Pythonで開発を行う際、インストール済みのバージョンを確認する場面は頻繁に発生します。ライブラリの対応バージョンを調べるときや、環境構築時にPython 3系が正しくインストールされているかを確かめるときなど、さまざまな状況でバージョンの確認が必要です。
Pythonのバージョンを確認する方法は複数あり、コマンドラインで手軽に調べる方法から、実行中のスクリプト内でプログラム的に取得する方法まであります。この記事では、Pythonのversionを確認する3つの方法と、よくあるエラーの対処法について解説していきます。
Pythonのversionを確認する方法
Pythonのversionを確認する代表的な方法には、以下の3つがあります。
- コマンドラインで確認する
- スクリプト内で確認する
- 対話モードで確認する
もっとも手軽なのはコマンドラインでの確認です。スクリプト内での確認は、実行環境のバージョンによって処理を分岐させたいときに役立ちます。
対話モードでの確認は、起動時のヘッダーから情報を読み取る補助的な方法です。それぞれ用途が異なるため、状況に応じて使い分けてください。
コマンドラインで確認する
コマンドラインでPythonのバージョンを確認するには、--versionオプションまたは-Vオプションを使います。Windowsではコマンドプロンプト(cmd)やPowerShell、macOSやLinuxではターミナルで実行してください。
# 基本的な確認コマンド
python --version
# 出力例: Python 3.12.4
# 短縮形(-V)でも同じ結果
python -V
# 出力例: Python 3.12.4
上記のコマンドでは、--versionと-Vのどちらでも通常は同等の結果が得られます。メジャーバージョン、マイナーバージョン、パッチバージョンの3つの数値が表示されます。
より詳細なビルド情報を確認したい場合は、-VVオプション(大文字のVを2つ)を使います。なお、-VVはPython 3.6で追加されたオプションであり、それ以前のバージョンでは利用できません。
Python公式ドキュメントでも以下のように記載されています。
Added in version 3.6: The -VV option.(バージョン3.6で追加: -VVオプション)
# 詳細なバージョン情報を確認する(Python 3.6以降)
python -VV
# 出力例(CPythonの場合): Python 3.12.4 (main, Jun 7 2024, 00:00:00) [GCC 11.4.0]
上記のコードでは、CPythonにおいてバージョン番号に加えてビルド日時やコンパイラ情報が表示されます。表示される具体的な内容は、利用しているPython実装やビルド環境によって多少異なる場合があります。
OSによってはコマンド名が異なる点にも注意してください。macOSやLinuxではpythonではなくpython3を使うのが一般的です。
ただしpythonコマンドが存在するかどうか、存在する場合にどのバージョンを指すかはディストリビューションや設定によって異なります(この動作はPython公式のPEP 394で整理されています)。python --versionで「command not found」となるときはpython3 --versionを試してください。
Windowsでは、python.orgからインストールしたPythonに同梱されるpyコマンド(Python Launcher for Windows)が便利です。
# macOS / Linux
python3 --version
# 出力例: Python 3.12.4
# Windows(Python Launcher経由)
py --version
# 出力例: Python 3.12.4
# Windowsで利用可能なPythonバージョンを一覧表示
py --list
pyコマンドは複数のPythonバージョンがインストールされている環境で特に有用で、py -3.11のようにバージョンを指定して起動することもできます。なおMicrosoft Learnによれば、Microsoft Store経由でインストールしたPythonにはpyコマンドが含まれないケースがあるため、pyが見つからない場合はpythonまたはpython3を使用してください。
スクリプト内で確認する
実行中のPythonスクリプト内でバージョンを確認するには、sysモジュールまたはplatformモジュールを使います。sysモジュールとは、Pythonインタープリタの情報にアクセスするための標準ライブラリです。
import sys
# バージョン文字列を表示(表示用途向け)
print(sys.version)
# 出力例: 3.12.4 (main, Jun 7 2024, 00:00:00) [GCC 11.4.0]
# バージョン情報を属性アクセス可能な形で取得(比較用途向け)
print(sys.version_info)
# 出力例: sys.version_info(major=3, minor=12, micro=4, releaselevel='final', serial=0)
# メジャーバージョンとマイナーバージョンだけを取得
print(f"Python {sys.version_info.major}.{sys.version_info.minor}")
# 出力例: Python 3.12
sys.versionはビルド情報まで含む文字列で、人間が読むための表示に向いています。一方、sys.version_infoはmajorやminorといった属性名でアクセスできるバージョン情報オブジェクトです。
各要素は整数(int)として扱えるため、以下のように数値比較による条件分岐に適しています。
import sys
# Python 3.10以上かどうかを判定する例
if sys.version_info >= (3, 10):
print("Python 3.10以上です")
else:
print("Python 3.10未満です")
platformモジュールを使うと、シンプルなバージョン文字列を取得できます。
import platform
# シンプルなバージョン文字列
print(platform.python_version())
# 出力例: 3.12.4
# タプル形式で取得(要素はすべて文字列)
print(platform.python_version_tuple())
# 出力例: ('3', '12', '4')
上記のコードでは、platform.python_version()で「3.12.4」のような文字列を直接取得しています。platform.python_version_tuple()の戻り値はすべて文字列のタプルである点に注意してください。
数値としての大小比較を行うバージョン分岐の用途では、各要素が整数として扱えるsys.version_infoの方が適しています。
対話モードで確認する
Pythonの対話モード(インタラクティブシェル)とは、コマンドラインでpythonと入力して起動するREPL環境のことです。対話モードを起動すると、最初の行にバージョン情報が自動的に表示されます。
# ターミナルで python と入力して起動
python
# 起動時の表示例(Linuxの場合):
# Python 3.12.4 (main, Jun 7 2024, 00:00:00) [GCC 11.4.0] on linux
# Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
# >>>
上記のように、pythonコマンドで対話モードを起動するだけで、バージョン情報がヘッダーとして表示されます。表示末尾のOS名(on linuxの部分)は実行環境によってon win32やon darwinなどに変わります。
環境によってはpythonではなくpython3で起動する必要がある点は、コマンドラインの項で解説したとおりです。対話モード内で詳細を確認したい場合は、前述したsysモジュールをそのまま利用できます。
対話モードを終了するには、exit()関数を実行するか、macOS/LinuxではCtrl+D、WindowsではCtrl+Zを押してからEnterキーを押す(同時押しではなく順に入力)方法でも終了できます。
Pythonのversion確認に関するよくある質問
python --versionが動作しない場合はどうすればよいですか?
python --versionを実行しても「'python' is not recognized」や「command not found」と表示される場合、主な原因としては以下が考えられます。
- Pythonがインストールされていない
- 環境変数PATHにPythonのインストール先が登録されていない
- シェルのエイリアスや複数バージョンのPATH設定が競合している
- そもそもOSが
pythonという名前のコマンドを提供していない(Unix系の一部ディストリビューションではpython3のみ提供)
原因の切り分けとしては、以下の順番で試すのが実務的です。
- OSに応じた代替コマンドを試す
- macOS / Linuxの場合:
python3 --version - Windowsの場合:
py --version(Python Launcher)
- macOS / Linuxの場合:
- 環境変数PATHにPythonのインストール先が含まれているかを確認する
- それでも解決しない場合、Python公式サイトのインストーラでインストール(Windowsの場合はインストール時に「Add Python to PATH」にチェックを入れる)
Windowsでは、Pythonが未インストールの状態でpythonと入力するとMicrosoft Storeが開く挙動があります。これはインストール済みではなくPATHの案内機能なので、表示にしたがってStoreからインストールするか、公式インストーラを使ってインストールしてください。
Python 2とPython 3が両方インストールされている場合はどう確認しますか?
Python 2とPython 3が共存している環境では、pythonコマンドがどちらのバージョンを指すかはOSや設定によって異なります。それぞれのバージョンを個別に確認するには、以下のコマンドを使用してください。
| コマンド | 確認対象 |
|---|---|
python2 --version |
Python 2のバージョン |
python3 --version |
Python 3のバージョン |
python --version |
デフォルトのPythonバージョン |
Python 2は2020年1月にサポートが終了しており、公式サイトでも以下のように案内されています。
We have decided that January 1, 2020, was the day that we sunset Python 2.(Python 2は2020年1月1日にサポート終了となりました)
そのため現在の主要なOSには、Python 2が標準でインストールされていないケースがほとんどです。新規開発では必ずPython 3を使用してください。
python2コマンドが「command not found」となる場合は、そもそもPython 2がインストールされていないと判断できます。
仮想環境のPythonのversionを確認するにはどうすればよいですか?
仮想環境(venvやcondaなど)を使用している場合も、バージョンの確認方法は通常と同じです。仮想環境をアクティベートした状態でpython --versionを実行すれば、その仮想環境に紐づいたPythonのバージョンが表示されます。
アクティベートのコマンドはOSによって異なるため、以下のように使い分けてください。
- venv(macOS / Linux):
source venv/bin/activate後にpython --version - venv(Windowsコマンドプロンプト):
venv\Scripts\activate.bat後にpython --version - venv(Windows PowerShell):
venv\Scripts\Activate.ps1後にpython --version - conda:
conda activate 環境名後にpython --version
仮想環境をアクティベートせずにバージョンを確認したい場合は、仮想環境内のPython実行ファイルのフルパスを直接指定します。macOS/Linuxではvenv/bin/python --version、Windowsではvenv\Scripts\python.exe --versionのように実行してください。
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