研修レポートとして、研修レポートとして、日本ガイシ株式会社のIT関連部門と株式会社ワイ・ディ・シーが実施した合同の新入社員研修の内容をお伝えさせていただきます。
日本ガイシ株式会社と株式会社ワイ・ディ・シーは、ビジネスパートナーとして長年の協力関係を築いてきた2社です。今回、新入社員を対象にした合同研修を実施し、両社の新入社員同士が共創して新たな価値を生み出すことを目指しました。この記事では、この合同研修の詳細や、他企業が学べるポイントを紹介します。
スピーカー
製造技術本部
モノづくりシステム統括部
人財統括部
組織・人財開発グループ
研修の概要と目的
日本ガイシ株式会社のIT関連部門と株式会社ワイ・ディ・シーが合同で実施した新入社員研修の詳細をレポートします。
この研修は両社の新入社員が混合チームを組み、ビジネスパートナーとしての関係性を基盤に、実際の業務に即した課題解決に取り組むという特色ある形式で行われました。
研修の主な目的は、発注者と受注者という役割を超え、企業間の共創を通じて新たな価値を創造する力や関係性を両社の新入社員が養うことにあります。
新入社員たちは、生成AIの活用をテーマに、提示された課題に対してチームでソリューションを企画し、プロトタイプを作成しました。
異なる業界や文化の新入社員が共に活動することで、多様な視点から問題を捉える力が養われ、チームワークやコミュニケーション能力の向上にもつながりました。
本研修では生成AIを用いたソリューション開発が推奨され、研修の成果物として、新入社員と先輩社員のコミュニケーションを活性化するAIマッチングシステムなどの作成が行われました。
研修の実施内容と進行
今回の研修は半日間のハッカソン形式で行われました。午前中に両社の新入社員が集合し、初対面のビジネスランチを通じてチームビルディングを行いました。この初顔合わせは、以降の共同作業の土台となり、研修全体を通じて重要な役割を果たしました。
ランチ後、両社の代表者がそれぞれ会社の事業内容や目指す方向性についてピッチを行いました。
日本ガイシ株式会社はセラミック製品のリーダー企業として、今後に向けたDX推進に注力しています。
株式会社ワイ・ディ・シーは製造業向けのコンサルティングやITシステムの構築等を得意とし、ファクトリーオートメーション等の製造業向けのDX支援に強みを持っています。
課題解決とプロトタイプ開発
参加者たちは生成AIに関するミニ講義を受け、その活用方法について学びました。この講義で得た知識を基に、各チームは提示される課題から1つを選び、解決策の企画とプロトタイプ作成に取り組みました。提示された課題は次のようなものがありました。
- 新入社員と先輩社員のコミュニケーションを活性化させる仕組み作り
- 議事録作成の効率化
- 社内情報の検索時間の短縮や資料作成の効率化 など
研修の特色と成果
本研修の特色は、発注者と受注者の関係を超えて、両社の新入社員が共創し、新しい視点からビジネス課題に取り組む機会を得られたことです。
特に、異なる企業文化やバックグラウンドを持つメンバー同士の共創は、通常の社内研修では得られない創造的な発見や課題解決能力の向上に繋がりました。
また、生成AIを積極的に取り入れたことも重要な要素です。
AI技術は今後のビジネス課題解決において不可欠なツールであり、実践的な活用方法を研修で学ぶことは、プログラミングやシステム開発を学習してきた新入社員のさらなるスキル向上に直結しています。
企業研修への示唆と今後の展望
コロナ禍を経て、企業研修の形態は集合型からリモート型、さらにはハイブリッド型へと変化してきました。
また、研修の目的も、従来の職務に必要なスキルの習得だけにとどまらず、より多様な要素が求められるようになっています。
特に、生成AIの登場をきっかけに、IT職種における仕事の進め方や技術習得のあり方が大きく変わりつつあります。
そのような中で、本研修における重要なキーワードとして挙げられるのは、「場所を変えることで得られる新たな気付き」、ビジネスパートナーである2社の新入社員たちの「関係性強化と将来への期待」、そして最新技術を活用した「課題解決や価値創造」です。
新入社員研修では、社会人マナーや業務に必要なスキル習得が多くの研修項目に含まれることが一般的ですが、これからの若手人材に対してどのような学びを提供するべきか、改めて再考する必要があるかもしれません。
先輩社員の関わりと成長
本研修においては、日本ガイシ株式会社と株式会社ワイ・ディ・シーの先輩社員たちが、新入社員に向けた効果的な学びの場を作るため、企画や準備に多くの時間を割きました。
どのような課題を設定すれば効果的な学びが実現できるか。両社の先輩社員たちは、この問いに向き合い、何度も議論を重ねました。
このプロセスを通じて、先輩社員個人にとっても新たな気づきや成長の機会となりました。人材を育てる立場に立つことで、自身も成長できる場が実現されたのです。
実施担当者からのコメント
日本ガイシ株式会社 製造技術本部 モノづくりシステム統括部 開発部長 西脇 孝文 氏:当社は長年にわたり、様々な業務システムの開発を株式会社ワイ・ディ・シーに委託し、新工場の立ち上げでは海外拠点にも同行して頂くなど、当社にとって株式会社ワイ・ディ・シーは苦楽を共にしてきたパートナーです。
しかしコロナ禍を経てシステム開発もリモート作業が主体となり、作業効率が向上した一方で現場の一体感は薄らいでしまいました。
また、全社的なDXを推進するためIT部門が果たすべき役割はより広範になるとともに、生成AIなどITの急速な進化に対応できる高度な専門知識も必要とされており、社内IT人材のレベルアップとともに社外との連携強化が重要であると感じていました。
そうした中、コードキャンプ株式会社に当社の新入社員向けのIT技術者研修をお願いする過程で、本研修のアイデアが生まれました。
両社の新入社員が集い、最新技術を学ぶとともに共通の課題に向き合う事で、お互いを尊重し切磋琢磨する精神や自社の枠にとらわれない広い視野を養っていくと同時に、両社の協力関係がより深まる事を期待しています。
株式会社ワイ・ディ・シー 人財統括部 組織・人財開発グループ 清原 翼氏:
今回の合同研修は、両社の新入社員にとって、ビジネスパートナーという枠を超えた新たな関係を築く絶好の機会となりました。
ランチを共にしたことで初対面の緊張が和らぎ、その後のワークショップでも異なる視点を持ち寄り協力しながら創造的な解決策を見出していました。
今回の経験により協力関係の基盤が築かれ、将来的には新しい価値を共創してくれることを期待しています。 最後にこのような素晴らしい機会を共に作り上げていただいた日本ガイシ株式会社、コードキャンプ株式会社には心より感謝申し上げます。
編集後記
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講義風景
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プロトタイプの作成風景
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講評及び懇親会の様子
本合同研修に関しては、コードキャンプ株式会社が企画や実施の支援をさせていただきました。本記事の執筆者である私、下山もこの2年間、本研修に関わらせていただき、素晴らしい成果を目にしてきました。2年ともに、非常に充実した研修が実現できたと感じています。
その要因の一つとして挙げられるのは、日本ガイシ株式会社や株式会社ワイ・ディ・シーが「人の学び」に対して真摯に取り組み、前例にとらわれない新しいチャレンジを続けている点です。もう一つの要因として、新入社員の皆さんが非常に素直で積極的に研修に取り組んでいることも大きなポイントです。
このように、関係者全員が力を合わせて質の高い研修を作り上げており、両社には優秀な新入社員が揃っているという素晴らしい環境が生まれています。この記事をご覧いただいている読者の皆様におかれましても、日本ガイシ株式会社や株式会社ワイ・ディ・シーとのビジネスや就業の機会を、強くお勧めしたいと思います。
▼今回、日本ガイシ株式会社と株式会社ワイ・ディ・シーの新入社員合同研修
「日本ガイシ株式会社」PROFILE
会社名 |
日本ガイシ株式会社 |
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企業概要 |
日本ガイシは1919年の設立以来、独自のセラミック技術を駆使し、社会課題を解決する画期的な製品を数多く提供してきた総合セラミックメーカーです。エネルギー、モビリティ、IT、産業分野を事業の柱とし、世界20カ国以上で活動しています。 |
「株式会社ワイ・ディ・シー」PROFILE
会社名 |
株式会社ワイ・ディ・シー |
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企業概要 |
株式会社ワイ・デイ・シー(YDC)は、製造業を中心とした企業に、システムインテグレーションサービスとソリューションを提供しています。1977年設立の情報サービス企業です。 |