Google CloudがData Agent Kitを紹介

Google CloudがData Agent Kitを紹介、IDE拡張機能でBigQueryのパイプライン構築が可能

公開:
CodeCampが提供するDX人材育成が可能なプログラミングやITが学べる公開講座

Google CloudのData Agent Kitは、データ開発者がIDEからデータワークフローを実行するための、MCPサーバーとエージェントスキルのセットです。コーディングエージェント用のプラグインか、Visual Studio CodeベースのIDE用の拡張機能を通じて、Google Cloudのデータを扱えます。[1][2]

この記事では、Data Agent Kitでできることと、Antigravity IDE内で不正取引の調査候補を作る例を取り上げます。対応するエージェントやGoogle Cloudサービス、利用前の制限事項も対象です。

目次
  1. Data Agent Kitでできること
  2. Data Agent Kitの使い方
  3. Data Agent Kitの利用条件
  4. Data Agent Kitの提供形態の選び方

Data Agent Kitでできること

Data Agent Kitは、データ作業の流れに2つの要素を加え、その1つはエージェントへの支援です。MCPツールはエージェントをデータサービスにつなぎ、Markdownファイルのスキルはデータスタックを扱うための指示とベストプラクティスを与えます。[1]

Data Agent Kitが加える支援とツール

図1 Data Agent Kitが加える支援とツール

エディタ内で扱える範囲

IDE内のツールでは、GoogleのAgentic Data Cloudをエディタから離れずに扱えます。対象は、データベースへのクエリからAirflowパイプラインのデプロイまでです。

IDE拡張機能の中核機能

Data Agent KitのIDE拡張機能は、複数の機能領域でデータワークフローを効率化します。中核の機能は、以下の通りです。[2]

データの検出と探索:PythonとSQLでのクエリや自然言語での質問/パイプライン:Managed Service for Apache SparkかBigQueryで構築やテスト、デプロイ/AIとML:データの探索とクリーンアップ、MLモデルの学習とデプロイ/スキルとツール:組み込みのAIスキルとツールで反復作業を自動化

BigQueryやDataflow、Spanner、Cloud Storageなどは、1つのIDEかコーディングエージェントの中で操作できます。データアプリやワークロードの開発とデプロイには、組み込みのベストプラクティスを使えます。

Data Agent Kitの使い方

Data Agent Kitは、IDE拡張機能かコーディングエージェント用プラグインを入れて使います。不正取引の調査候補を作る例では、Antigravity IDE内のData Agent Kitを使い、取引ログの取り込みから日次実行の設定までをエージェントと構築できます。[1][2]

不正取引の調査候補を作るワークフロー

図2 不正取引の調査候補を作るワークフロー

取り込みのPySparkノートブック

取り込みでは、Google Cloud StorageのJSON取引ログをBigQueryへ読み込むノートブックを、エージェントに作らせます。指示の文は、次の通りです。

Create a PySpark notebook to ingest JSON transaction logs from gs://financials-clearing-raw/ into the BigQuery table transactions.raw_transactions.

公式資料からの抜粋:Agentic data science with the Data Agent Kit(Loading the data)。対象版・範囲:Google Cloudブログ記事の記載(提供状態の記載なし)。

上記のコードでは、JSON取引ログを取り込むPySparkノートブックの作成を指示しています。生成されたJupyterノートブックは、コードを確かめたうえで、IDEから事前設定済みのSpark Serverlessランタイムで実行できます。

取り込みノートブックの作成から確認まで

図3 取り込みノートブックの作成から確認まで

この例では、ノートブックの実行後にraw_transactionsテーブルを開けるのが特徴です。拡張機能では、このBigQueryテーブルをIDEから直接閲覧し、メタデータを確かめられます。


Python研修一覧はこちら

目的に合うPython研修を一覧形式から探したい方は、ぜひご利用ください。

Python研修を比較する

Java研修一覧はこちら

目的に合うJava研修を一覧形式から探したい方は、ぜひご利用ください。

Java研修を比較する

PHP研修一覧はこちら

目的に合うPHP研修を一覧形式から探したい方は、ぜひご利用ください。

PHP研修を比較する

新入社員研修

目的に合う新入社員研修を一覧形式から探したい方は、ぜひご利用ください。

新入社員研修を比較する

全ての研修からも探したい方はこちら

dbtプロジェクトでの整形

取り込んだ記録はBigQueryにありますが、まだモデル学習に使える状態ではありません。この例では重複や不完全な記録を処理してから、残った記録を送金者と受取人の情報と結合します。

この整形は新しいバッチごとに実行できるようdbtプロジェクトにまとめ、各取引が1回だけ現れるかもテストします。指示の文は、次の通りです。

Create a dbt project in dbt_project/ for the BigQuery dataset transactions.

Deduplicate raw_transactions by transaction_id in staging. Separate records with null IDs into invalid_transactions. Join valid records with dim_payers and dim_payees to create enriched_transactions, preserving the is_fraud label. Add a transaction uniqueness test.

公式資料からの抜粋:Agentic data science with the Data Agent Kit(Cleaning it up)。対象版・範囲:Google Cloudブログ記事の記載(提供状態の記載なし)。

上記のコードでは、BigQueryのtransactionsデータセット用dbtプロジェクトを作らせます。重複除去やIDがnullの記録のinvalid_transactionsへの分離、結合、一意性テストも含みます。

例のdbt buildがBigQueryに作るテーブル

図4 例のdbt buildがBigQueryに作るテーブル

この例では、生成されたSQLモデルで重複と参照テーブルの結合の扱いを確かめ、統合ターミナルでdbtモデルを検証する流れです。dbt buildでは、ステージングと拡充済み、取引IDが欠けた記録用の3テーブルがBigQueryに作られ、一意性テストも実行されます。

学習用のPySparkノートブック

この例では、RandomForestClassifierを学習するPySparkノートブックの作成を指示します。対象はtransactions.enriched_transactionsで、ラベルが非nullの記録だけで学習してis_fraudを予測する内容です。

例の学習用ノートブックへの指示

図5 例の学習用ノートブックへの指示

前処理はカテゴリ特徴量のエンコードと金額のスケーリング、評価はROC AUCとし、モデルはgs://models/fraud_modelへ保存させます。ノートブックの確認と実行後は、評価出力で不正取引と正当な取引をモデルがどの程度分けられるかを見る流れです。

学習済みモデルの成果物がGoogle Cloud Storageに保存されたかは、Data Agent Kitの拡張機能で確認できます。推論の読み込み元は別のパスなので、例をなぞる場合はそこにモデルがあるかを確かめます。


Python基礎・実践(Django)

企業・法人向けのPython研修では、基礎から応用まで体系的に学べます。

Python研修の詳細

DX社員研修

企業・法人向けのDX研修では、実務に繋がるリスキリングでITレベルを向上させます。

DX研修の詳細

Javaエンジニア育成研修

企業・法人向けのJavaエンジニア育成研修では、Javaの基礎から応用まで確実に習得できます。

Java研修の詳細

新卒・新入社員向け研修

企業・法人に新入社員・新卒社員に向けたプログラミング研修を提供しています。

新入社員研修の詳細

コードキャンプのIT研修を全て見る

推論ノートブックでの採点

保存済みモデルで、is_fraudがnullの取引を採点するバッチ推論ノートブックも、エージェントに作らせます。読み込み元は、gs://my_models/fraud_modelとする指示です。

例の推論ノートブックへの指示

図6 例の推論ノートブックへの指示

対象テーブルはtransactions.enriched_transactionsです。この例ではBigQueryのラベルなし取引を採点し、不正の推定確率が50%以上の取引をSpannerのレビュー待ちテーブルへ送ります。

この例の書き込み先は、cymbal-fraudインスタンスのfraud-dbにあるSparkEvalFraudReviewQueueテーブルです。フラグ付きの取引は調査先を決める助けになりますが、不正かどうかは担当チームが判断する必要があります。

この例では、推論ノートブックの絞り込みと書き込みを確かめてから実行します。完了後はIDEでSpannerテーブルのフラグ付き取引をクエリし、結果を確かめる流れです。

例の推論ノートブックの実行と結果確認

図7 例の推論ノートブックの実行と結果確認

Airflowでの日次実行

例では毎日、最新ログの読み込みとdbtの変換、保存済みモデルによるラベルなし取引の採点を行います。各段階を順に動かすのは、Managed Service for Apache Airflowの役割です。

例のfraud_analysis_pipelineへの指示

図8 例のfraud_analysis_pipelineへの指示

この例では、エージェントがYAML形式のパイプライン定義とデプロイ構成を生成します。パイプライン定義はスケジュールとステップ間の依存関係を設定し、デプロイ構成は実行先のAirflow環境を指定する役割です。

fraud_analysis_pipelineでは、ノートブックにSpark Serverlessを使い、推論にSpanner connectorを含めるよう指示します。成果物の保存先はgs://YOUR_ARTIFACT_BUCKETとする指示です。

DAGの対話型グラフ

この例では、Antigravity IDE内のData Agent Kitがパイプライン定義をAirflow DAGに変換する流れです。DAGは同IDE内の対話型グラフで確認できます。

例のデータパイプラインの確認

図9 例のデータパイプラインの確認

Antigravity IDEの例では、「Orchestration Pipelines」でパイプラインを開き、タスクをクリックして中身を確かめられます。ノートブックのタスクからは、リンクで元のコードへの移動が可能です。

Run pipelineでの実行

Airflow環境の設定後に「Run pipeline」を押すと、Data Agent KitがノートブックとdbtプロジェクトをまとめてDAGをデプロイします。実行も始まり、実行履歴で進み具合や各タスクの状態、所要時間、ログを確かめられます。

Data Agent Kitの利用条件

Data Agent Kitは、Antigravity IDEやCursorといったVS Code派生のIDE向けに、拡張機能として利用できます。Antigravity 2.0やAntigravity CLI、Claude Code、Codexといったほかのツールでは、プラグインとして使えます。[1]

対応状況と制限事項は、以下の通りです。[2]

IDE拡張機能:VS CodeとVS Code互換のIDEに対応/プラグイン:Antigravity CLIやClaude Code、Codex CLI、Gemini CLIに対応/AlloyDB:IAMデータベース認証のみに対応/Cloud SQL:IAMと組み込みのデータベース認証の両方に対応/自動デプロイ:オーケストレーションパイプラインはGitHub Actionsのみ

AlloyDBのデータを扱う場合は、IAMデータベース認証を使える構成かを導入前に確認します。「Run pipeline」を押して始めるデプロイとは別に、オーケストレーションパイプラインを自動デプロイする場合は、GitHub Actionsを使えるかも確かめます。

Data Agent Kitの提供形態の選び方

VS CodeとVS Code互換のIDE用の拡張機能は、IDE内でデータアセットとデータワークロードの全体像を示すUIコンポーネントを備えます。プラグインは、サポート対象のコーディングエージェントで、自然言語の指示からGoogle Cloudのデータを操作します。[2]

IDE拡張機能とプラグインの違い

図10 IDE拡張機能とプラグインの違い

テーブルやパイプラインを画面で確かめながら進めたい場合は、IDE拡張機能が候補です。サポート対象のエージェントを使う場合は、プラグインも候補です。

出典

  1. ^ Google Cloud. 「Agentic data science with the Data Agent Kit」. https://cloud.google.com/blog/products/data-analytics/bringing-you-the-data-agent-kit, (参照 26-10-12).
  2. ^ Google Cloud. 「Data Agent Kit の概要」. https://docs.cloud.google.com/data-agent-kit/overview?utm_campaign=CDR_0xaea1deef_default_b563520811&utm_medium=external&utm_source=blog&hl=ja, (参照 26-10-14).

※本記事は公式の一次情報を基に編集しています。内容はAIで確認していますが、誤りや最新情報との差異がある場合は、以下フォームよりご報告ください。

修正・削除・掲載などの依頼はこちら
ブログに戻る

コメントを残す

コメントは公開前に承認される必要があることにご注意ください。

企業・法人向けのIT・プログラミング・生成AI研修を探す、比較する - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア CodeCampが提供するDX人材育成が可能なプログラミングやITが学べる公開講座 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプが提供する無料で学べるプログラミングスクール講座 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプDX人材育成研修 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 3.5日の研修で、年間1,600時間の削減効果が見込まれる。東京きらぼしフィナンシャルグループのDX人材育成事例 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 配属3ヶ月で30%の生産性向上を実現するいよぎんコンピュータサービスの新人研修に迫る - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 金融業界の業務効率化を加速するニッセイアセットマネジメントの生成AI×GAS活用研修事例 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア 【製造業のDX人材育成事例】デジタル人材の即戦力化を実現する、日本ガイシ株式会社の異動者向オンボーディング研修 - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア フューチャーアーキテクト株式会社が実現した新入社員向けIT研修プログラムでタスクフォース制度が主体的な学びと成長を生み出す - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプDX人材育成研修 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/【IT新入社員研修】オンラインとオフラインの最適バランスを実現したFutureOneの導入事例 - IT・プログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/【新入社員研修】柔軟なハイブリッド型Java研修で実現した新卒20名の成長と成果|サークレイス株式会社 - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/現場により近いところにデジタルを根付かせるDX基礎講座研修|株式会社ブリヂストン - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア コードキャンプIT・プログラミング研修事例/業務の効率化・DX推進に向けたIT人材育成への第一歩|株式会社カナエ - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア 企業・法人向けのIT・プログラミング研修 - ITやプログラミングを知って学べるコネクトメディア

What's New

新着記事

対象者別で探す

子供(小学生・中学生・高校生)向け
プログラミング教室検索する

子供(小学生・中学生・高校生)がロボットやプログラミング言語を学ぶことができるオフラインからオンラインスクールを検索、比較することが可能です。

子供(小学生・中学生・高校生)
プログラミング教室検索する

ITやプログラムなどの
最新情報を検索する

日々、新しいITやプログラミング言語の情報が流れていきますが、特定の情報を時系列でニュースやコラムを確認することができます。

ITやプログラムなどの
最新情報を検索する