社会福祉法人 聖隷福祉事業団は2026年7月1日、ソフトバンク株式会社の協力の下で開発した生成AIプラットフォーム「聖隷AIポータル」をリリースしました。
聖隷AIポータルが応える医療・福祉現場の課題
近年、大規模言語モデル(LLM)を活用した生成AIツールは急速に普及しています。保健・医療や福祉、介護などヘルスケア領域においても、業務効率化とサービス品質向上に向けた活用が進んできました。その一方で、医療情報や個人情報を扱う組織では、セキュリティやコンプライアンスの確保が不可欠です。
こうした背景を踏まえ、社会福祉法人 聖隷福祉事業団はソフトバンク株式会社の協力の下、業務効率化とセキュリティの両立を実現する専用の生成AIプラットフォームを開発しました。
厚生労働省の「医療情報システム安全管理に関するガイドライン」、経済産業省・総務省の「医療情報を取り扱う情報システム・サービスの提供事業者における安全管理ガイドライン」に準拠しています。加えて、Google Cloudの国内リージョンを利用したセキュアな環境で構築されました。
聖隷AIポータルの主な特長
「聖隷AIポータル」には、多様な現場ニーズに対応する7つの業務支援機能が搭載されており、日常業務の幅広い場面で活用できます。主な機能は以下の通りです。
- AIチャット
- RAG(検索拡張生成)を用いたチャット
- 画像の生成
- 音声の合成
- OCRを用いたテキスト化
- 個人情報のマスキング
- AIによる会議要約
機能面に加えて、ソフトバンク株式会社による導入から利用定着までの伴走型支援も提供されました。組織内でのAI活用の定着と業務改善を促進するための支援体制が、サービスの一部として組み込まれています。
聖隷AIポータル概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 開発元 | 社会福祉法人 聖隷福祉事業団 |
| 協力 | ソフトバンク株式会社 |
| サービス名 | 聖隷AIポータル |
| カテゴリ | 生成AIプラットフォーム |
| リリース日 | 2026年7月1日 |
| 対象 | 聖隷の保健・医療や福祉、介護現場の職員 |
| 搭載機能数 | 7つの業務支援機能 |
| インフラ | Google Cloud国内リージョン |
| 準拠ガイドライン | 厚生労働省・経済産業省・総務省の医療情報安全管理ガイドライン |
| 法人本部所在地 | 静岡県浜松市 |
| 理事長 | 青木 善治氏 |
trends編集部の一言
聖隷の保健・医療や福祉、介護すべての現場を対象に、セキュリティ要件を満たした専用生成AIを組織内展開するという取り組みは、業界全体として注目に値する事例でした。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、汎用AIへの情報入力に対するセキュリティ上の懸念から社内ツール活用が進みにくいという状況は業界横断で共通した課題であり、組織専用のセキュアなプラットフォームを整備するアプローチは、その心理的・制度的ハードルを構造的に取り除く設計として注目されます。
マーケティング業界の文脈においても、「ツールは存在するが組織として使いこなせていない」という状態は珍しくありません。
伴走型支援によって利用定着まで一貫してサポートする設計は、AI導入後の活用率向上が業界全体の課題となっている今、こうした伴走型モデルが今後の標準的なアプローチとして広がっていく可能性があるのではないでしょうか。
References
- ^ PR TIMES. 「社会福祉法人聖隷福祉事業団、ソフトバンク株式会社の協力の下、独自の生成AIを開発 | 社会福祉法人 聖隷福祉事業団のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000214.000077508.html, (参照 26-07-02).
