も見ますし、「どこでAhrefsを知りましたか?」とユーザーに直接聞くことで、どのチャネルが機能しているかの全体感を把握しています。

我々は検索だけでなく複数のプラットフォームでマーケティングを行っていますが、依然として検索が最大の新規顧客獲得チャネルであることに変わりはありません。

【Q3】海外から見た日本のSEOやマーケティング文化について

【Q3】海外から見た日本のSEOやマーケティング文化について - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

Constance氏:最初の印象として、日本の人々のインターネットへの接し方は他の国とは異なると感じています。世界的には今、10秒動画やショートメッセージのような短くて反射的なコンテンツが主流になりつつありますが、日本では依然としてテキスト記事やコンテンツをじっくり「読む」文化が根強く残っているように見受けられます。

個人的には、この日本の文化が続いてほしいと願っています。なぜなら、短いコンテンツだけで終わらせるよりも、読み物を通してユーザーとより深い対話ができ、より深い関係性を築くことができるからです。

これは非常にユニークで素晴らしい点だと思います。

また、海外と比較して昔から感じていることですが、日本のマーケティングや広告は非常にユニークで創造的で面白いですね。「奇妙なこと」や「可愛いこと」「面白いこと」をやるのを恐れない姿勢があります。

単に記事を書くだけでは目立つのが難しい今の時代において、こういった「面白いことを恐れずにやる」という文化は、実は今後ますます重要になってくると思います。もしそういった創造性が日本のDNAの一部であるならば、それはマーケティングの未来にとって非常に強力な武器になるはずです。

【会場からの質問Q1】KnowクエリとDoクエリへのAI検索の影響

【会場からの質問Q1】KnowクエリとDoクエリへのAI検索の影響 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

質問者:基本的には比較サイト等の一覧ページの対策を行うツールを運用しています。AI Overviews についての質問ですが、KnowクエリについてはAIの影響で概要が出てしまうので影響値が多くなりますが、Doクエリ(何かをしたい、買いたい等の検索)については、そこまで今後影響は出てこないのではないかと思うのですが、ご見解をお聞かせください。

登氏: 当社でもAI Overviewsの出現率調査を定期的に実施しています。全体傾向として、表示率の高まりは一定確認しているものの、ご認識されている通り、相対的にKnowクエリの影響が大きい見込みであり、Doクエリに関しては限定的な印象です。

【会場からの質問Q2】どの事業フェーズでAI検索対策を始めるべきか

質問者:権威性の話があったと思いますが、ブランドが確立されていない中小企業や新規事業で立ち上げたブランドは、まずブランド作りにフォーカスすべきで、AI検索の対策をしていくのは早いのではないかと思いました。

どの事業フェーズであれば、AI検索の対策をするべきなのかイメージがあれば教えてください。

登氏:結論から言うと、AI検索の利用ユーザーが増加している事実を考慮したシミュレーションを設計し、流入チャネルのポートフォリオとして見過ごせないラインに至る時期を見定めつつ、マーケティングポートフォリオの一部として予算化することが望ましいです。

現時点における、従来型の検索エンジンと次世代型のAI検索エンジンとでは、流入チャネルのポートフォリオに乖離があるため、費用対効果の観点から「対策する必要があるのか?」という話になり、優先度が下がる印象です。

ただ一方で、AI検索の利用ユーザーが急増していることもまた事実であり、強気な見方をされている海外の調査例では、2025年、2026年には25%くらい検索ボリュームが縮小するという予測もあります。[1]

未来の話は誰にもわからない中でも、1年後・2年後どうなるのかを試算した上で、それが流入獲得チャネル全体のポートフォリオの何パーセントになるか、看過できないラインを踏まえたうえで、逆算しながら意思決定することが望ましいと考えます。

加えて、学習データのタイムラグにおいても考慮が必要です。
AI検索については「学習」と「推論」のフェーズに分けられますが、学習データのカットオフの期限に関してはGPT-5の場合は2024年9月末のデータとされています。
つまりは2025年8月にリリースされた主要モデル(GPT-5)においても、昨年のデータを使っているということになります。[2]

その点を補うために「推論」フェーズにおける検索APIを用いたブラウジング機能が備わっておりますが、プロンプトに応じてその挙動も異なるため、自社ブランドの言及量を最大化させる観点においては、学習データに含まれている状態が望ましく、シェアが伸びてから対策を始めても手遅れになる(AIの回答に出てこない)リスクが一定存在します。

AI検索への対策を考慮するフェーズに関しては、シミュレーションや学習データのタイムラグ等を考慮して進めることが望ましいと考えます。

参考文献

  1. ^ Gartner. 「Gartner Predicts Search Engine Volume Will Drop 25% by 2026, Due to AI Chatbots and Other Virtual Agents」. https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2024-02-19-gartner-predicts-search-engine-volume-will-drop-25-percent-by-2026-due-to-ai-chatbots-and-other-virtual-agents, (参照 2025-12-10).
  2. ^ OpenAI Platform. 「gpt-5 Model | OpenAI API」. https://platform.openai.com/docs/models/gpt-5, (参照 2025-12-10).
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