ストックマーク株式会社は2026年4月15日、産総研グループとの連携を「共創プロジェクト」へ移行したと発表しました。
ストックマークと産総研グループが「共創プロジェクト」で連携を強化
ストックマーク株式会社と産総研グループは、2023年から続けてきた共同研究を、2025年度より新設された「共創プロジェクト」の枠組みへ移行させています。従来の共同研究では文書要約技術やQA自動生成技術の確立に取り組んできましたが、新たな枠組みでは、「自律型アイデア発想AIエージェント」による事業価値創出へと研究対象を拡大しました。
生成AIの応用領域は、「知識探索」や「文章生成」にとどまらず、「アイデア発想」や「知的創造」といった高度な創造的活動への広がりに期待が高まっています。「ストックマークの生成AI技術」と「産総研の研究リソース」を組み合わせ、オープンイノベーションのパートナーとして、新たなLLMの開発やビジネス先行事例の創出に取り組む構えです。
「発想」と「評価」を自律的に繰り返すマルチAIエージェント技術
本プロジェクトの中核となる「自律型アイデア発想AIエージェント」は、自社技術(シーズ)の特徴や提案背景を前提条件に置いたうえで、複数のAIエージェントが議論を重ねることでアイデアを導出する「マルチAIエージェント技術」を基盤としています。自由発想ではなく、ビジネス上の制約を踏まえた実行可能性の高い着想を生み出す点に特徴があります。
- 独創的な創造を担う「発想エージェント」
- 論理的整合性を検証する「評価エージェント」
- 自社のシーズを前提条件に設定
- 複数エージェントの議論による導出
- 人間のブラッシュアップを最小限に抑制
ビジネスにおける意思決定では、斬新な着想の羅列だけでは不十分であり、自社戦略や市場環境に照らした厳密な評価が不可欠とされています。「発想」と「評価」のプロセスを自律的に繰り返す構成により、高い実現性を備えたビジネスプランの策定を目指す設計です。
2023年から積み上げてきた共同研究の成果
両者の共同研究は文書要約技術からスタートし、段階的に研究領域を拡張してきました。2023年にはビジネス文書から高精度な設問と回答を自動生成する「QA自動生成技術」を確立し、「情報処理学会自然言語処理研究会」や国際会議「PACLIC 2023」で成果を発表しています。
- 2023年: QA自動生成技術の確立
- 2023年: 国内屈指のビジネス特化型LLM「Stockmark-13b」の開発
- 2024年: ニュースデータによる継続学習の実現
- 2025年: マルチAIエージェント技術の確立
2025年に確立した「マルチAIエージェント技術」は、国際会議「SIGDIAL 2025」に採択されています。物理学者や心理学者など多様な専門領域のペルソナを持つエージェント同士が、批評・改訂を繰り返すフレームワークにより、単一視点のバイアスを排除した厳密性の高いビジネスプラン策定を実現しました。
共創プロジェクトの概要と今後の展望
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| プロジェクト名 | ストックマーク-産総研 大規模言語モデルによる知的創造技術共創プロジェクト |
| 開始時期 | 2026年4月 |
| 参画組織 | ストックマーク株式会社、産総研グループ |
| 研究対象 | 自律型アイデア発想AIエージェント |
| 実装先 | プロダクト「SAT」 |
| 関連製品 | 製造業向けAIエージェント「Aconnect」 |
trends編集部の一言
「発想エージェント」と「評価エージェント」を組み合わせ、自律的にビジネスプランを練り上げるという設計思想は、生成AIで企画案を出す際に多くの担当者が感じる課題と重なる部分があると感じました。市場妥当性や自社技術との整合性まで踏み込んだ検証を同時に回せる仕組みが実用化されれば、企画段階での手戻りを減らせる場面は多いはずです。
2023年のQA自動生成技術から段階的に積み上げてきた研究の流れを見ると、文書理解から知識更新、そしてマルチエージェントへと技術を順序立てて発展させている点が印象的です。社内で新規事業の企画やシーズ起点の用途探索に取り組んでいる担当者にとっては、研究成果がプロダクト「SAT」へ実装される過程を追いかけておくと、自社の業務フローに組み込むタイミングを見極める材料になるでしょう。
References
- ^ PR TIMES. 「ビジネスで信頼できるアイデア発想が可能なAIエージェント技術の確立へ ストックマークと産総研グループによる「共創プロジェクト」始動 | ストックマーク株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000381.000024407.html, (参照 26-04-16).
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