AI時代こそ基礎力が武器になる。生成AI時代のプログラミング教育をコードキャンプ教務部長が語る

AI時代こそ基礎力が武器になる。生成AI時代のプログラミング教育をコードキャンプ教務部長が語る

公開: 更新:
CodeCampが提供するDX人材育成が可能なプログラミングやITが学べる公開講座

生成AIの普及が進み、企業のDX推進や人材育成のあり方が大きく変わりつつある今、「プログラミング教育はどうあるべきか」という問いへの関心が高まっています。

コードキャンプでは教務事業部 事業部長として研修設計・教材開発を統括する三輪氏が、その答えを日々模索し続けています。今回は三輪氏にコードキャンプの研修の考え方や生成AI時代における学びの本質についてお話を伺いました。

スピーカー

三輪 佳祐 コードキャンプ株式会社 教務事業部  事業部長
三輪 佳祐
コードキャンプ株式会社
教務事業部 事業部長

教務部の役割と研修設計の考え方

ーまず、三輪さんの現在の役割と教務部の体制について教えてください。

コードキャンプ株式会社 教務事業部 事業部長 三輪佳祐 氏 (以下、三輪): 教務部では研修の企画・設計から教材開発、クライアントへの提案まで一貫して担当しています。一般的な「教材制作部門」というよりも、お客様の課題を起点に何が必要かを考え、それを研修として形にしていく、商品設計に近い動き方です。

商談に同席してお客様と直接対話することもありますし、潜在的な課題を引き出した上で最適な研修を提案する、コンサルティング的な役割も担っています。

ーチームの構成はどのようになっていますか?

三輪: エンジニア経験を持つメンバーを中心にフューチャーグループからの出向者、中途採用、業務委託など、さまざまなバックグラウンドを持つメンバーが在籍しています。
要件定義・設計から実装まで幅広く経験してきた人もいれば、バックエンドやインフラに特化した人、RPA・業務効率化ツールに強い人など、それぞれに得意領域があります。

私の役割はお客様の案件や研修テーマに合わせて、チームの中で最も力を発揮できるメンバーを組み合わせて最適なコンテンツを作ること。そのマネジメントが中心です。

また、フューチャーグループというITコンサルの大きな母体との連携も強みで、現場の最新技術トレンドを教材に直接反映できる体制が整っています。

コードキャンプ研修の特徴
「教材配信」ではなく「運営伴走」

コードキャンプ研修の特徴<br>「教材配信」ではなく「運営伴走」

コードキャンプ株式会社 教務事業部 事業部長 三輪氏

ー法人向け研修の構成について教えてください。

三輪: 大きく3つの形態があります。お客様の目的・課題に合わせてゼロから設計するカスタマイズ研修、実績をもとに体系化した標準プログラムのパッケージ研修、そして複数社・複数名が一緒に受講する公開型(オープン)講座です。

一社から1名だけ参加させたい場合はオープン講座が向いていますし、新入社員研修のように複数名をまとめて育成したい場合はパッケージやカスタマイズが選ばれます。
内容だけでなく、期間やサポートの方法も含めて柔軟に相談できる体制にしています。

研修形態の比較

形態 こんな企業・ケースに 期間・規模感 サポート内容 特徴・補足
カスタマイズ研修 育成目的や対象スキルが明確で、独自設計を求める企業。新入社員研修など。 1〜3ヶ月程度 / 数名〜数十名 朝会・夕会、チアリング、質問会・レッスン、ワークショップ、CCI進捗管理、管理者定例 コンテンツ・期間・サポートをすべて柔軟に設計。セミオーダーからフルオーダーメイドまで対応。
パッケージ研修 標準的なウェブエンジニア育成をコストを抑えて実施したい企業。 1〜2ヶ月程度 / 数名〜 朝会・夕会、チアリング、質問会、CCI進捗管理 実績ベースの体系化されたプログラムで品質が安定。カスタマイズより費用を抑えられる。
公開型(オープン)講座 1社から少人数(1〜数名)の参加や、他社受講者と切磋琢磨させたい企業。 数週間〜1ヶ月程度 / 複数社合同 ポイント講義、質問会(任意参加)、個別フォロー(必要に応じて) 複数社・複数名が合同受講。少人数でも孤独にならない環境。進捗差への個別対応も実施。

※掲載内容は目安です。期間・サポート内容はご要望に合わせて柔軟に対応可能です。ウェブサイトに掲載されていない形態・内容もお気軽にご相談ください。

ー研修のサポート面での特徴はどのような点でしょうか?

三輪: 朝会・夕会による進捗確認、チアリング(個別学習支援)、質問会など、複数のサポートメニューを組み合わせた「運営伴走」が特徴です。教材を渡して終わりではなく、受講生の状況を見ながら研修期間中ずっと並走します。

また、CCI(CodeCamp Insight)という独自の受講生管理システムで、一人ひとりの学習進捗・強み・弱みをデータとして可視化しています。そのデータをもとに、管理者への定例フォローや個別対応の方針を決めていきます。

チアリング[1]の方針も企業ごとにカスタマイズします。答えを出さずにヒントだけで自分で考えさせる方が合う受講生もいれば、最初はていねいに誘導してあげた方が良い受講生もいる。そこは企業の文化や受講生の特性に合わせて変えています。

AI時代だからこそ、基礎知識が必要な理由

ー生成AIが普及する中で、プログラミングの基礎学習の必要性についてはどのようにお考えですか?

三輪: 必要だと考えています。AIが書いたコードであっても、最終的に品質の責任を取るのは人間です。セキュリティ上のリスク、性能の問題、古いライブラリの使用、バージョン非対応の文法
──AIの出力にはこうした問題が潜むことがあり、それを見抜いて修正できる力はプログラミングの基礎知識があってこそ育ちます。

原理原則を理解しないままAIに依存すると、コードがブラックボックス化してしまいます。リリース後に不具合が起きたとき、誰も原因を特定できない、直せないという状況になりかねません。AIを使う・使わないにかかわらず、基礎知識を持つことの意味はむしろ大きくなっていると感じています。

ー実際に、生成AIに頼りすぎて課題になるケースはありましたか?

三輪: あります。実装演習の課題に対して生成AIに出力させたコードをそのまま提出する受講生がいます。コードは動いているのですが、本人に確認してみると内容を理解できていない、ということが起きています。

研修の目的は、受講生が現場に出て実際に開発できるようになること。理解しないまま卒業しても、バグが起きたときに原因を特定できない、修正できないという状態になります。
そのため、AIを使うこと自体を否定するのではなく、『AIが出力したものを自分の言葉で説明できるか』を確認する仕組みを研修に組み込んでいます。

3フェーズ×3パターンで設計する「AIと学びの最適解」

3フェーズ×3パターンで設計する「AIと学びの最適解」

コードキャンプ株式会社 教務事業部 事業部長 三輪氏

ーコードキャンプでは原理原則の理解とAI活用のバランスをどのように設計していますか?

三輪: カリキュラムは「基礎学習期」「フレームワーク学習期(開発演習期)」「チーム開発期」の3フェーズで構成されています。フェーズごとにAIとの関わり方を変えているのがポイントです。

基礎学習期はコード生成AIの使用を制限し、プログラムの意味や動きを自分の手で理解することに集中します。

ただし、教科書の内容をわかりやすく説明してもらったり、単語の意味を確認したりといった『理解促進』のためのAI活用は積極的に取り入れています。

フレームワーク学習期からはコード生成も解禁し、品質高く・効率的にコーディングする力を養います。チーム開発期では、AIエディタ(Cursor等)も含めたフル活用を現場さながらで体験してもらいます。

ー企業によってAI活用の方針をカスタマイズしているとのことですが、具体的にはどのようなパターンがあるのでしょうか?

三輪: 基本的には3つのパターンを用意しています。
まず推奨しているのは、基礎学習期からAIを活用し、チーム開発期まで一貫してAIと共に学ぶパターンAです。現場でもAIを使うことが当たり前になっている今、研修段階からAIリテラシーを育てることが最も効果的だと考えています。

一方で、基礎期は自力で考えることを重視し、開発演習期から段階的にAIを導入するパターンB、研修全期間を通じてAIを使わずに粘り強く考え実装する力を徹底的に鍛えるパターンCもあります。
会社のAI利用ポリシーや、受講生のタイプ、目指す人材像に合わせて最適なパターンをご提案しています。

AI活用パターンの比較

パターン AI活用方針 向いている企業 期待効果
A(推奨)全期間活用 基礎期はコード生成なし・理解促進のみ。演習期以降はフル活用。 AI活用に積極的。現場でのAI駆動開発を早期から体験させたい。 AIリテラシーと基礎力の両立。現場投入後の即戦力化。
B 演習時限定 基礎期はAI禁止・自力で考える。開発演習期から段階的に導入。 自力で考える力を重視。段階的にAIに慣れさせたい。 基礎力をしっかり固めた上でAI活用効果を最大化。
C 全期間禁止 全期間AIを使わず、自ら粘り強く考え実装する力を鍛える。 AI利用ポリシーが厳格。理解定着・品質確保を最優先にしたい。 自走力・問題解決力の徹底的な育成。チーム内議論文化の醸成。

※パターンはヒアリングを通じて企業ごとに提案。カリキュラムの内容は共通で、AIの関わり方が異なります。

ーパターンに合わせてカリキュラムを設計した意図は何でしょうか?

三輪: 生成AI時代のプログラミング教育に「唯一の正解」はないという認識があります。企業によって文化も違えば、受講生の特性も、目指す人材像も異なります。

それでも共通しているのは、基礎知識の定着が不可欠だということ。そこを軸に置きながら、AIをどう取り入れるかは企業の状況に合わせて柔軟に選べるよう、3パターンを用意しました。
どのパターンを選んでも、受講生が現場で本当に使えるエンジニアになれるよう設計しているのが前提です。

CCIと口頭試問で「わかった気」を防ぐ仕組み

ーCCIは研修の中でどのように活用されているのですか?

三輪: CCIは受講生の学習進捗・質問の頻度・課題の完了状況などを一元管理するシステムです。数値データで進捗が遅れている受講生を早期に把握し、個別フォローを入れるのはもちろんですが、それだけではなく、質問の仕方の癖やコミュニケーションのスタイルなど定性的な情報も踏まえた対応ができることが強みだと思っています。

受講生一人ひとりに向き合った支援のベースとして活用しています。

ー生成AIを使っても本当に理解できているかを、どのように確認しているのですか?

三輪: AIで答えがすぐに手に入る環境では、受講生本人も理解した気になってしまうことがあります。それを防ぐために組み込んでいるのが口頭試問です。受講生のアウトプットに対して『なぜこのロジックにしたか』『この一行はどういう意味か』を講師が直接確認し、本当に理解しているかを見ます。

またソースレビューでも、AIが生成したようなコードかどうかはある程度わかるので、気になる場合は個別に確認を入れます。

AIが書いたコードには詳細なコメントを付けさせ、受講生自身がそのコードの意味を説明できる状態にすることを求めています。こうした複数の仕組みで、『AIを使っても学びが身につく』環境を作っています。

教務チームのAIキャッチアップと今後の展望

ー生成AIの技術革新が速い中で、教務チームはどのようにキャッチアップしていますか?

三輪: メンバーそれぞれが、業務指示がなくても個人で積極的にR&Dをしています。自身のビジネスや副業でAIを活用しているメンバーも多く、そこで得た知見をチームに持ち帰り、研修に取り込めないかを議論する文化があります。
今は生成AIを活用して教材の執筆も試みており、AIが生成した内容を人がレビューして品質を高めるサイクルを実験しています。

また、フューチャーグループの現場知見との連携も重要なインプット源です。 実際に大規模システムの開発・運用に携わっているメンバーと定期的に情報交換し、現場でのAI活用の最前線を把握した上でコンテンツに落とし込んでいます。

ー今後、生成AI時代の研修はどのように進化していくと考えていますか?

三輪: AIエディタ(Cursor・GitHub Copilotなど)を使いこなすことが、研修段階から当たり前になっていくと思います。

また、コードを書くだけでなく、要件定義・設計といった上流工程でのAI活用スキルの育成も、今後のカリキュラムに取り込んでいきたいと考えています。技術は目まぐるしく変わりますが、『基礎を大切にしながら、AIと共に働ける人材を育てる』という軸はぶれないようにしていきたいです。

ー最後に、研修導入をご検討中の法人担当者の方へメッセージをお願いします。

三輪: 何人受けさせたいか、どんな研修にするかがまだ決まっていなくて大丈夫です。『こういう課題があって、研修で何か解決できないか』という段階からでも、ぜひご相談ください。カスタマイズとパッケージ、どちらが最適かも含めて、一緒に考えます。

予算が限られている場合でも、その中でできる最善の提案をしますので、まずはお気軽にお問い合わせいただければと思います。

法人向けエンジニア研修のご案内

本インタビューで触れた「生成AI時代の学びの本質」を、貴社の育成計画に取り入れませんか? コードキャンプでは、現場で活躍できるエンジニアを育成するための最適な研修プランをご提案します。

AIを使いこなし、原理原則に強い人材を。

貴社のAI利用ポリシーや育成目標に合わせ、3つの活用パターンから最適なカリキュラムを設計します。

  • 選べるAI活用スタイル:全期間活用から禁止まで、組織の方針に合わせた柔軟な設計
  • 徹底した伴走サポート:CCI(学習管理システム)と口頭試問による、"わかったつもり"を防ぐ指導
  • 実戦的なカリキュラム:フューチャーグループの現場知見を反映した、最新の技術トレンド対応

コードキャンプ株式会社について

CodeCampロゴ

「ITの力で、社会を変革する未来のプロフェッショナルを育てる」ためのIT/プログラミング教育サービス「CodeCamp」を運営しています。2013年に日本初となるオンライン・マンツーマンでのプログラミング教育事業を開始し、ITエンジニアの育成プログラムやWebデザイン教育、法人・自治体向けのプログラミング/DX研修事業、子ども向けのプログラミング教育事業などを展開しています。

会社名 コードキャンプ株式会社
代表者 代表取締役 川西 里佳
設立 2012年12月21日
資本金 1億円
所在地 東京都品川区大崎1丁目2-2 アートヴィレッジ大崎セントラルタワー3F
URL https://codecamp.jp/
提供サービスURL 【CodeCampKIDS】
小学生・中学生のためのプログラミング教室(https://codecampkids.jp/

【CodeCamp研修】
300社が選ぶプログラミング/IT研修(https://codecamp.jp/business

【CodeCampDX人材育成研修】
実務に繋がるリスキリング研修(https://codecamp.jp/business/dx

【CodeCamp】
運用実績10年以上の個人・社会人向けプログラミングスクール(https://codecamp.jp/personal

<取材、メディア掲載に関するお問い合わせ>
コードキャンプ株式会社 広報担当
Emailmedia@codecamp.jp

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