スプレッドシートのFTEST関数とは
FTEST関数は等分散性を検定するためのF検定に関連する確率値を返すGoogleスプレッドシートの統計関数です。2つのデータサンプルが同じ分散を持つ母集団から抽出されたものかどうかを統計的に判定することができます。
この関数は英語名では「F-test for equality of variances」と呼ばれており、2つの範囲を指定するだけの簡潔な構文で実行されます。数値以外のセルは計算から自動的に除外され、FTESTまたはF.TESTのどちらの記述方法でも同じ機能を実行可能です。
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基本的な構文と引数の指定方法
FTEST関数の基本構文は「FTEST(範囲1, 範囲2)」の形式で、第1引数のrange1に最初のデータサンプル範囲を指定します。第2引数のrange2には比較対象となる2番目のデータサンプル範囲を設定し、両方とも連続したセル範囲または離散的なセル範囲を指定できます。
=FTEST(A1:A5, B1:B5)
=FTEST(A1:D3, A5:D7)
引数に指定した範囲内の数値データのみが計算対象となり、テキストや空白セルは自動的に無視される仕組みです。範囲指定では単一列だけでなく複数列にまたがる矩形範囲も使用でき、データの配置形式に柔軟に対応しています。
関数名についてはFTESTとF.TESTの両方の表記が利用可能で、どちらを使用しても同じ結果を取得できます。引数の順序を間違えても計算結果に影響はありませんが、データの意味を明確にするため適切な順序での指定が推奨されます。
実際のデータを使用した計算例
学期別のテスト成績データを使用したFTEST関数の具体例では、今学期と昨学期の成績の分散差を検定できます。A2:A8範囲に今学期のスコア、B2:B7範囲に昨学期のスコアを配置し、FTEST(A2:A8, B2:B7)で計算を実行します。
=FTEST(A2:A8, B2:B7)
この計算例の結果は0.8600520777という高いp値を示しており、2つの学期間でテスト成績の変動性に統計的な有意差がないことを表しています。p値が高い場合は帰無仮説が棄却されず、2つのグループの分散が等しいと結論できます。
実際の業務では品質管理や実験データの分析において、製造ロット間の品質ばらつき比較や異なる条件下での測定値の安定性評価に活用されます。関数の戻り値は0から1の範囲の確率値で表示され、一般的に0.05以下の値が統計的有意差の判定基準として使用されることが多いです。
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