本ニュースの3行要約
- ChatGPTのWeb版に「会話の分岐」機能が追加され、特定のメッセージから新しい会話を展開可能に。
- 元のスレッドを残したまま複数のアイデアやシナリオを試すことが可能
- チャット中に「新しいチャットで分岐」を選択して利用できる
ChatGPTに「会話の分岐」機能が登場。1つの会話から複数の展開へ
OpenAIは2025年9月4日、ChatGPTのWeb版において「会話の分岐(Branch conversations)」機能をリリースしました。[1]これは、あるメッセージを起点に新しいチャットスレッドを立ち上げられる仕組みで、元の会話を壊さずに異なる方向性を同時に探れるのが特徴です。
ユーザーは任意のメッセージにカーソルを合わせ、「…(その他の操作)」→「新しいチャットで分岐」を選択することで、そこから別の会話を始められます。すべてのログインユーザーがWeb版で利用可能です。
ChatGPT「ブランチ機能」の使い方

ChatGPTより
ChatGPT「ブランチ機能」は、チャット内容の下部にある「・・・」アイコンをクリックし、表示内容から「新しいチャットに分岐します」をクリックするだけです。
実際の操作画面は以下の通りです。
上記のように、ブランチ機能で分岐すると新しくチャット欄が開き、内容を入力するとブランチで分岐する前のチャットと、分岐後に新しく内容を入力したチャットが作成されます。

ChatGPTより
発想を広げる「会話分岐」の実用シナリオ
ChatGPTのブランチ機能によるメリットは、1つの問いや議論から複数の仮説やアイデアを同時並行で試せる点です。
例えば記事構成の案出しでは「真面目なトーン」「カジュアルなトーン」を分岐させて比較でき、学習の場面では「基礎から解説」「応用問題へ進む」といった異なるルートを並行して進められます。
研究やビジネスでも、分岐を利用して「A案に基づく議論」と「B案に基づく議論」を整理することで、意思決定の幅が広がり議論の混乱を防ぐ効果が期待されます。
まさに「マルチトラック思考」をAIで手軽に実現できる仕組みといえるでしょう。
今後の展望と利用者体験の進化
現時点ではWeb版のみで利用可能ですが、モバイルアプリでの対応も待望されています。スマートフォンからも分岐が扱えるようになれば、通勤時間や外出先での思考整理がさらに柔軟になるでしょう。
また、この機能は教育や創作活動のほか、法律相談やプログラミングの学習など「試行錯誤が価値を生む」領域で特に有効です。
ユーザーがAIを単なる答えの提供者ではなく、議論や創作を共に進めるパートナーとして認識する流れを加速させる可能性があります。
「もし別の選択肢をとったらどうなるか?」を同時に試せる環境は、AI時代の新しい思考習慣を定着させるきっかけとなるかもしれません。
References
- ^OpenAI. 「Branch conversations now available on web」. https://help.openai.com/en/articles/6825453-chatgpt-release-notes, (参照 2025-09-05).