こちらは、「PR TIMES」より配信された企業・団体等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。掲載内容および削除・修正等のお問い合わせは、「PR TIMES」までご連絡をお願いいたします。
発表:国立大学法人千葉大学/原文:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001216.000015177.html(2026年8月3日 10時01分 配信)/転載日:2026年8月4日
千葉大学環境健康フィールド科学センター/大学院園芸学研究科の黒沼尊紀准教授、渡辺均教授と本田技術研究所らの研究チームは、河川堤防の刈草(注1)を対象に、焼却・炭化・堆肥化した際の温室効果ガス収支を比較評価しました。その結果、炭化および堆肥化が地域の廃棄物処理と園芸生産のカーボンニュートラル化を強力に後押しすることを、世界に先駆けて定量的に明らかにしました。
本研究成果は、2026年6月30日に、学術誌Journal of Environmental Managementで公開されました。
(論文はこちら:10.1016/j.jenvman.2026.130335)

■研究の背景
化成肥料(注2)やピートモス(注3)をはじめとして、園芸生産は深刻な資源の枯渇と調達の不安定化に直面しています。この状況を打破するため、農林水産省「みどりの食料システム戦略」では、未利用バイオマス資源の循環利用が推奨されています。しかし、資源の循環利用が「どの程度、環境改善に貢献するのか?」は十分に明らかになってはいません。他方、造園系廃棄物の約8割を占めると言われている河川堤防の刈草は、その多くが焼却処理されています。そこで、本研究では、「廃棄物処理」と「園芸利用」の2つのフェーズで、資源循環の価値を「脱炭素」という指標で調査しました。
■研究成果のポイント
・刈草を焼却する場合、温室効果ガスを放出しますが、炭化と堆肥化はその製造工程で発生する環境負 荷を考慮しても、温室効果ガスの吸収に寄与することが明らかとなりました(図左)。
・堆肥化はこれまで国際的にもCO2固定化技術としては認められていませんでしたが、本研究の新たな解析手法により、炭化とともに温室効果ガスの吸収能を有することが実証されました。これらのデータ(図左)に、地域の刈草発生量を掛け合わせることで、マクロな範囲で環境への影響を推定することが可能です。
・実験で製造されたバイオ炭と堆肥は、市販品と同等の品質・栽培性を示し、これらをピートモスやパーライト、元肥の代替として園芸生産に使用した場合、大幅にフットプリント(注4)を低減させることが明らかとなりました(図右)。従来、未利用バイオマスの循環利用は農地投入が議論の中心でしたが、適正な再資源化を行えば、苗・鉢物生産用の資材としても活用可能であることが実証されました。
■今後の展望(研究者コメント)
本研究は徳島県の取り組みをモデルにした実験です。これらの知見は、全国各地の廃棄物処理と園芸生産の課題解決に寄与し、未利用バイオマスの循環利用がGX化注5)を強力に後押しすることを示しています。
■用語解説
注1)河川堤防の刈草:河川堤防では、堤体強度の維持や安全確認のため、年1~2回程度の除草と集草が行われ、年間約240億円の費用がかかっている。集草された刈草の多くは、焼却処理されているが、一部の地域では堆肥化が行われている。本研究では、事前に植生調査を実施し、供試した刈草は主に河川堤防等で拡大が問題となっているイネ科の外来種であるジョンソングラス (Sorghum halepense) で構成されていることを確認。
注2)化成肥料:植物の栄養となる人工の肥料。即効性があり広く普及しているが、資源の枯渇や価格高騰のリスクに加え、製造・輸送時に温室効果ガスを多く排出する課題がある。
注3)ピートモス:水ゴケ等が堆積してできた天然の土壌資材。保水性に優れ園芸に不可欠だが、数千年かけて蓄積された「炭素の貯蔵庫」を掘り起こすため環境負荷が高い。地球温暖化に繋がるとして世界中で採取や使用の規制が進んでいる。
注4)フットプリント(カーボンフットプリント):商品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルに至る全工程で排出される温室効果ガスの量を、CO2に換算して「見える化」した仕組み。この値が小さいほど、環境への負荷が少ないことを示す。
注5)GX:グリーントランスフォーメーション(Green Transformation)の略。エネルギーの安定供給・経済成長・温室効果ガスの排出削減の同時実現を目指す取り組みを指す。今回はエネルギーではなく、「資源」の安定供給という観点から、本用語を使用。
■論文情報
タイトル:From green waste to horticultural resources: A novel approach to quantifying greenhouse gas emission factors for decision-making
著者:Takanori Kuronuma, Hitoshi Watanabe, Azusa Gomi, Shohei Masuda, Takuya Mito
雑誌名:Journal of Environmental Management
DOI:10.1016/j.jenvman.2026.130335
■研究プロジェクトについて
本研究は、以下の支援によって実施されました。
・JSPS科研費(Grant Number 23K13975, 25K02040)など
※ここまでが「PR TIMES」で配信されたプレスリリースの原文です。以下は trends 編集部による情報です。
ITやプログラミングに関するコラム
【Python】FastAPIで料金プラン見積もりシミュレーターを作ってみた
【Python】pandasとmatplotlibで在庫データのABC分析と構成比を可視化してみた
【Python】Flaskで社内FAQをカテゴリ検索できるWebアプリを作ってみた
【Python】argparseでJSON整形・構文検証・キー検索CLIを試してみた
【Python】NumPyとmatplotlibでモンテカルロ法による円周率推定と収束過程の可視化を試してみた
【Python】Playwrightでスクレイピングを試してみた
【CSS】notで複数の件を除外する方法
【Git】remote設定を変更する方法
【VBA】コメントアウトを設定する方法
x86とx64の違いを分かりやすく解説
ITやプログラミングに関するニュース
VercelがAI GatewayにSeedream 5.0 Proを追加、AI SDKのモデル指定で画像生成と編集が可能に
AWSがAmazon LocationのPlaces APIを強化、住所表記の指定と移動手段別の検索が可能に
VercelがトレースにTree・Waterfallビューを追加、ログ画面で処理の階層と所要時間を確認可能に
Googleがエージェント評価の再考を提唱、難易度を情報量で測るDiscovery Benchを解説
Google CloudがCloud Runサンドボックスを公開プレビューで提供、サービスヘルスは一般提供に
Google Cloud EMEAが英国金融の重要第三者に指定、イングランド銀行・PRA・FCAの直接監督下に
AWS DMS Schema ConversionがSQL Serverのオフライン変換に対応、ソースDBへ接続せずスキーマを変換可能に
EC2 G7インスタンスが米国東部(バージニア北部)で利用可能に、G6比でAI推論性能が最大4.6倍
SageMaker HyperPodが継続プロビジョニングでのAMIベース構成に対応、S3のスクリプト管理なしでSlurmクラスターを作成可能に
AWSがEMR on EKSでSparkトラブルシューティングエージェントに対応、失敗ジョブの原因分析を自然言語で依頼可能に
