CROSS Business Producers株式会社は、子会社の株式会社データリソースが提供する産業市場データと、自社が特許出願済みのAI技術を組み合わせたB2B商談支援AIサービス「BUYER Graph(バイヤーグラフ)」を発表しました。
BUYER Graphが生まれた背景となるB2B市場の拡大と意思決定の複雑化
世界のB2B市場は2025年に24.08兆ドル(約3,600兆円)、2033年には105.85兆ドル(約1.6京円)へ成長すると予測されています。その一方で、購買の意思決定は見えにくくなってきました。
B2B購買チームの74%が意思決定過程で不健全な衝突を示すとのGartnerの調査(2025年5月7日)が報告されています。また、B2B買い手の61%が営業担当者を介さない購買体験を好むとの同社調査(2025年6月25日)も示されました。こうした状況下で精度の高い仮説を構築するには、有識者探索からインタビュー設計・ヒアリング・とりまとめまで、従来は3〜4週間程度の時間と人的リソースが必要でした。
BUYER Graphが前工程を効率化する仕組み
「BUYER Graph」は、産業市場データや既存調査レポート、公開情報・顧客から提供される前提情報などをもとに、対象市場・対象企業・対象職種において想定されるポイントを構造化します。「どこで反論されそうか」「どの言葉が刺さりそうか」といった観点に加え、「価格交渉で何を問われそうか」「どの順番で説明すれば進みやすいか」といった観点も整理できる点が特徴です。
また、まだ直接会ったことがない相手先企業の購買担当者や技術責任者、経営層などを想定した「仮想キーマンパネル」を構築する機能も備えています。商談前に提案内容への反応、想定される反論、導入に必要な説得材料をプレビューすることが可能です。前工程の短縮によって、人間のコンサルタントがより本質的な作戦づくり・提案設計・価格交渉・価値訴求に集中できる環境を目指します。
主な活用シーンは以下の通りです。
- 商談前・提案前の意思決定仮説づくり
- B2B広告・マーケティング施策前のターゲット設計
- 有識者インタビューやB2Bパネルによる検証
- 調査結果をもとにした提案資料・営業ストーリー作成
セルフ型のオンラインツールではなく、人間の調査・コンサルティングに産業市場データとAIによる仮説生成を組み合わせた個別企業向けサービスとして提供されます。
初期導入メニューとして、商談前のキーマン仮説や導入障壁、想定反論・価格交渉論点・初回提案メッセージを短期間で整理する「BUYER Graph Trial Scan」の先行受付が始まりました。
BUYER Graph(バイヤーグラフ)概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| サービス名 | BUYER Graph(バイヤーグラフ) |
| 提供会社 | CROSS Business Producers株式会社 |
| 代表 | 三木言葉氏 |
| 所在地 | 東京都千代田区丸の内3-3-1新東京ビル4階 |
| 設立 | 2011年10月3日 |
| URL | https://crossproducers.com |
| データ提供 | 株式会社データリソース(DRI)(世界約200社の調査会社による市場調査データを提供) |
| 初期メニュー | BUYER Graph Trial Scan(先行受付中) |
| 姉妹サービス | EXPERT Graph |
trends編集部の一言
B2B購買チームの74%が意思決定過程で不健全な衝突を示すという数字は、想像以上に大きな課題感を示しています。B2B営業支援の業界全体としては、提案前の意思決定構造の可視化ニーズが高まっており、「仮想キーマンパネル」のように商談前に想定反論をプレビューできる仕組みは、業界横断で語られてきたボトルネックへの一つの回答として注目されるでしょう。
3〜4週間かかっていた前工程が数日程度まで短縮できるという点は、新規開拓や海外展開など動きの速い事業開発局面で特に効いてきます。同種サービスではセルフ型ツールが多いなか、産業市場データとAI仮説生成の組み合わせを個別企業向けサービスとして設計している点は、精度担保という観点での差別化でした。マーケティング業界の文脈に置き換えると、商談前の情報精度を構造的に高める設計思想は、業界全体の提案プロセス転換を示す動きとして読み取れます。
References
- ^ PR TIMES. 「105兆ドル規模へ 伸び続けるB2B市場における商談の確度をあげるAIサービス「BUYER Graph」を発表 | CROSS Business Producers株式会社のプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000040.000005874.html, (参照 26-06-19).
