株式会社Cloverseは、アパレル特化型生成AIシステム「Clovia(クロビア)」の提供を開始しました。
Cloviaが解決を目指すアパレルEC制作の2つの課題
EC市場の拡大に伴い、アパレルブランドのビジュアル制作負担は年々増加してきました。株式会社Cloverseは、30以上のアパレルブランドの制作現場を支援する中で、現場には大きく2つの課題があると考えています。
1つ目は、撮影・運用の負担です。モデル手配やスタジオ確保、商品サンプル管理など、撮影には多くの工数とコストが発生します。人手に依存する制作体制では、企画から納品まで2〜3週間を要するケースも少なくありません。
2つ目は、「生成AIだけでは、商用クオリティに届かない」という壁です。生成AIはシルエットや素材感、ブランドトーンの再現に限界があります。プロンプト調整や修正・確認といった運用負荷も残るため、AIだけでは、商用品質と制作効率を両立することは困難です。
Cloviaがスタイリング指定で生成する商用品質の試着ビジュアル
10万件以上の学習データによって着丈・柄・素材感を高精度に再現し、アパレル出身のAIデザイナー・レタッチャーが品質管理を担います。アパレルブランド側の工数を最小限に抑えるため、ブランド側は商品画像のアップロードと要件指定を行い、クリエイティブ生成や品質チェック、レタッチ、納品管理はCloverse側が対応します。
アパレルブランド側の操作は、シンプルな3ステップです。まず商品画像をアップロードし、コーディネートやモデル、背景などの要件を指定します。次の生成工程(Cloverse側対応)を経て、最後に品質チェックやレタッチ、納品管理もCloverse側が実施します。
Cloviaの主な特徴は次の3点です。
- 10万件以上の学習データによる着丈・柄・素材感の高精度再現
- アパレル出身のAIデザイナー・レタッチャーによるブランド品質の管理
- 1日最大5,000枚の生成能力と100名規模・24時間対応のデザイナー体制
Cloviaは1日最大5,000枚の生成能力と100名規模・24時間対応のデザイナー体制により、大規模案件でもスピーディーな納品が可能です。正式版に先立つトライアル導入では、従来のEC量産撮影と比較してリードタイムとコストの大幅な削減効果が確認されています。
Cloviaの今後の展開と株式会社Cloverseの会社概要
株式会社Cloverseは今後、Cloviaを拡張し、EC着用画像にとどまらずAIモデル、ハイクリエイティブ、動画制作まで対応領域を広げる方針です。クリエイティブの制作や進行、改善プロセスそのものをAIで再設計し、アパレル業界のクリエイティブOSを目指します。
事業は、ECビジュアル生成システム「Clovia」、ブランドキャンペーンKVや動画などのハイクリエイティブ制作、広告配信・A/Bテスト・売上検証までを接続するクリエイティブ×マーケティング支援の3領域で構成されています。制作実績にはPUMA、LOOK、MARK & LONA、Salomonほか国内30以上のアパレルブランドが名を連ね、パートナーは博報堂Gravityです。
本システムリリースに関する取り組みは日本経済新聞でも紹介されており、掲載記事はこちらから確認できます。
Cloviaの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社Cloverse |
| 代表者 | 代表取締役 中谷 健太郎氏 |
| 所在地 | 東京都港区北青山一丁目3番1号 アールキューブ青山 3階 |
| サービス名 | Clovia(クロビア) |
| カテゴリ | アパレル特化型生成AIシステム |
| 提供開始 | 2026年7月 |
| 主な機能 | 平置き画像からのEC着用ビジュアル生成 スタイリング・モデル・背景の要件指定 アパレル出身のAIデザイナー・レタッチャーによる品質管理 |
| 生成能力 | 1日最大5,000枚 |
| デザイナー体制 | 100名規模・24時間対応 |
| 学習データ | 10万件以上 |
| 制作実績 | PUMA、LOOK、MARK & LONA、Salomon ほか国内30以上のアパレルブランド |
| パートナー | 博報堂Gravity |
| コーポレートサイト | https://cloverse.jp |
trends編集部の一言
1日最大5,000枚という生成能力は、数字として見るだけでも規模感が伝わります。業界全体としては、AIによる素材生成への期待が高まる一方で、「実際に使えるクオリティに届くか」という疑念がブレーキになってきました。マーケティング業界の文脈に置き換えると、撮影の段取りや外注調整に時間を取られる課題は業界を問わず、共通しているのではないでしょうか。
「AIだけでは商用品質に届かない」という課題を自社で言語化し、人との協業を前提にシステムを設計している点は、マーケティング業界の動向としても示唆を含む取り組みです。ツールの精度に依存しきるのではなく、人が介在する範囲を明確に設計することが、今後の生成AI導入における現実的なアプローチとして業界全体でも注目されるでしょう。日本経済新聞への掲載実績からも、業界内での注目度の高さがうかがえます。
References
- ^ PR TIMES. 「「生成AIだけでは、商用アパレルビジュアルは作れない」Cloverse、AI×人間で商用品質を実現する「Clovia」の提供開始 | 株式会社Cloverseのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000023.000139250.html, (参照 26-07-03).
