スプレッドシートのT.TEST関数とは
T.TEST関数は統計解析における検定機能を提供するスプレッドシートの組み込み関数であり、2つのサンプルデータが同一の母集団から抽出されたかを確率的に判定します。この関数は2つのデータ範囲を比較し、それらが同じ平均値を持つ母集団から得られた可能性を数値で表現する機能を持ちます。
基本的な構文はT.TEST(範囲1, 範囲2, 尾部, 種類)の形式で定義されており、4つの必須パラメータを指定する必要があります。関数の戻り値はt検定に関連する確率値として出力され、統計的な有意性を判断する際の重要な指標として活用できるのです。
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T.TEST関数の基本パラメータ設定
第1パラメータの範囲1と第2パラメータの範囲2には、比較対象となる2つのデータセットのセル範囲を指定します。両方の範囲は必ず同じ数のデータポイントを含んでいる必要があり、データの整合性が保たれていることが前提条件です。
=T.TEST(A1:A10, B1:B10, 2, 1)第3パラメータの尾部では分布の尾の数を指定し、1を設定すると片側検定、2を設定すると両側検定が実行されます。第4パラメータの種類では検定の種類を決定し、1は対応のある検定、2は等分散の独立した検定、3は不等分散の独立した検定をそれぞれ表しています。
T.TEST関数の計算メカニズム
T.TEST関数は範囲1と範囲2のデータを使用して非負のt統計量を計算し、同一母集団平均の仮定の下でのt統計量の確率値を算出します。尾部パラメータが1に設定された場合、関数はt統計量がより高い値を示す確率を返し、統計的有意性の片側検定を実行するのです。
=T.TEST(C1:C5, D1:D5, 1, 2)尾部パラメータが2に設定された場合の戻り値は、尾部が1の場合の2倍の値となり、t統計量の絶対値がより高くなる確率に対応します。この計算結果は同一母集団平均の仮定における両側検定の確率値として解釈され、より厳密な統計的判定を可能にしています。
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