飲食や小売の店舗がアルバイト採用の時給相場を見直し、定着ではシフトの柔軟さが求められる
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アルバイト採用の募集要項をつくるとき、近隣の店舗の時給に合わせて自店の金額を引き上げるべきか、判断に迷っていないでしょうか。時給相場は全国でも地域でも前年より上がっていますが、募集時の金額をそろえても、応募の確保と入社後の定着が同時に進むとは限りません。
この記事では、アルバイトの時給相場の全国水準や地域差に加えて、働く人が挙げた定着の条件やリファラル採用の一元管理、自動スカウトメールの仕組みまで詳しく解説します。店舗のアルバイト採用と定着を担当している方は、ぜひ参考にしてください。
- この記事の材料:発表6件
- 発表主体:株式会社エムアールエス、パーソルホールディングス株式会社 ほか3件
- 出典の最終掲載:2026.09.15
この記事がまとめた発表
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[1] 全国アルバイト・パート平均時給は「1,270円」で前月から1.11%増加【2026年8月度 アルバイト・パート 平均時給・求人数レポート】画像:発表資料より(PR TIMES)
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[2] 【小売り現場の定着率調査】人手不足の鍵は「シフト柔軟性」と「外部パートナー活用」画像:株式会社エムアールエスの発表資料より(PR TIMES)
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[3] パーソル、ファミリーマートの新たな採用支援活動「ファミマjo!n(join)」をグループ横断で支援画像:パーソルホールディングス株式会社の発表資料より(PR TIMES)
- [4] 2026年8月 パート・アルバイトの募集時平均時給 東日本エリアの平均時給は1,300円、西日本エリアの平均時給は1,240円、東京都の「飲食・サービス職」は集計開始以来過去最高の1,349円
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[5] 『Refcome Teams』がアルバイト・パート採用に強い採用管理システム「リクオプ」と連携画像:株式会社ウィルオブ・パートナーの発表資料より(PR TIMES)
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[6] 飲食店専門の求人サイト「食べログ求人」、スカウトメールサービスを提供開始画像:株式会社カカクコムの発表資料より(PR TIMES)
アルバイトの時給相場を全国と地域で確かめる
アルバイトの時給相場は、全国の平均と地域別の平均では見える水準が違います。募集時給を決める前に押さえておきたい数値は、以下の通りです。
- 全国のアルバイト平均時給1,270円
- 東日本1,300円と西日本1,240円
- 東京の飲食・サービス職1,349円
全国の平均は3つの求人メディアの掲載情報から、東日本と西日本の平均は求人サイトや採用ホームページ構築サービスの掲載情報から集計された数値でした。集計の対象や方法が違うため、同じ月でも水準は一致しません。
全国のアルバイト平均時給1,270円
2026年8月度の全国のアルバイト・パート平均時給は1,270円で、前月から14円、前年同月から68円上がりました。株式会社フロッグが、求人ビッグデータ分析ツールで3つの求人メディアの掲載情報を集計した数値です。[1]
同じ月の全国のアルバイト・パート求人数は466,673件で、前月から34,579件、前年同月から32,350件減りました。時給が上がるなかで掲載件数は減っており、募集の総量は前年を下回っています。
前月比で見た職種別の平均時給の伸び率は、以下の通りです。
| 順位 | 職種 | 前月比 |
|---|---|---|
| 1位 | クリエイティブ(Web以外) | +148円・+12.11% |
| 2位 | 映像/イベント/芸能/キャンペーン | +55円・+4.28% |
| 3位 | 製造/工場/化学/食品 | +49円・+3.92% |
| 最下位 | 営業/事務/企画/管理 | -24円・-1.80% |
伸び率の上位には、売場や厨房とは別の職種が並びました。同じ月でも職種によって時給の動き方は違うため、自店の職種に近い区分の数値を見ます。
東日本1,300円と西日本1,240円
エリア別の募集時平均時給は、東日本エリアが1,300円、西日本エリアが1,240円でした。株式会社アイデムが、求人メディアや採用ホームページ構築サービスに掲載された求人情報から、15都府県を集計した数値です。[4]
前年同月と比べると、東日本エリアは15円増、西日本エリアは38円増でした。関東4都県は1,328円で23円増、関西3府県は1,258円で42円増となっています。
都府県ごとの平均時給は、以下の通りです。
| 都府県 | 平均時給 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 東京都 | 1,363円 | +35円 |
| 神奈川県 | 1,362円 | +23円 |
| 千葉県 | 1,275円 | +15円 |
| 埼玉県 | 1,250円 | +5円 |
| 大阪府 | 1,275円 | +32円 |
| 京都府 | 1,257円 | +94円 |
| 兵庫県 | 1,217円 | +30円 |
同じエリアの中でも、都府県によって水準や前年からの増え方は違いました。近隣の店舗と競合する募集では、全国の平均より自店の都府県の数値が比較の材料です。
東京の飲食・サービス職1,349円
東京都の「飲食・サービス職」の募集時平均時給は1,349円で、集計開始以来の最高でした。株式会社アイデムが、2026年8月の集計結果として公表した数値です。[4]
関東4都県の職種大分類では、「飲食サービス職」が1,262円で前年同月比23円増、「販売・接客サービス職」が1,271円で42円増でした。東日本エリア全体で見ると「飲食サービス職」は1,226円で、増加は8円にとどまります。
東日本エリアの職種大分類のうち、前年同月からの増加額が大きい職種は、以下の通りです。
- 清掃・メンテナンス職は68円増
- 事務職は56円増
- 販売・接客サービス職は42円増
東京都の数値は「飲食・サービス職」として示され、関東4都県や東日本エリアの数値は職種大分類の「飲食サービス職」として示されています。自店の条件と比べるときは、区分やエリアをそろえた数値を選びます。
アルバイトの定着に関わる小売現場の回答
売場で働く人が職場に求める条件は、給与の金額に限りません。流通・小売業界で働いた経験がある人への調査から読み取れる論点は、以下の通りです。
- 61.0%が挙げた給与・時給の改善
- 45.0%が挙げたシフトの柔軟さ
- 派遣に65.0%が示した中立の見方
回答は複数選択で集められ、給与の改善を選んだ人が最も多くなりました。給与以外の項目も4割前後が選んでおり、店舗の運営で手を付けられる範囲が含まれます。
61.0%が挙げた給与・時給の改善
流通・小売の仕事を長く続けられる職場にするために必要なこととして、最も多く選ばれたのは「給与・時給の改善」でした。株式会社NEXER Groupと人材派遣のエムアールエスが、流通・小売業界で働いた経験がある全国の男女100名に聞いた調査です。[2]
長く続けられる職場にするために必要だと思うことへの回答は、以下の通りです。
| 必要だと思うこと | 回答率 |
|---|---|
| 給与・時給の改善 | 61.0% |
| 良好な人間関係・職場の雰囲気 | 46.0% |
| シフトの柔軟さ・希望の通りやすさ | 45.0% |
| 十分な人員・人手不足の解消 | 45.0% |
| 休みの取りやすさ | 41.0% |
調査では、給与を大きく上げるには費用が必要で、人間関係やシフトの柔軟さ、十分な人員は店舗の運営方法の見直しや外部の人材の活用で改善できる可能性があるとしています。
45.0%が挙げたシフトの柔軟さ
働くうえで不安や課題に感じたこととして、「立ち仕事・体力的にきつい」が39.0%で最も多く、「土日祝・年末年始に休みにくい」が38.0%で続きました。「給与・時給が低い」は31.0%でした。[2]
繁忙期の勤務をどのように感じているかの回答は、以下の通りです。
| 繁忙期の受け止め | 回答率 |
|---|---|
| 大変だが仕方がない | 33.0% |
| やりがいや達成感がある | 25.0% |
| できれば避けたい・休みたい | 23.0% |
繁忙期にやりがいを感じる人と、避けたいと考える人は近い割合で分かれました。調査では、繁忙期に無理をさせると、避けたいと考えている人が辞めるきっかけになる可能性があると指摘しています。
休みにくさへの不満と、長く続けるためにシフトの柔軟さを求める回答は、同じ調査で別々の設問に挙がった項目です。調査では、シフトの組み方や人員配置、忙しい時期の応援体制は店舗運営の工夫で改善できる可能性があるとしています。
派遣に65.0%が示した中立の見方
人材派遣という雇用形態へのイメージでは、「どちらともいえない」が65.0%、「あまりイメージがわかない・よく分からない」が21.0%でした。調査では、「悪いイメージ」を選んだ人はいなかったと説明しています。[2]
派遣会社にあってよかった・あってほしいと思うサポートへの回答は、以下の通りです。
| 求めるサポート | 回答率 |
|---|---|
| 給与・待遇の交渉サポート | 36.0% |
| 悩みを相談できる担当者・窓口 | 34.0% |
| トラブル・ハラスメント対応 | 31.0% |
| 就業前の実務・接客研修 | 28.0% |
直接雇用では、待遇の交渉や悩みの相談、トラブルへの対応を店長や人事担当者が引き受けます。調査では、交渉や相談への対応を派遣会社に任せると、店舗側は運営に集中しやすくなると説明しています。
アルバイト採用で応募を集めるチャネル
求人媒体への掲載に加えて、店舗が候補者と接点をつくる手段が出ています。アルバイト採用の募集で使える新しい仕組みは、以下の通りです。
- Refcome Teamsとリクオプの連携
- 食べログ求人の自動スカウトメール
どちらも、求人媒体への応募を待たずに候補者との接点をつくる仕組みですが、対象とする採用の場面は違います。『Refcome Teams』とリクオプの連携は多店舗・多拠点の企業を、食べログ求人のスカウトメールは飲食店を想定しています。
Refcome Teamsとリクオプの連携
ウィルオブ・パートナーが提供するリファラル採用のプラットフォーム『Refcome Teams』は、採用管理システム「リクオプ」との連携を2026年6月に開始しました。リファラル採用とは、社員やスタッフのつながりを活かして候補者と接点をつくる採用の方法です。[5]
「リクオプ」は、HRソリューションズ株式会社が提供するアルバイト・パート採用に強い採用管理システムです。連携によって、紹介で登録された候補者の情報が「リクオプ」へ自動で送られ、求人媒体や自社採用サイトからの応募者とあわせて一元管理できます。
連携によって実現できることは、以下の通りです。
- 紹介を採用チャネルに追加
- 候補者情報の重複入力を削減
- 紹介経由の選考状況も集約
多店舗や多拠点で募集する企業では、紹介経由の候補者を別の仕組みで管理する必要がなくなります。発表時点では、店長や採用担当者の管理業務の効率化につなげるとしています。
食べログ求人の自動スカウトメール
株式会社カカクコムが運営する飲食店専門の求人サイト「食べログ求人」は、2026年9月15日にスカウトメールサービスの提供を開始しました。勤務エリアや雇用形態、経験した職種などの条件を設定すると、該当する求職者へシステムが自動でスカウトメールを配信します。[6]
サービスの内容は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掲載規模 | 1.7万店舗・3.7万件以上 |
| 課金の対象 | スカウト経由の応募のみ |
| 消費枚数 | アルバイトは応募1件0.5枚 |
| チケット単価 | 1枚17,500円から25,000円 |
| 配信経路 | メールやSMS、サイト上の通知 |
チケットは配信や求人の閲覧では消費されず、応募が発生したときに消費される仕組みです。単価は適用される割引によって変わり、発表時点では税別の金額として示されました。
採用の専任担当者がいない小規模な店舗でも、個別に送る手間をかけずに運用できるとしています。応募に至っていない求職者へ自動でリマインドメールを送る機能も備えます。
ファミリーマートのアルバイト採用ブランディング
応募する人が見るのは、時給や勤務地の条件に限りません。ファミリーマートが創立45周年を機に進めたアルバイト採用の施策は、以下の通りです。
- 身だしなみを緩めたファミマコーデ
- 求人サイトファミJOBの全面刷新
パーソルグループが、採用戦略の立案やブランドコンセプトの開発、クリエイティブ制作までを支援しました。発表時点では、はたらき方の多様性を伝える採用コミュニケーションとして展開しているとしています。
身だしなみを緩めたファミマコーデ
ファミリーマートは創立45周年を機に、アルバイトスタッフが自分らしくはたらける環境づくりを目指し、身だしなみルールの緩和や新しいユニフォームの導入を行いました。落合宏理氏がデザインしたユニフォームとあわせて、「ファミマコーデ」という新しい身だしなみ基準を策定しています。[3]
パーソルグループが担当した主な支援の内容は、以下の通りです。
- 採用ブランドロゴの開発
- 店舗外のぼりや各種ポスター
- スタイルブックの配布
採用メッセージは「はたらきかたに、わたしらしさを。」として言語化され、ポスターや採用サイトで表現されています。
カスタマーハラスメントの啓発ポスターも、支援の内容に含まれました。
求人サイトファミJOBの全面刷新
アルバイト・パート求人募集サイト「ファミJOB」は、採用ブランディングの一環として全面的にリニューアルされました。採用管理システム「HITO-Manager」の導入も、パーソルグループによる支援の内容に含まれています。[3]
施策の背景として示された数値は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 店舗スタッフの年代 | 7割以上が10代・20代 |
| 2035年の労働力不足 | 約1,775万時間分と予測 |
| 推計の実施者 | パーソル総合研究所と中央大学 |
労働力の不足は「労働市場の未来推計2035」で示された予測であり、実績の数値ではありません。パーソルグループは、条件の訴求に加えて、自分らしくはたらける環境や職場文化を伝えることが若年層には求められると説明しました。
店舗のアルバイト採用を見直す優先順位
アルバイト採用の見直しでは、募集時給の水準や入社後に働き続けられる条件を、分けて確かめます。時給相場の数値は集計する媒体やエリアによって違うため、自店と同じ条件の数値を選びます。[1][4]
店舗で確認したい項目は、以下の通りです。[2][3][5][6]
| 確認する項目 | 確かめる内容 |
|---|---|
| 募集時給の比較先 | 同じ職種とエリアの平均 |
| 定着の条件 | 人間関係やシフト、人員 |
| 繁忙期の配置 | 避けたい人への割り当て |
| 紹介の受け皿 | 候補者情報の一元管理 |
| 攻めの募集 | 応募課金型の費用 |
| 発信する内容 | 条件以外に伝える職場の姿 |
時給の改定には費用がかかりますが、調査では、シフトの柔軟さや十分な人員は店舗の運営方法の見直しで改善できる可能性があるとしています。募集の手段を増やす場合は、費用の発生する場面や運用の手間を、導入の前に確かめておくと判断しやすくなります。
出典
- ^ PR TIMES. 「全国アルバイト・パート平均時給は「1,270円」で前月から1.11%増加【2026年8月度 アルバイト・パート 平均時給・求人数レポート】」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000157.000148054.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「【小売り現場の定着率調査】人手不足の鍵は「シフト柔軟性」と「外部パートナー活用」」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003239.000044800.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「パーソル、ファミリーマートの新たな採用支援活動「ファミマjo!n(join)」をグループ横断で支援」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001131.000016451.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「2026年8月 パート・アルバイトの募集時平均時給 東日本エリアの平均時給は1,300円、西日本エリアの平均時給は1,240円、東京都の「飲食・サービス職」は集計開始以来過去最高の1,349円」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001713.000002663.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「『Refcome Teams』がアルバイト・パート採用に強い採用管理システム「リクオプ」と連携」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000434.000034777.html, (参照 26-09-23).
- ^ PR TIMES. 「飲食店専門の求人サイト「食べログ求人」、スカウトメールサービスを提供開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001057.000001455.html, (参照 26-09-23).






