株式会社ネコノメは、対戦型将棋ゲーム『棋桜(KIOU)』に、棋士・谷合廣紀 五段が開発した将棋AI『棋桜AI』を搭載することを発表しました。
『棋桜AI』を開発した棋士・谷合廣紀 五段の経歴
谷合廣紀 五段は、現役棋士として活動する一方、東京大学大学院情報理工学系研究科の修士課程を修了し、将棋AIやコンピュータ将棋の開発にも取り組んできました。世界コンピュータ将棋選手権への自作ソフトでの出場、Pythonの国際カンファレンス「PyCon JP 2021」での基調講演、著書『AI解析から読み解く 藤井聡太の選択』(マイナビ出版)の刊行など、将棋と情報技術の両面から活動を続けています。
棋士としての盤上感覚と技術的知見を活かして開発されたのが『棋桜AI』です。「強すぎて勝てない」「どう指せばいいかわからず手が止まる」といった将棋の入り口にある不安に、棋士とAI研究者の視点から向き合った設計が特徴となっています。
『棋桜AI』が寄り添う幅広い棋力層
『棋桜(KIOU)』に搭載される『棋桜AI』は、プレイヤーの一手一手に寄り添い、『次に指すべき手』をサポートします。主な対応層は次のとおりです。
- 初心者:候補手のガイドで迷わず一局を指し切れる
- 中級者:指し手の選択肢を通じて将棋の考え方が身につく
- 有段者:精度の高い読み筋で自分の将棋を見つめ直せる
谷合廣紀 五段は「近年は将棋AIの進化が非常に速く、AIとの向き合い方そのものも変わり続けています」と述べています。『棋桜AI』には継続的に新しい技術やアップデートを取り入れていく予定であり、AI時代だからこそユーザとともに成長していけるAIを目指す方針が示されました。
棋桜および棋桜AIの概要
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 提供企業 | 株式会社ネコノメ(東京都中央区) |
| 代表取締役 | 工藤ショーン |
| 対象サービス | 対戦型将棋ゲーム『棋桜(KIOU)』および将棋AI『棋桜AI』 |
| AI開発者 | 谷合廣紀 五段(東京大学大学院情報理工学系研究科 修士課程修了) |
| 対応棋力 | 初心者から有段者まで幅広い棋力層 |
| 主な機能 | 候補手ガイド、指し手の選択肢を通じた思考サポート、精度の高い読み筋の提示 |
trends編集部の一言
現役棋士が自らAIを開発し、それをゲームプロダクトに搭載するという構造は、「作り手が使い手でもある」設計の典型例です。業界全体としては、専門家監修型のAI開発への信頼性を高めるアプローチとして注目されており、単なる技術的な精度の高さよりも「誰がどのような文脈で設計したか」が製品評価の軸になりつつある動向を象徴しています。
マーケティング業界の文脈に置き換えると、ツール設計者の実務的背景がユーザーの信頼形成に直結するという構造は、AI製品の差別化戦略の新たな潮流として捉えられます。棋士としての実績とAI研究の両方を持つ開発者が関与することによって、技術的な強さだけではなく「どう使うか」という観点も組み込まれた設計思想が生まれました。同種のAIプロダクト開発においても、業界全体の指針として参照される動きが広がっています。
References
- ^ PR TIMES. 「棋士・谷合廣紀 五段が開発した将棋AI『棋桜AI』、対戦型将棋ゲーム『棋桜(KIOU)』に搭載決定 | 株式会社ネコノメのプレスリリース」. https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000145138.html, (参照 26-05-27).
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