【株式会社LANY】検索のルールが変わる、SEOとLLMOを両輪で進める統合型検索マーケティング戦略

【株式会社LANY】検索のルールが変わる、SEOとLLMOを両輪で進める統合型検索マーケティング戦略

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イベント概要

2025年11月13日、Ahrefs Japan Meetup Vol.2において、株式会社LANY代表取締役CEOの竹内渓太氏が、AI検索時代における検索マーケティングの再定義について講演しました。

従来のSEOに加え、AI Overviews、AI Mode、ChatGPTなどのLLMへの対策を含めた「統合型検索マーケティング」の必要性と、具体的な実装方法について111ページにわたる詳細な資料で解説されました。

スピーカー

竹内渓太氏(株式会社LANY 代表取締役CEO)
竹内 渓太 氏
株式会社LANY
代表取締役CEO

検索は大きく変わっている

竹内氏は冒頭で、検索環境が大きく変化していることを強調しました。
従来の検索マーケティングは、Googleの検索窓にキーワードを入力し、リスティング広告の枠とSEOの枠が出てきて、そこの上位を様々なアルゴリズムをハックしながら取る、これがほぼ全てでした。

しかし現在は以下のように検索がすごく多様化していると述べました。

  • AI Overviews:SEOの枠の部分にAIの回答が出てくる
  • AI Mode:タブでAI Modeが出てきて、GeminiやChatGPTと対話するようにゼロクリックサーチが生まれている
  • LLM:そもそもGoogleなどの検索エンジンにキーワードを入力するのではなく、ChatGPT、Gemini、Perplexityに質問や指示を投げて知りたいことを知っていく

AI検索の現状データ

竹内氏は様々なデータを紹介しました。

AI Overviews

  • 約4分の1(25%)くらいのクエリで表示
  • 表示されると30〜40%くらいクリックが減少
  • 結構ダメージが大きい

AI Mode

  • まだまだこれから(2〜3%程度)
  • アンサーエンジンに近いので、ウェブへの流入口としての機能は低い
  • たとえAI ModeでURLが出たとしてもクリック率は低い

ChatGPT

  • 総合の検索に占める割合はGoogleが9割強、ChatGPTは3.3%程度
  • Googleのインパクトがまだまだ大きいのはその通り

ユーザー行動の変化

  • 特に若年層(10〜30代)では43%が普段ChatGPTを利用
  • ChatGPTがユーザーの検索行動に自然と入ってきている

【検索マーケティングの再定義】従来と今後

竹内氏は検索マーケティングの捉え方を再定義しました。
従来はクエリに対して検索結果面を押さえてトラフィックを獲得する、これが検索マーケティングでした。

今後に取るべき方針とは?

  • 従来:従来のSEO(検索クエリからのサービス)は引き続きやるべき
  • 今後:AI検索も含めたあらゆる検索結果面でのプレゼンスを最大化

この両手でやっていくのが守備範囲になっていくと述べました。

SEO担当者が最初に取り組むべきはAI検索

竹内氏は検索マーケティングの中でSEO担当者が最初に取り組むべきは何かについて言及しました。

リスティング広告やSNS検索も検索ですが、SEO担当者がまず取り組むべきはAI検索だと考えています。
理由は既存のSEOと地続きであり、今持っている知見をそのまま活かせる領域だからです。

4つの対策軸

4つの対策軸 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

竹内氏は、以下の4つの対策軸について解説しました。

  • SEO(従来のオーガニック検索)
  • AI Overviews
  • AI Mode
  • ChatGPT等のLLM

EEATとNeedsMetの2軸

最近のSEOで重要なこと

竹内氏は、最近のSEOで重要なことを以下のようにまとめました。
「信頼できるドメインで、テーマ性(トピカルオーソリティ)・領域における専門性が高くて、ユーザー行動がとても良い、そういうサイトやページが上位表示している」

EEATとNeedsMetの2つのカテゴリ

EEATとNeedsMetの2つのカテゴリ - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

LANYではこの2つのカテゴリに分けて、お客様の方針や課題設定をしています。

EEAT(信頼できるドメイン)

  • サイトのテーマ性
  • 被リンクの量と質
  • コンテンツの量と質

NeedsMet(ユーザー行動)

  • 小手先のハックやページの微調整では順位が上がらない
  • ユーザー行動を良くすることでSEOの順位を上げていける
  • すごく本質的な施策

【被リンクの量と質】Ahrefsの活用

【被リンクの量と質】Ahrefsの活用 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

被リンクについて、竹内氏はAhrefsの「リンクインターセクト」と「コンペティティブアナリシス」の活用を紹介しました。

  • 自社には被リンクがないが、競合には被リンクがあるドメインを特定
  • どこから被リンクをもらうべきかを見出す

自社サイトと競合サイトを入力して上記2点を確認し、専門性の高い被リンク、テーマ性の高い被リンクをどれくらい獲得できているか、絶対評価と相対評価の両方で見て対策していくことが重要です。

【コンテンツの量と質】テーマ性を高める

竹内氏は、最近LANYでホットトピックになっている内容として、サイトのテーマ性を高めるためにキーワードのカバレッジを広げていくとかなり順位感が上がると述べました。

2つの重要ポイント

  • 広いキーワードにインプレッションを持っている
  • それぞれのキーワードの順位がきちんと高い(検索エンジンが評価している状態)

【Last Longest Click】ユーザー行動の本質

Last Longest Clickとは

竹内氏は、Last Longest Clickについて詳しく解説しました。
これはGoogleの検索アルゴリズムのリークから話題になったもので、特定の検索ジャーニーにおいて最も長いクリックになったページが評価されるという概念です。

具体例

ユーザーが以下のように何かを検索した場合、4ページ目で検索ジャーニーが完結します。

  • 1ページ目:知りたい情報がなかった
  • 2ページ目:知りたい情報がなかった
  • 3ページ目:知りたい情報がなかった
  • 4ページ目:自分に合った情報があった、もしくはECサイトで購入が完結した

テクニカルな説明

テクニカルに言えば、Googleのデータベースに別のクエリが投げられたり、検索結果(SERP)にバックすることがなくなるので、そこがポジティブに働いてそのサイトの順位が上がっていく。逆説的に言えば、上の満たされなかったページの順位が下がっていきます。

【実例】LLMOで1位獲得(UX改善の威力)

竹内氏は、自社の実例を紹介しました。

課題

「LLMO」という単一キーワードの順位を上げたいが、ずっと2位で、1位はエレクターさん。どうやったら1位になれるか。

試したこと

  • それっぽいリライト
  • 被リンク対策(プレスリリース配信など)
  • 結果:あまり変わらなかった

転機:UX改善

内容が飽和した後、UX施策をやってみようということで、いろいろな改善を実施。

結果

「本当にその施策を打った、次のGoogleのキャッシュが変わったタイミングくらいで、1位に踊り出た」

今でもキープされているとのこと。これは1つの話ではなく、クライアントさんのサイトでもこういったことがかなり起きているので、最後やっぱり1個上げたければUXがすごく重要だと述べました。

AI Overviews対策:50記事中16記事で引用成功

AI Overviews対策:50記事中16記事で引用成功 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

基本的な考え方

AI Overviews対策を簡単に表現すると以下のようになると示されました。

  • 対策ページの検索順位を高める
  • AIが読み解きやすい文章にする

LANYのフローチャート

LANYのフローチャート - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

LANYで作成した簡単なフローチャートを公開し、この2つを突破していけばかなり引用されると述べました。

  • そのページは検索順位10位に入っていますか?
  • 入っていて引用されていないのであれば、引用されるであろう箇所がAIに読み解きやすいですか?

Ahrefsでの確認方法

Ahrefsでの確認方法 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

キーワードエクスプローラーの右上にあるサーチフィーチャー機能から「AI Overviews」をポチッと押すと、自分のサイトで反応しているクエリの中でAI Overviewsが表示されているものが絞り出せます。

AIが読み解きやすい文章

AIが読み解きやすい文章 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

論文などで言われているポイント

  • 結論のパート
  • QとAの距離を近づける
  • 箇条書き
  • 平易な言葉

実験結果

LANYではこれをプロンプトで組んで、50記事試して、AIに引用されるかテストしました。

結果:50記事中16記事で引用に成功

本当にプロンプトをポチって押して、人間がチョロっと修正しただけでこの結果が出たとのこと。

具体的な書き方

  • 結論パート:「〇〇とは〇〇です」のような例文
  • Q&A形式:よくある質問で「Q:〇〇」「A:〇〇です」

AIが持ち帰りやすいチャンキングの単位で文章を作ってあげると、本当に出やすかったと述べました。

AI Mode対策

AI Mode対策 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

AI Mode対策については、先ほどConstance氏から詳しい話があったので簡潔に説明されました。

基本的な考え方

  • 何のクエリでファンアウトされるのかを見る
  • そのファンアウトされたクエリの検索結果面で、自社のブランド名がたくさん言及されていることが重要

クエリファンアウトとは

AI Modeに1つの質問を投げると、複数のサブ検索が走ります。 AI Mode対策で捉えるべきポイントは以下の他に詳細はLANYのブログに書いてあるとのことです。

  • そのプロンプトや検索に対して、どれくらいのクエリファンアウトが行われるか
  • クエリファンアウトが行われた結果、どの情報ソースになるのか

LLM(ChatGPT等)対策

竹内氏はAI検索の中でもAI ModeやAI OverviewsよりもChatGPT等への対策の方が重要度・優先度が高いと捉えていると述べました。

RAG検索の仕組み

RAG検索の仕組み - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

LLMの回答の作り方

  • 事前学習フェーズ:大量のテキストデータをインプット(ChatGPT-4など)
  • ユーザーがプロンプトを投げる
  • RAG検索:GoogleやBingにリアルタイム検索を走らせて最新情報をインプット
  • 回答生成:事前学習データ + RAGデータで回答を作る

【実例】塾の指名検索

【実例】塾の指名検索 - IT・プログラミング情報のコネクトメディア「trends.」

「うちの子は数学が苦手なんだけど、世田谷区でおすすめの個別指導塾はない?」 LANYが支援している森塾さんが表示されます。情報源を見ると

  • 21ページ中13ページが比較記事
  • 残り8ページが個別指導塾の公式ページ(森塾、明光義塾、栄光ゼミナールなど)

何が起きているか

  • ユーザーがプロンプトを投げる
  • RAGでおそらく「世田谷区 個別指導塾 数学」などのクエリを投げている
  • 比較記事や公式サイトをインプット
  • ある軸に基づいて「森塾がおすすめです」と回答

LLM対策の2つのポイント

① 選ばれる候補になる(スクリーニングで引っかかる)

  • 比較記事で言及されることが大事
  • 公式サイトが検索結果に表示される

② その中で1番自分たちがいいと言われる

  • テクニカルに言えば、回答としてテキストが確率的に出てきやすい状態を作る
  • 塾を選ぶ軸に対して、自社がとてもマッチしていることを公式サイトから明示
  • 公式サイトのトップページから選ばれる軸をアピールしていく

RAGの参照先(比較記事など)で言及されつつ、自社サイトで最後は選ばれるよう設計していく。

SEO × LEO並行で効率的に進める

全部向き合いましょう

やることがすごく増えてきたが、全部向き合いましょうというのが竹内氏の考えです。 ただし、リソースが足りないというのは全員が思うところなので、SEO × LEOを並行で進めることを提案しました。

まずはオウンドメディアから

いろいろやっていこうとしたら、ペイドメディア(広告)やアーンドメディア(比較記事を押さえる、ペイドパブなど)もありますが、まずはオウンドメディアからやっていくのがリソース配分として効率的です。

RAG対策の重要性

特にRAGという視点では以下の3点を注視する。

  • 検索者の検索クエリ(キーワードプランナーで見られるもの)だけでなく
  • クエリファンアウトで走るようなサブクエリも対策
  • これらのキーワードを選定しながらオウンドメディア(公式サイト)でやっていく

新しい視点

捉え方としては以下の両面を両者に対して最適化していくことが重要です。

  • ユーザーがGoogle検索を使う ← 従来
  • LLMがGoogle検索を使う ← 新しい視点

パネルディスカッションでの発言

AI検索時代のSEO担当者のあり方

「SEO」ではなく「検索」全体をメタ的に捉える視点が必要であると提言しました。

  • 検索PM(プロダクトマネージャー)的な役割: ユーザーはInstagramで見つけ、Google Mapで店舗を探すといった「検索ジャーニー」を行っている。各プラットフォームの特性や検索意図を把握し、全体を最適化する役割へ昇華すべき。
  • 実体験に基づく洞察: 自身も複数プラットフォームを横断して検索・購買に至る経験をしており、誰が・どこで・何を求めているかを推察することが重要。

AI検索時代のKPI設定とROI 日々の厳密な紐づけよりも、投資対効果を半期ごとの大枠で捉えるべきとの見解を示しました。

  • 投資判断とモニタリングの分離: 日々のモニタリングにAIの厳密な事業インパクトを求めるのは難しい。マーケティングミックスモデルのように「どれくらい投資するか」を半期で決め、定性的に振り返る形が良い。
  • 先行指標の活用: AIの推奨率(シェアオブボイス)や指名検索コンバージョンを見る。
  • 実数値のインパクト: 自社の問い合わせのきっかけを調査したところ、「AI検索で出てきた」という回答が約17%あり、すでに無視できないインパクトが出ている。

→ 詳細記事:【イベントレポート】Ahrefs Japan Meetup Vol.2で語られたAI検索時代の最新SEO戦略と実践ノウハウ パネルディスカッションセクションにて

株式会社LANYについて

株式会社LANY ロゴ URL https://www.lany.co.jp/

株式会社LANYは、企業の持続的な成長にコミットする「グロースパートナー」です。デジタルマーケティング支援と採用支援サービスを両軸で展開し、事業成長を多角的にサポートします。 SEO/LLMO(AI検索最適化)、コンテンツマーケティング、Web広告運用といった最先端のノウハウを提供。形式的なコンサルティング支援に留まらず、お客様のチームに深く入り込み、戦略立案から実行支援、継続的な改善までを一気通貫でサポートします。

採用情報

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イベントレポート

#ahrefsjpmeetup

検索のルールが激変する今、マーケターが打つべき次なる一手とは? 業界を牽引する4名の専門家が語った「SGE対策」「組織論」「勝者の戦略」を総力レポート。現場のリアルな知見を余すところなくお届けします。

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