株式会社グリッドは、2026年6月15日、電力業界向け生成AI「GeNom for Energy」の機能アップデートを実施しました。
GeNom for Energyがトライアルの声を反映し機能を強化
「GeNom for Energy」は、日本の電力制度に関する公開情報をもとに、自然言語での質問に対して回答と根拠資料を提示する電力業界特化型の生成AIです。2026年1月の提供開始以降、トライアル利用企業から寄せられたフィードバックを受けて、今回の機能アップデートに至りました。
今回の主なアップデートは次の3点です。
- クイックモードの追加(初期確認・概要把握向けの高速回答)
- ストリーミング表示への対応(生成過程のリアルタイム段階表示)
- 検索・回答機能の改善(信頼性の高い情報を優先参照)
新たに搭載された「クイックモード」は、スピードを重視した回答生成を行う機能です。制度調査の初期確認や概要把握など、短時間での一次調査に活用できます。ストリーミング表示では、回答生成中の内容をリアルタイムに段階表示し、最終結果までの待ち時間の体感的な短縮につながります。
検索・回答機能の改善では、審議会資料や法制度資料の属性情報を整備し、信頼性の高い情報を優先的に参照する仕組みになりました。質問内容と完全に一致する資料がない場合も関連情報を提示し、確度が低い可能性がある場合には注意喚起を表示します。
操作性の面では、過去のチャットをキーワードで検索できる履歴検索機能、入力プロンプトや出力結果をワンクリックでコピーできる機能、よく使うデータソースの絞り込み条件を保存できるプリセット登録機能も改善項目として盛り込まれました。日常的な調査業務を継続的に支える改善です。
GeNom for Energyアップデート内容一覧
今回のアップデート概要は以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社グリッド(東京都港区) |
| 代表者 | 曽我部完氏 |
| アップデート日 | 2026年6月15日 |
| 対象サービス | 電力業界向け生成AI「GeNom for Energy」 |
| 主な新機能 | クイックモード、ストリーミング表示、履歴検索、プリセット登録 |
| 検索・回答改善 | 信頼性の高い情報を優先参照、関連情報の提示、注意喚起表示 |
| サービス概要 | 日本の電力制度に関する公開情報をもとに自然言語で質問・回答 |
trends編集部の一言
今回のアップデートで注目したのは、「クイックモード」の追加でした。制度調査の初期確認など一次調査のスピードを高める設計は、業界全体として生成AIの「使いどころ」を精緻化する動きと重なります。マーケティング業界の文脈に置き換えると、調査ツールに求める要件が網羅性から「素早く仮説を立てられるか」へ移行しつつあるという傾向が広がっており、この方向性は業界横断で語られるテーマと一致しています。
電力制度という専門性の高い領域で、確度が低い回答には注意喚起を表示する設計は、生成AIへの信頼構築において、業界全体への示唆が大きいのではないでしょうか。「使える精度かどうか分からない」という不安に設計で正面から応えたこの思想は、特化型生成AI市場における信頼構築の標準モデルとして定着していく可能性があります。
References
- ^ PR TIMES. 「電力業界向け生成AI「GeNom for Energy」をアップデート | 株式会社グリッドのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000042.000053978.html, (参照 26-06-17).
