2005年にスタートした1年間の教育プログラム「バッカーズ寺子屋」。今回は、コードキャンプ株式会社とフューチャー株式会社がタッグを組み、子どもたち(小4~中2の18名)を対象にAI(人工知能)を活用したプログラミング体験ワークショップを行いました。
当日は、代表取締役を務める経営者の方々からのお話と、実際に子どもたちがScratch(スクラッチ)やStretch3(ストレッチスリー)を使ってAIプログラミングにチャレンジする充実した内容となりました。本レポートでは、1日の流れと子どもたちの様子、経営者の熱いメッセージ、そしてアンケートに寄せられた声を紹介します。
イベント概要

主催 | バッカーズ・ファンデーション |
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対象 | 小学4年生~中学2年生(計18名) |
場所 | フューチャー株式会社 イベントスペース |
プログラム | 企業訪問+経営者からの講話+AIプログラミング体験ワークショップ |
今回の「バッカーズ寺子屋」は、単なる会社見学にとどまらず、「ITを使って未来を創る」というテーマを掲げて、AI開発の入り口を体験してもらうことを目的としました。
実際に子どもたちはScratchとStretch3を組み合わせて、「画像認識じゃんけんゲーム」を制作。さらにワークショップを通じて画像認識の活用事例を学びながら、未来の活用方法についても自由に想像を広げました。
当日のタイムテーブル
10:10-10:15 | オープニング |
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10:15-10:25 | コードキャンプ株式会社代表取締役 川西 里佳のお話 |
10:25-11:55 | AIプログラミング体験ワークショップ
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11:55-12:00 | アンケート記入 |
12:00-12:30 | フューチャー株式会社代表取締役会長兼社長 グループCEO 金丸 恭文のお話 |
12:30-13:30 | ランチ |
各プログラムの詳細
コードキャンプ株式会社 代表取締役 川西 里佳のお話
オープニング後、コードキャンプ株式会社 代表取締役の川西 里佳が登壇し、子どもたちに問いかける形でお話ししました。
フューチャーが創業当時から掲げている「経営とITをデザインする」というコンセプトのもと、企業の経営・業務・ITを一体的に考え、さらに「人と社会の成長を加速させる」というビジョンを掲げて事業を推進していることを紹介。続けて、変革を起こすために重要な4つの要素として、
- 構想力(社会課題や自社課題を把握し、解決策を描く力)
- リーダーシップ(周囲を巻き込み、進行を管理し、やり遂げる力)
- システム実装力(必要な機能を形にできる技術力)
- デジタル知識(活用可能な技術の特徴を理解し、使いこなす力)
を挙げ、それぞれが互いに連動することでイノベーションを生み出すと力説しました。
「今日のワークショップでは、ITの可能性をぜひ体験し、未来を創る一歩を踏み出してほしい」
というメッセージとともに、いよいよ体験プログラムがスタート。子どもたちが好奇心いっぱいの表情で次のセッションへと進んでいく様子が印象的でした。
AIプログラミング体験ワークショップ

AIプログラミング体験の流れ
CodeCampKIDSの教務責任者 鈴木 朱美の自己紹介とScratchの簡単な説明を経て、ワークショップが始まりました。今回使用するツールは、次の2つ。
- Scratch(スクラッチ):ブロックを組み合わせるビジュアルプログラミングツール
- Stretch3(ストレッチスリー):機械学習(画像認識)機能を備えた拡張版がScratch
「今回のゴールは、画像認識機能を使ったじゃんけんゲームを作ること」と明かされると、子どもたちはワクワクしながら取り組み始めました。
Scratchの基本操作

まずはScratchの基本操作からスタート。
- Scratch画面の紹介
- プログラムの作り方
- プログラムの実行方法

プログラミング経験がある子も多く、中にはPythonを触ったことがある子も! 初めての子もサポートを受けながらスムーズに操作を覚えました。
画像認識じゃんけんゲームの制作
次に、Stretch3で機械学習を体験しながら、画像認識じゃんけんゲームを制作しました。
1.機械学習の準備
- グー・チョキ・パーをそれぞれ10枚ずつ撮影し、学習データとして登録。
- 「背景が邪魔になって学習の精度が落ちる」「同じ角度ばかりだと学習パターンが偏る」など、分類モデルの作成方法について学習。
2.画像認識に挑戦
- 学習が上手くいかない場合は学習データを削除して、学習をやり直し。
- 何度もやり直して試行錯誤する中で、機械学習の難しさと面白さを体感。
3.じゃんけんゲームの制作
- 画像認識で「グー・チョキ・パー」を判定し、Scratchキャットの手(グー・チョキ・パー)と勝敗を判定するif文を設定。
- グループの友だちに相談し、互いにアドバイスをしながら完成度をアップ。
子どもたちは「どうしたら勝敗判定が正しく機能するのか」「学習データが足りないのかも」といった問題に直面しながらも、最後まで根気強くチャレンジしていました。
機械学習と画像認識のまとめ
じゃんけんゲームが完成すると、実際に遊んでみたり、デバッグしたりして最終チェック。
中には学習が上手くいかずに苦戦する子もいましたが、何度も調整を重ね、「認識率が高くなった!」と歓声があがる場面も。仲間と協力しながら最後までやり遂げる姿が印象的でした。
画像認識の活用事例、そして未来を想像しよう
最後は、スライドでAIと機械学習の基本をおさらいしました。
- AIは、推論や問題解決など人間と似たタスクが可能である
- 機械学習は、コンピュータを使って人間が得る「経験」の代わりにデータを使って「学習」する技術で、画像認識、文字認識、音声認識、自動翻訳、検索エンジン、迷惑メールの振り分けなどの様々な分野で使われている
その後、画像認識が世の中でどのように活用されているかを調査し、未来の活用方法としてどんなものが考えられるかをグループでディスカッションしました。
インターネットで既存の活用例を調べたり、ChatGPTに聞いてみたりと、子どもたちは発想を広げながらグループごとに活用アイデアをまとめました。
Aグループ | 冷蔵庫の中身をリアルタイムでチェックできる/ホテルの顔認証システム |
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Bグループ | 感情移入できるAI(慰めてくれるなど) |
Cグループ | 防犯カメラや感情認識 |
Dグループ | 画像検索で人物の詳細がわかる/嘘発見をAIが解析 |
Eグループ | 障害を持つ方のサポート(目線だけで操作 など) |
各グループ1分ほどの最終発表では、「AIが感情を理解してサポートする未来」「目線で操作できる技術」など、多様でユニークなアイデアが多数飛び出しました。
アンケート記入
ワークショップ終了後は、子どもたちに簡単なアンケートを実施。下記のような声が多く寄せられました。
今回のワークショップが楽しみだった理由
- 「プログラミングを前からやっていたので、また挑戦できると知って楽しみだった」
- 「AIについて深掘りできると思ったから」
- 「プログラミングはあまりやったことがなかったので楽しみでした」
- 「今の時代に必要不可欠なAIについて学べる機会だと思ったから」
今回のワークショップが面白かった理由
- 「上手くいかないところを乗り越えて完成できた時がとても面白かった」
- 「普段あまり話さない人と協力しながら作業できた」
- 「画像認識に興味があったし、実際にじゃんけんゲームに組み込めることが驚きだった」
- 「チームで助け合いながら作ったから楽しかった」
今後学習したい内容
- センサーやロボットプログラミング(6名)
- Scratchなどビジュアルプログラミング(5名)
- Webサイト制作(2名)
- AIやデータ分析(5名)
- ゲームやアプリ開発(12名)
- デザインやグラフィック(6名)
- ビジネスコンテストなどを目指したアプリ開発(1名)
- その他(アニメーション)(1名)
その他感想
- 「説明が丁寧でわかりやすかった」
- 「久しぶりのプログラミングだったけど、やっぱり楽しかった」
- 「学校で習うプログラミングとは違い、視野が広がった」
- 「初めてのスクラッチだったが、分かりやすくてまたやりたい」
- 「スタッフの方が優しくサポートしてくれて安心できた」
こうした声からも、プログラミングやAIに関心を持つ子が多いこと、また実際に体験してみたことで学びのモチベーションが上がったことがうかがえます。
フューチャー株式会社代表取締役会長兼社長 グループCEO 金丸 恭文のお話
最後に登壇したフューチャー株式会社代表取締役会長兼社長 グループCEO 金丸 恭文のお話は、まず35歳でフューチャー株式会社を創業した背景から始まりました。起業当時の想いや同社が手がける幅広い事業について紹介したあと、今後の日本を支えていくのは“若い世代”だということを強調。
子どもたちに「『自分たちが将来の主役になる』という意識を持ってほしい」と語りかけるとともに、「ビジネスは楽しく」「顧客へ成功を提供し、豊かにする」「常に新しい発想を生み出す集団を目指す」といった原理原則を話し、企業が抱える課題を正しく把握した上で、テクノロジーを駆使して根本からビジネスを変革する重要性をわかりやすく伝えました。
会場の子どもたちは真剣な表情で耳を傾け、投げかけられる問いにも素直な意見を返すなど、互いに学び合う空気が生まれていたのが印象的でした。

続いて、世界に目を向けると、1989年には世界時価総額ランキングのトップ20のうち14社を日本企業が占めていたのに対し、2024年ではトップ50にほとんど入っていないというデータを提示。
「なぜ日本企業は衰退したのか?」という問いから、GoogleやApple、Meta、Amazonなどの創業期に言及し、世界をリードする多くの企業の創業者が20代という若さで起業し、大胆な挑戦を続けてきたことを紹介しました。
国内外の身近な企業の事例(ニトリ、ユニクロ、楽天、メルカリ、Microsoft、Amazon、Tesla、NVIDIAなど)を挙げながら「若い時代ならではの行動力やテクノロジーの活用がイノベーションを生む」と強調し、アントレプレナーシップ(起業家精神)の大切さを説きました。

さらに、「本来、能力の高い人が挑戦すれば成功率は高まるかもしれないが、大成功を収めるのは1000人に3人ほどの割合である。大切なのは残り997人の挑戦を社会全体で讃える環境だ」とし、若いときほどリスクを取りやすいこと、小さな挑戦の積み重ねこそが大きな成功につながると訴えました。
そして「自分が好きで得意なものを大切にすること」「強い信念と健康な臆病さを併せ持ちながら進むこと」「マイノリティを恐れないこと」などを挙げて、生活リズムやメンタル面を整え、自分の信じる道を貫く大切さを語りました。
これらの言葉は子どもたちだけでなく、大人たちの心にも深く響き、「私たちも足を止めずに挑戦を続けなければ」という思いを抱かせました。

講演の最後には、マクドナルドを世界的企業に押し上げたレイ・クロックの言葉「粘り強さと強い意志こそ成功のカギ」を引用し、才能や学歴よりも“最後まで諦めずに続ける力”の重要性を力説。
「何度失敗しても、自分が描いた未来に向かって進み続けてほしい」という熱いエールに、会場全体が静かな感動に包まれました。
まさに、若い世代の未来を後押ししながら、大人にも行動を促すメッセージが凝縮された講演だったといえます。
ランチ
最後は、フューチャー株式会社の金丸やコードキャンプ株式会社の川西、講師やスタッフが子どもたちと一緒にランチを楽しむ交流タイム。
「今日のワークショップどうだった?」「普段はどんなことに興味があるの?」といった話題で盛り上がり、それぞれの夢や将来やりたいことを熱心に語る子どもたちの姿が印象的でした。
まとめ
今回の「バッカーズ寺子屋」では、「AIプログラミングの実践を通して未来のイメージを広げる」というテーマを軸に、多くの子どもたちが試行錯誤を楽しみながら成長する姿が見られました。
アンケートからも、プログラミングの難しさを体感しつつ面白さを再認識し、「もっといろいろ学びたい」「本格的に取り組みたい」という声が多数あがったことがわかります。
経営者からのメッセージや社会の現状を知り、さらに子どもたちが自分なりの未来のビジョンを持ち始める様子は、まさに「バッカーズ寺子屋」ならではの学びの醍醐味と言えるでしょう。
最後まで積極的に質問し、仲間と一緒に学びを楽しむ子どもたちの姿は、未来への期待そのもの。バッカーズ寺子屋が、次世代を担う若者にとって“将来の選択肢の幅”を広げる貴重な経験になったのではないでしょうか。
CodeCampKIDSの私たちもこれからも彼らの生き生きとした笑顔と挑戦が見られるよう、引き続きサポートしていきたいと思います。
バッカーズについて

バッカーズ寺子屋は、次世代を担う子どもたちに「考える力」や「志の大切さ」を伝えることを目的とした教育プログラムです。
バッカーズ寺子屋 では、少人数制の学びを通じて、リーダーシップやプレゼンテーション能力の育成を重視し、経営者や各分野のプロフェッショナルから学ぶ機会を提供。企業訪問や合宿、講演などを通じて、実社会の視点を持ちながら成長できる場を作っています。
事業名 | バッカーズ寺子屋 |
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塾長 | バッカーズ寺子屋塾長 木村貴志 |
所在地 | 東京都港区西新橋3-11-1 建装ビル7F 建装工業株式会社内 |
URL | https://backers-terakoya.net/ |
フューチャー株式会社について

フューチャー株式会社は、1989年に設立されたITコンサルティングファームです。グループ会社のフューチャーアーキテクト株式会社を中心に、お客様のIT戦略パートナーとして最新のテクノロジーを駆使して戦略的なシステムを構築し、ビジネス変革を実現するとともにお客様の未来価値の最大化を図っています。またグループで長年培ってきた知見とノウハウをマーケティングやスポーツ、教育等の分野で実践し、新たな事業を展開することで、社会の発展に貢献しています。
会社名 | フューチャー株式会社 |
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代表者 | 代表取締役会長兼社長 グループCEO 金丸 恭文 |
設立 | 1989年 |
資本金 | 40億円 |
所在地 | 東京都品川区大崎1-2-2 アートヴィレッジ大崎 セントラルタワー |
URL | https://www.future.co.jp/ |
提供サービスURL |
【フューチーアコンサルティング】 経営課題解決型ITコンサルティング 【インターネットメディア事業】 デジタルソリューションサービス 【流通業向け事業】 流通・小売業向けITサービス |
コードキャンプ株式会社について

「ITの力で、社会を変革する未来のプロフェッショナルを育てる」ためのIT/プログラミング教育サービス「CodeCamp」を運営しています。2013年に日本初となるオンライン・マンツーマンでのプログラミング教育事業を開始し、ITエンジニアの育成プログラムやWebデザイン教育、法人・自治体向けのプログラミング/DX研修事業、子ども向けのプログラミング教育事業などを展開しています。
会社名 | コードキャンプ株式会社 |
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代表者 | 代表取締役 川西 里佳 |
設立 | 2012年12月21日 |
資本金 | 1億円 |
所在地 | 東京都品川区大崎2-1-1 ThinkPark Tower 9F |
URL | https://codecamp.jp/ |
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