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- 3.1節:Azure OpenAIの作成からモデルデプロイ、Bot化までの手順
- - Azure OpenAIリソースを作成
- - All networks, including the internet, can access this resource
- - Selected networks
- - Disabled
- - Azure OpenAIのモデルをデプロイする
- - Azure Bot Serviceを作成する
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Azure OpenAIリソースを作成
Azure OpenAIリソースの役割は、Azure環境内でOpenAIの大規模言語モデル大規模言語モデルは膨大なテキストデータを学習し、人間のような自然言語処理能力を持つAIシステムです。を安全かつ制御された形で利用できる「入口」や「管理単位」になることです。これを作成すると自分専用のエンドポイントが用意され、そこからGPTなどのモデルを安全に呼び出せるようになります。
Azure OpenAIリソースは利用するモデルを選んでデプロイデプロイは開発したアプリケーションやWebサイトを実際に稼働させることです。したり、アクセスできるネットワークネットワークはコンピューターやスマートフォンなどの機器が互いに通信し合うための仕組みや手段です。を制限したりといった管理もできるのが特徴。利用状況やコストをAzureポータルで確認できるので、プロジェクトプロジェクトは特定の目的や目標を達成するために行われる一連の開発作業です。ごとに運用や制御がしやすくなります。
まずはAzureのホーム画面から「Create a resource」をクリックし、検索欄へ「OpenAI」と入力します。

表示内容から「Azure OpenAI」 を選択して「Create」をクリックしてください。

プロジェクトの詳細情報を入力する画面です。以下を参考に各内容を入力しましょう。
項目名 | 入力内容例 | 説明 |
---|---|---|
Subscription | デフォルトのままでOK | 利用中のサブスクリプションです |
Resource group | ドロップダウンメニュー内の選択肢を選ぶ | 複数のリソースをまとめる単位 |
Region | East US 2 | Azure OpenAI は日本リージョン未対応なので「East US 2」を選択します。 |
Name | 自由なリソース名を入力 | リソースの識別名。英数字・ハイフンOK |
Pricing tier | Standard S0(これを選択) | 最も一般的な料金プラン(必須) |
Azure OpenAIで利用できるAIAI(人工知能)は人工的に作られた知能で、様々な技術を組み合わせて人間のような知的行動を実現できるものです。モデルは、指定するRegionによって異なります。サポートされていないリージョンを選択すると、希望のモデルが使えない場合があるため注意が必要です。
最新の対応リージョンとモデル一覧は、以下の公式ドキュメントで確認できます。
入力後に「Next」をクリックします。
次に「Network」の設定を行います。以下3つの選択肢が表示されるので、任意の選択肢を選んで次に進んでください。
All networks, including the internet, can access this resource
- 意味:パブリックインターネットインターネットは世界中のコンピューターネットワークが相互に接続されたシステムです。経由で誰でもアクセス可能
- メリット:一番簡単。すぐに使える
- デメリット:セキュリティが低い(誰でもアクセスできる可能性)
- おすすめ:開発・検証段階
Selected networks
- 意味:IPアドレスアドレスはコンピューターメモリの特定位置を指す識別子で、プログラムがデータを読み書きするために使用します。や仮想ネットワークでアクセス元を限定できる
- メリット:セキュリティは強い
- デメリット:VNetやIPの設定が必要で、手間がかかる
- おすすめ:本番環境や企業内利用向け。PoCや個人検証では不要です。
Disabled
- 意味:ネットワークアクセスは完全に禁止。Private Endpoint接続のみ許可
- メリット:最もセキュア
- デメリット:Private Endpoint構成が必須(かなり複雑)
- おすすめ:セキュリティが極めて重要なケース
Networkの設定はのちほど変更できるので、テストテストはプログラムが意図通りに動作するかを確認する作業です。段階であれば「All networks」を選択する方が使いやすいです。
任意の方法を選んだあとに「Next」をクリックします。

続いてタグ設定を行います。Azureの「Tags(タグ)」機能はリソースを整理・分類・検索・コスト管理しやすくするための機能です。
タグ機能は少数リソースでのPoCや、個人検証では使わなくても問題ありません。しかし本番運用や組織内利用では「タグ設計」が非常に有効です。
こちらも後日変更できるので、一旦空欄のまま「Next」をクリックして次に進めます。

これまで設定した内容のプレビュー画面が表示されるので、内容を確認後「Create」をクリックします。

上記の画面が表示されれば、Azure OpenAIのリソース作成が完了です。
Azure OpenAIのモデルをデプロイする
Azure OpenAIのモデルをデプロイすると、そのモデルがすぐに使える状態になり、専用の呼び出し口が用意されます。これによって、APIAPIは、他のソフトやアプリが自分の機能を利用できるようにするためのインターフェースです。やアプリから「どのモデルを使うのか」を指定できるようになり、質問応答や文章生成といった機能を実際に動かせます。
つまりデプロイは、モデルをAzure上で動かすための最終準備であり「このモデルをこのリソースで使う」という設定を確定させるステップです。
先ほど作成したAzure OpenAIリソースへ、AIモデルをデプロイする手順について解説します。

Azure OpenAIのリソース画面にある「Go to resource」をクリックします。

「Explore Azure AI Foundry portal」をクリックします。
「Azure AI Foundryとは、Microsoft Azure上で生成AI生成AIは新しいデータやコンテンツを自動的に作り出すAI技術で、テキスト・画像・音声など様々な形式のデータを生成します。アプリケーションの開発、展開、管理を支援する統合プラットフォームです。AIモデルの探索から、カスタムAIエージェントの構築、既存アプリケーションの拡張まで、一連のプロセスプロセスはコンピューターが実行するプログラムの実行単位です。をサポートします。

「Azure AI Foundry」の画面が表示されます。左メニュー欄から「Chat」をクリックし、表示内容から「Create a deployment」ボタンをクリックしてください。

するとデプロイ候補となるAIモデル一覧が表示されます。この中から、Azure OpenAIのリソース作成時に指定したリージョンに適したモデルを選びます。

今回は「East US 2」で利用できる「gpt-4o-mini」というAIモデルを選択します。こちらの「Resource location」とAzure OpenAIの「region」が異なるとデプロイに失敗するので注意してください。
内容を確認後に下部の「Deploy」をクリックします。

上記のように「Start with a sample prompt」というチャット欄が表示されれば完了です。