KPMGジャパンはサステナビリティ開示・保証業務において、実務ノウハウを反映したAIエージェントの活用に取り組んでいると明らかにしました。
KPMGジャパンがAIエージェント活用に取り組む背景
サステナビリティ関連財務情報の保証業務では、OCRによる文字認識や項目抽出、異常値検知など、デジタル技術の活用が進められてきました。一方で数値や記載内容の背景、変動理由を確認する実態調査では、専門的な判断が求められる状況です。
従来の実態調査では、専門家個人の経験や判断に依存する場面もあり、業務負荷や品質の均質化が課題となっていました。そのため、判断プロセスやノウハウを組織として蓄積・共有する体制の構築が求められています。
KPMGジャパンのAIエージェントが担う主な機能
KPMGジャパンが活用するAIエージェントは、サステナビリティ関連情報における数値変動について、背景や理由を確認する質問作成や関連資料の確認を支援する仕組みです。主な機能は次の2点です。
- リスク検知結果を踏まえた質問作成
- 入手した関連資料と回答の妥当性評価
質問作成では、外部情報と内部情報を組み合わせながら、調査マニュアルに基づくチェックポイントを反映します。また、回答の妥当性評価では、保証実務上の経験に基づく判断基準を用いた一次評価を行い、保証人による最終判断を支援する構成です。
KPMGジャパンが示したAIエージェント導入効果
今回の取り組みは、企業と保証人の双方に対し、サステナビリティ関連情報の信頼性を確保しながら、業務の高度化と効率化を図る狙いがあります。主な効果として、次の3点を挙げています。
- サステナビリティ関連財務情報開示の早期化
- 安定した保証品質の確保への寄与
- 内部情報・外部情報を踏まえたリスクの早期把握
企業側では、開示上の論点やリスクを早期に把握し、検討時間を確保しやすくなる点が特徴です。一方で保証人側では、実態調査における作業負荷を軽減し、重要な判断業務へ注力しやすくなるとしています。
KPMGジャパンのAIエージェント活用概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | KPMGジャパン |
| 対象名称 | AIエージェント |
| 主な機能 | 質問作成 回答の妥当性評価 |
| 対象業務 | サステナビリティ開示・保証業務 |
| 導入目的 | 開示情報の信頼性向上 業務の高度化 業務の効率化 |
| 背景要因 | SSBJ基準に基づくサステナビリティ開示の段階的義務化 第三者保証の制度化予定 |
| 今後の方針 | 持続的成長と中長期的な企業価値向上への貢献 |
trends編集部の一言
サステナビリティ情報の開示と第三者保証を巡る制度対応は、上場企業を中心に実務負荷が増している領域だと感じます。特に、開示内容の整合性確認や変動理由の説明では、担当者ごとの知見に依存しやすく、業務の属人化が課題になりやすいのではないでしょうか。
今回の取り組みでは、過去の保証実務で蓄積したエラー事例やリスクシナリオをAIエージェントへ反映している点が興味深いと受け止めています。実務ノウハウを組織的に共有できれば、保証品質の安定化や確認作業の効率化につながる可能性があり、今後の運用動向にも注目が集まりそうです。
References
- ^ PR TIMES. 「KPMGジャパン、制度化を見据えAIエージェントの活用によりサステナビリティ開示・保証を高度化 | KPMGジャパンのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000103.000141127.html, (参照 26-05-11).
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