Gemini 2.0 Flash Thinkingとは
Gemini 2.0 Flash Thinkingは複雑な問題解決と高度な推論能力を強化することを目的とした次世代AIモデルです。このモデルの最大の特徴は「AIの思考過程」を明示的に示し、ユーザーがその結論に至るプロセスを理解できることです。
このアプローチはAIの透明性と信頼性を向上させるとともに、科学や数学といった分野での応用を広げることが可能。Gemini 2.0は現在も実験段階にあり、主に開発者や研究者向けに提供されています。
Gemini 2.0 Flash Thinkingの特徴
Gemini 2.0 Flash Thinkingの特徴は下記の通りです。
推論過程の可視化
Gemini 2.0はAIが結論を導く過程を、利用者に見える形で提示する仕組みを備えています。この機能により単に回答を得るだけでなく、どのような思考プロセスがその結論を支えているのかを理解できるため信頼性が格段に向上します。
長文や複雑なコンテキストの処理能力
Gemini 2.0は最大100万トークンもの広大なコンテキストを保持する能力を持っています。そのため長文の文書や複雑なデータセットを一貫して解析し、緻密な情報を提供することが可能です。これにより研究論文や技術資料の分析がスムーズに行えます。
外部ツールとの統合
Gemini 2.0はコードの実行や計算をサポートする外部ツールを活用し、問題解決の幅を大きく広げています。これにより単なる質問応答に留まらず、実践的なタスクへの具体的なアプローチが可能です。
多分野での応用
Gemini 2.0は特に科学や数学の分野でその強みを発揮します。複雑な計算や分析を要求される環境下でも、柔軟に対応できる点が評価されています。さらにユーザーのニーズに応じてカスタマイズ可能なため、多様なシナリオにおける応用が期待されているのです。
Gemini 2.0 Flash Thinkingとo1-previewの違い
Gemini 2.0 Flash Thinkingと同じく高度な推論能力を持つAIモデルとして「OpenAI o1」が挙げられます。OpenAI o1はChatGPTの有料プランであるChatGPT Plusユーザーが利用できるAIモデル。数学やプログラミング分野での高度な問題解決能力に優れています。
どちらも高度な推論能力を持つAIモデルですが、その特性や利用目的に応じた違いがあります。それぞれの特徴を下記にまとめました。
思考過程の可視性
Gemini 2.0 Flash Thinking
推論プロセスを利用者に明確に示し「どのように考えたか」を逐一説明します。そのためモデルの結論に至るまでのステップが分かりやすく、透明性や信頼性の向上に影響します。
OpenAI o1
推論過程を内部で処理するため、ユーザーに可視化されません。最終的な結論のみを提供する仕組みとなっており、結果をシンプルに取得したい場合に適しています。
応答速度
Gemini 2.0 Flash Thinking
ほかのAIモデルと同様に高速な応答が可能です。特に複雑な質問にもテンポよく対応できるため、迅速な回答が求められる状況で活用できます。
OpenAI o1
問題の内容に応じて、回答までに時間を要することがあります。特に難解な課題に対してはじっくりと深く考えるため、数分の思考時間を必要とする場合があります。
トレーニングデータの最新性
Gemini 2.0 Flash Thinking
2024年8月時点までのデータを基にトレーニングされており、最新の情報に基づいて回答を提供します。時事的な内容にも対応可能です。
OpenAI o1
トレーニングデータは2023年10月時点の情報に基づいています。そのためGemini 2.0よりも若干古い情報を元に動作します。
Gemini 2.0 Flash Thinkingは透明性のある思考プロセスと迅速な応答を強みに、最新データを基にした回答を提供します。
一方でo1-previewは複雑な問題を慎重に処理する能力に優れており、深い推論が求められるシーンに適しています。ニーズや利用環境に応じて、最適なモデルを選択することが重要です。
Gemini 2.0 Flash Thinkingの料金プラン
Gemini 2.0 Flash Thinkingは現在のところ、Google AI Studioを通じて無料で利用可能。また、APIを活用する際にはテスト用の無料枠が設定されており、一定の範囲内で柔軟に利用できます。
現時点だとGemini 2.0 Flash Thinkingを無料で利用可能ですが、将来的にプラン内容や料金が変更される可能性があります。
Gemini 2.0 Flash Thinkingの使い方
はじめにGoogle AI Studioにアクセスします。
Google AI Studio:https://aistudio.google.com/prompts/new_chat?model=gemini-2.0-flash-thinking-exp-01-21&hl=ja
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
画面右のメニュー欄から「Gemini 2.0 Flash Thinking Experimental」を選択します。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
次に画面下部の入力欄へプロンプトを入力します。今回は「人工知能が人間社会に完全に統合された場合、どのような倫理的課題が生じると考えられますか?」という内容を入力してみましょう。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
するとGemini Flash Thinkingが回答内容を考えている画面と秒数が表示されます。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
Gemini Flash Thinkingの思考内容は左の矢印をクリックすると表示されます。このように答えを導くための過程を知れるのは面白いですね。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
数秒間待つと回答が表示されます。従来のGeminiとは異なり回答に至るまでの思考内容を把握できるので、プロンプトを改善するポイントを把握できるのも魅力です。
Gemini 2.0 Flash ThinkingのAPIを取得する方法
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
Google Ai Studioの左上にある「Get API key」ボタンをクリックします。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
表示画面上にある「APIキーを作成」をクリックして下さい。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
Google Cloudプロジェクトの選択欄から「Gemini API」を選択します。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
「既存のプロジェクトでAPIキーを作成」ボタンをクリックします。
Gemini 2.0 Flash Thinkingより
するとAPIキーが表示されるので、内容をコピーして完了です。