256QAMとは
256QAMとはデジタル変調方式の一つで、1つのシンボルに8ビットの情報を割り当てることができる技術です。QAMはQuadrature Amplitude Modulationの略称で、日本語では直交振幅変調と呼ばれています。
この変調方式では、搬送波の振幅と位相を同時に変化させることで、256通りの異なる信号状態を表現できます。無線LANやケーブルテレビ、モバイル通信など、高速データ伝送が求められる分野で広く採用されている方式となっています。
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256QAMの信号配置と構成原理
256QAMでは、I軸とQ軸の2次元平面上に256個の信号点を格子状に配置し、それぞれに8ビットの情報を対応させます。各軸方向に16段階の振幅レベルを設定することで、16×16=256通りの組み合わせを実現する仕組みです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ビット数 | 8ビット/シンボル |
| 信号点数 | 256点 |
| 振幅レベル | 各軸16段階 |
| 配置方式 | I/Q平面上の格子配置 |
信号点間の距離が近くなるため、ノイズの影響を受けやすく、高い信号対雑音比が必要となる特性を持っています。そのため、受信側では高精度な復調回路と誤り訂正技術を組み合わせることで、データの正確な復元を実現しています。
Wi-Fi規格における256QAMの実装
IEEE 802.11acでは、256QAMを採用することで最大867Mbpsの通信速度を実現し、従来の64QAMと比較して約33%の速度向上を達成しました。802.11ax規格ではさらに発展し、1024QAMまでサポートすることで、より高速な無線通信環境を提供しています。
| Wi-Fi規格 | 対応変調方式 | 理論速度 |
|---|---|---|
| 802.11n | 最大64QAM | 600Mbps |
| 802.11ac | 最大256QAM | 6.9Gbps |
| 802.11ax | 最大1024QAM | 9.6Gbps |
実際の運用では電波環境や受信感度に応じて、BPSK、QPSK、16QAM、64QAM、256QAMの中から最適な変調方式を動的に選択します。受信側の信号品質が良好な場合に256QAMへ切り替えることで、限られた周波数帯域を効率的に活用したデータ伝送が可能です。
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