Dockerはコンテナ技術を利用して開発環境を構築・管理できる便利なツールです。基本的な機能は無料で利用でき、WindowsやmacOS、LinuxなどさまざまなOSに対応しています。
Dockerを使うと開発に必要なツールやライブラリを簡単にセットアップでき、個人開発や小規模プロジェクトでも効率的に環境を構築可能。AIの発展によりソフトウェア開発のハードルが下がっていることもあり、サービスのテスト及び実行環境として重宝される可能性があります。
そこで今回はDockerの特徴やインストール方法、うまくインストールできないときの対処法について詳しく解説します。
Dockerとは
Dockerはソフトウェアを「コンテナ」と呼ばれる単位でまとめて実行するためのツールです。
従来の仮想マシンのように独立したOS全体を複製するのではなく、アプリケーションとその必要なライブラリなどを一緒にパッケージ化して効率的に動作させるのが特徴です。
たとえばWebアプリケーションを開発する場合、Dockerコンテナを使うと必要なライブラリや設定をすべてまとめたイメージを作成できます。
そのイメージを使ってテスト環境や本番環境にスムーズにデプロイでき、OSの違いなどによるトラブルを減らせます。
Dockerを利用することで「動く環境」をセットする手間が省けるだけでなく、簡単にスケールアウト(増強)やスケールイン(縮小)することも可能です。
Dockerをインストールする手順【Windows版】
はじめにDockerの公式ページへアクセスします。
Docker:https://www.docker.com/ja-jp/
Dockerより
トップページ中央にある「Docker Desktopをダウンロードする」ボタンへカーソルを当てます。するとOSごとのダウンロード欄が表示されるので、その中から「Windows用をダウンロード - AMD64」をクリックしてください。
Dockerより
デスクトップのダウンロード欄に上記のインストーラーがダウンロードされているので、こちらをダブルクリックします。
Dockerより
上記画面の右下にある「OK」をクリックして下さい。
Dockerより
上記のようにインストールがスタートします。(インストールには数分かかります。)
Dockerより
上記のインストール終了画面が標示されたら、画面中央の「Close」をクリックして完了です。
そのあと自動的にPCが再起動されます。もし再起動されない場合は自分で再起動しましょう。
Dockerより
PCを再起動すると上記のDocker画面が自動で立ち上がります。画面右下にある「Accept」をクリックして下さい。
Dockerより
Dockerの設定にこだわりがない場合は「Use recommended settings」にチェックを入れた状態で「Finish」ボタンをクリックしてください。
Dockerより
Dockerのアカウント作成画面が標示されます。個人的に利用する場合は「Work」から「Personal」へタブを変更し、メールアドレスかGoogleアカウントのいずれかでアカウント作成作業を進めます。
もしアカウントが必要ない場合は、画面右上にある「Skip」をクリックしましょう。
Dockerより
ユーザー名を決めたら画面下にある「Sign up」をクリックします。
Dockerより
アカウントを作成すると上記画面が標示されるので「Docker Desktopを開く」をクリックしてください。
Dockerより
アンケート画面が表示されます。該当する部分にチェックを入れて回答するか、画面上部の「Skip」をクリックしましょう。
Dockerより
上記画面が標示されたらDockerのインストール完了です。
Docker入門研修の導入相談はこちらDockerをインストールできないときの問題と解決方法
Dockerをインストールする際、PCの状況次第では手順通り進める過程で失敗することもあります。Dockerをインストールできない理由に関連する原因と対策法を下記にまとめました。
システム要件を満たしていない |
問題: 使用するOSがDockerの要件に達していないとインストールできません。Windowsは64ビット版のWindows 10以降、macOSはバージョン10.14以降が必要です。 解決方法: OSのバージョンやシステム条件を確認し、要件を満たしているかチェックしてください。仮想化機能もオンに設定しましょう。 |
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仮想化機能が無効になっている |
問題: BIOSで仮想化機能(VT-xやAMD-V)がオフの場合、Dockerは動作しません。 解決方法: BIOS設定を開いて仮想化機能が有効になっていることを確認し、必要であればオンに切り替えてください。 |
ストレージ容量が不足している |
問題: インストール先ドライブの空き容量が不足していると、インストールが完了しないことがあります。 解決方法: 必要な容量を確保するために不要なファイルを削除し、再度インストールを試みてください。 |
アンチウイルスソフトによる干渉 |
問題: 一部のアンチウイルスソフトがDockerのインストールや起動を妨げる場合があります。 解決方法: インストール中はアンチウイルスソフトを一時的に無効化するか、Dockerに関する例外設定を追加してください。 |
ユーザー権限が不足している |
問題: インストールには管理者権限が必要です。また、Windowsではユーザーが「docker-users」グループに追加されていないとエラーが発生する場合があります。 解決方法: 管理者権限でインストールを行い、ユーザーが「docker-users」グループに追加されているか確認してください。 |
ネットワークの設定に問題がある |
問題: プロキシやファイアウォール設定によって、Dockerのインストールや動作に支障が出ることがあります。 解決方法: ネットワーク設定を確認し、プロキシやファイアウォールの設定を適切に調整してください。 |
WindowsでのWSL 2設定が不完全 |
問題: WindowsでWSL 2(Windows Subsystem for Linux 2)を使用する設定が不十分だとDockerが正常に動作しません。 解決方法: WSL 2がインストールされ、最新の状態に更新されているかと設定が正しいかを確認してください。 |
Dockerのよくある質問
Dockerは無料で使える?
Dockerの基礎部分である「Docker Engine」は無料で利用可能です。これはオープンソースのソフトウェアで、個人利用や開発者向けに提供されています。
ただし企業利用や商用目的の場合、利用規約によっては有料プランが求められることもあります。
Dockerをインストールするための基本条件
Dockerをインストールするためには、使用するデバイスやOSが特定の条件を満たす必要があります。たとえばWindowsであれば、64ビット版のWindows 10以降がインストールされていることが条件です。
Docker Desktop for Windowsは無料で利用できる?
Docker Desktop for Windowsは個人での利用や教育目的、小規模ビジネス(従業員250人未満かつ年間収益が1,000万ドル以下)での利用に限り無料で提供されています。
しかしそれ以上の規模の企業や商用目的で使用する場合は、有料プランへの加入が必要です。
WindowsでのDocker利用は有料になるの?
Docker Desktop for Windowsは上記の条件であれば無料で利用可能ですが、企業利用や規模の大きい商用利用には有料プランが必要です。なお、Docker Engine自体は無料で提供されているので、基本機能を使うだけであれば無料で利用できます。
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