リテールメディア各社が広告をDSPと統合プランへ接続、マーケティング担当者の出稿手段が増える
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リテールメディアの広告を検討するとき、小売アプリの在庫をDSPで買う方法と、テレビやデジタル広告を含む統合プランで予算を配る方法では、確かめる点が異なります。在庫の買い付けと計画の試算は別のサービスが担うため、目的に合う窓口を先に見分けておくと、社内での比較を進めやすくなるでしょう。
この記事では、リテールメディアの広告在庫をDSPで買い付ける仕組みに加え、統合プランのシミュレーターに加わった媒体やAIによる計画づくりの支援、出稿前の確認点まで詳しく解説します。リテールメディアへの出稿を検討しているマーケティング担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
この記事の要点
- この記事の材料:発表4件
- 発表主体:株式会社博報堂、株式会社fluct
- 出典の最終掲載:2026.10.05
SOURCESこの記事がまとめた発表

画像:株式会社博報堂の発表資料より(PR TIMES)
[1] AaaS、7社のリテールメディア提供企業と大規模連携認知領域から購買領域までを横断した統 合メディアプラニングに対応
株式会社博報堂 / 掲載 2026.10.02
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画像:株式会社博報堂の発表資料より(PR TIMES)
[2] ファミマTV、博報堂「Tele-Digi AaaS Simulator」とデータ連携を開始
株式会社博報堂 / 掲載 2026.10.02
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画像:株式会社博報堂の発表資料より(PR TIMES)
[4] AaaS、オーケストレーションAIによりメディアプラニングを高度化 次世代型メディアプラニング支援ソリューション「AaaS AI Planner」を実装
株式会社博報堂 / 掲載 2026.10.05
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目次
リテールメディアの広告在庫をDSPで買う連携
fluctとDearOneは、アドプラットフォーム「fluctリテールアドマネージャー」と、リテール公式アプリアドネットワーク「ARUTANA」のシステム連携を始めました。広告主側の買い付け方と小売企業側の広告枠の売り方の両方に関わる連携のため、以下の2つの観点から整理します。
- 広告主が使うDSP経由の買い付け
- 小売企業が選ぶハイブリッド運用
広告主には買い付けの入口が加わり、小売企業には自社販売と横断配信を組み合わせる運用が加わります。
広告主が使うDSP経由の買い付け
連携により、fluctが接続する多様なDSPから、ARUTANAが束ねる50以上のリテール公式アプリ群の広告在庫を買い付けて配信できる仕組みです。両社は、これまで個別対応が必要だった在庫に、既存の運用環境のDSPからワンストップで出稿できると説明しています。[3]
ARUTANAは小売企業の公式アプリをアドネットワーク化したサービスで、DearOneは配信先アプリのMAU(月間アクティブユーザー数)が5,000万人以上だとしています。DSP経由の買い付けとARUTANAへの直接出稿の違いは、以下の通りです。
| 項目 | DSP経由の買い付け | ARUTANAへの出稿 |
|---|---|---|
| 出稿の入口 | fluct接続済みのDSP | ARUTANA |
| 配信先 | ARUTANAのネットワーク在庫 | 複数のリテール公式アプリ |
| 広告主の運用 | 既存の運用環境のDSPを使う | ARUTANAへ出稿して一斉配信 |
すでにDSPで配信を運用している広告主・代理店は、使っているDSPがfluctと接続済みかどうかを最初に確かめる必要があります。ただし、発表時点では、両社は既存の導入アプリに対するSDKのアップデートを今後進めるとしています。
小売企業が選ぶハイブリッド運用
ARUTANAを導入している小売企業は、アプリ内のSDKを更新すると、自社広告枠の単独販売・運用とARUTANAによる横断配信を両立できる設計です。ARUTANAのSDKにfluctの機能を内包する形で、自社で広告を販売しながら、空き枠を横断配信や外部DSPで自動的に埋める運用を想定しています。[3]
背景として両社は、国内のリテールメディア市場が、複数の小売企業を横断するネットワーク型と、自前で広告運用を完結させる独自完結型に分かれつつあると説明しました。また、自社単独で運用型広告を販売できる企業は一部に限られ、広告枠の消化率(フィルレート)の確保やシステム運用の煩雑さが課題だとしています。
両社は、横断ネットワークに参加しながら自社独自の広告枠販売や価格調整を行いたいという小売企業の要望も高まっているとしています。両社の受け持ちは、以下の通りです。
- fluct:SSP・アドサーバー機能の提供
- DearOne:ARUTANAの提供とSDK展開
- DearOne:案件獲得と配信による収益還元
fluctのSSP・アドサーバー機能は、小売企業が自社で広告枠を販売・運用するためのものです。広告主から見ると、DSPで買える在庫には、小売企業が自社販売で埋めきれなかった空き枠も含まれうる設計です。
リテールメディアを統合プランに加えるシミュレーター
博報堂と博報堂テクノロジーズは、メディアプラニングソリューション「Tele-Digi AaaS Simulator」のシミュレーション対象媒体に、リテールメディアを追加しました。テレビ広告やデジタル広告、コネクテッドTV広告、屋外・交通広告(ODM)に加え、複数企業のリテールメディアを横断してリーチ効率や最適予算配分を試算できるとしています。
- シミュレーターに加わった7社の媒体
- シミュレーターに加わったファミマTVのデータ
対象媒体の顔ぶれと、媒体側が出すデータの中身を分けて見ておくと、試算の前提をつかみやすくなります。
シミュレーターに加わった7社の媒体
Tele-Digi AaaS Simulatorは博報堂が提唱する「AaaS」のソリューションで、各広告主の出稿実績データをもとに、AIで広告主ごとのシミュレーションモデルを作る仕組みです。出稿量に対する広告効果を予測でき、KPI最大化に向けてメディアごとの最適な予算配分も試算できます。[1]
新たに対象媒体となったリテールメディアは、以下の通りです。
| 提供企業 | 対象のリテールメディア |
|---|---|
| イオンリテール | イオンチャンネルAD、イオンチャンネル® |
| ウエルシア薬局 | ウエルシア薬局サイネージ |
| ゲート・ワン | ファミマTV |
| セブン‐イレブン・ジャパン | 店舗のデジタルサイネージ広告 |
| ツルハホールディングス | ツルハグループサイネージ広告ほか |
| DearOne | ARUTANA(アルタナ) |
| PPIH | ドンドンTV |
対象には店頭のデジタルサイネージに加えて、小売公式アプリの広告網であるARUTANAも含まれています。ARUTANAはDSP経由で在庫を買い付けられる広告網でもあり、計画の試算と在庫の買い付けの両方で名前が挙がる媒体です。
博報堂などは、各社のメディアデータを個人情報に配慮した形で集約・分析し、特定の小売りチャネルに偏らずに購買行動を捉える独自のシミュレーションロジックを開発したと説明しました。
シミュレーターに加わったファミマTVのデータ
ファミマTVを運営するゲート・ワンは、博報堂などとの連携により、Tele-Digi AaaS SimulatorにファミマTVのデータが搭載されたと発表しました。ゲート・ワンは背景として、購買地点に近いリテールメディアと上流のテレビ・デジタル広告を横断する統合メディアプランニングの需要が拡大していると述べています。[2]
ファミマTVは、全国47都道府県のファミリーマート店舗網を活かしたデジタルサイネージメディアで、ゲート・ワンは1日1,500万人以上が訪れるとしています。
ゲート・ワンが示すファミマTVの媒体の特徴は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 設置場所 | ファミリーマート店舗内(一部地域除く) |
| 番組の編成 | 地域や時間帯に合わせて編成 |
| 効果の可視化 | 視認率の計測や購買データの活用 |
| 外部との連携 | データ・ワンの購買データ広告と連携 |
| 運営会社 | ファミリーマート100%出資のゲート・ワン |
来店者数はゲート・ワンが示す媒体の規模であり、広告の到達数や効果を示す数字ではない点に注意が必要です。
リテールメディア計画で見るAIプラナーの範囲
博報堂と博報堂テクノロジーズは、チャットから自然言語でAIに指示すると、メディアプラニングやシミュレーション、提案スライドの生成までを一貫して支援する「AaaS AI Planner」を開発しました。発表時点では博報堂社内向けの本格提供で、広告主には、AaaS AI Plannerを使って立案したメディアプラニングを提案する形です。[4]
AaaS AI Plannerでは、司令塔となるオーケストレーションAIが指示を整理し、複数のAI Agent(自律的に分析や実行を行うAI)へタスクを振り分けて結果を統合します。ただし、AIによる完全自動化には頼らず、複雑な判断を要する局面では博報堂DYグループの専門スタッフの判断を仰ぐ設計です。
AaaS AI Plannerのそのほかの特徴は、以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 博報堂DYドメイン知能 | プラニングのノウハウを構造化 |
| Skill | ドメイン知能を本体から独立して管理 |
| 特許 | チャット指示起点の計画作成技術 |
| 試験的な取り組み | 共創型の運用や広告主特化型AI Agent |
博報堂などはAaaS AI Plannerについて、各種AaaSソリューションを横断して計画を支援すると説明していますが、扱う媒体の内訳までは示していません。そのため、リテールメディアを含む提案を受けるときは、どの試算に基づくプランなのかを確かめると比較しやすくなります。
リテールメディアの出稿手段を選ぶ判断軸
リテールメディアへの出稿は、在庫の買い付けと、媒体を組み合わせた計画の試算に分けて考えると整理しやすくなります。DSP経由の買い付けは小売アプリの在庫に届く手段で、Tele-Digi AaaS Simulatorはテレビやデジタル広告を含めて予算配分を試算する手段です。[3][1]
出稿を検討するときの確認点は、以下の通りです。
| 確認点 | 確かめること | 関係する仕組み |
|---|---|---|
| 買い付けの入口 | 使うDSPがfluct接続済みか | fluct×ARUTANA |
| アプリ側の対応 | 導入アプリのSDK更新の状況 | ARUTANA |
| 試算の対象媒体 | 7社のリテールメディアの範囲 | Tele-Digi AaaS Simulator |
| 提案の根拠 | どの試算に基づくプランか | AaaS AI Planner |
| 媒体の数字 | 来店者数と到達数の区別 | ファミマTVなど |
在庫の買い付けと計画の試算は別々のサービスが担っているため、社内で出稿の目的を先に言葉にしておくと、相談先を選びやすくなります。たとえば、購買に近い小売アプリの接点を増やしたい場合と、テレビやデジタル広告を含めて予算配分を見直したい場合では、最初に見る確認点が変わります。
References
- ^ PR TIMES. 「AaaS、7社のリテールメディア提供企業と大規模連携認知領域から購買領域までを横断した統 合メディアプラニングに対応」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001229.000008062.html, (参照 26-10-08).
- ^ PR TIMES. 「ファミマTV、博報堂「Tele-Digi AaaS Simulator」とデータ連携を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000116.000097469.html, (参照 26-10-08).
- ^ PR TIMES. 「fluctとDearOneがリテールメディア領域でシステム連携を開始」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000163698.html, (参照 26-10-08).
- ^ PR TIMES. 「AaaS、オーケストレーションAIによりメディアプラニングを高度化 次世代型メディアプラニング支援ソリューション「AaaS AI Planner」を実装」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001234.000008062.html, (参照 26-10-08).










