ChatGPTのAPIとは
ChatGPTのAPIとはOpenAIが提供する生成AIの機能を、アプリケーションやシステムに組み込むためのインターフェースです。APIを利用することでユーザーは自然言語処理を活用したチャットボットや自動化ツール、ビジネス向けのソフトウェアなどさまざまな用途に応じたサービスを開発・構築できます。
APIの使い方は比較的シンプルで、Pythonや他のプログラミング言語を使ってリクエストを送信し、AIからの応答(出力)を受け取る形式です。たとえば入力した文章に対して要約や翻訳、テキスト生成、質問への回答などが可能です。
利用にはOpenAIのアカウントとAPIキーが必要で、料金は使用量に応じてコストが発生する従量課金制となっています。
ChatGPT APIの無料枠は5ドル分
ChatGPTのAPIは基本的に従量課金制ですが、OpenAIに新しく登録した新規ユーザーには5ドル分のクレジットが付与されます。クレジットの有効期間は登録から3ヶ月間で、期間内であれば追加料金なしでAPIを利用できるのが魅力です。
無料枠を使い切ったり有効期限が過ぎたりした後は、実際の使用量に応じて料金が発生します。たとえばGPT-4を使用した場合、入力トークン1,000個あたり約0.03ドル、出力トークン1,000個あたり約0.06ドルといった料金設定になっています。
利用するモデルや処理するトークン数によって費用が変動するため、APIを本格的に活用する際には目的や頻度に応じた使い方を心がけると安心です。
ChatGPTのAPI料金一覧
ChatGPT APIの料金は使用するモデルと消費したトークン数に基づく従量課金制です。各モデルごとにかかる費用を下記にまとめました。[1]
モデル | 入力単価(100万トークンあたり) | 出力単価(100万トークンあたり) | キャッシュ済み入力(100万トークンあたり) |
---|---|---|---|
GPT-4.5 | 75ドル | 150ドル | 37.5ドル |
gpt-4.5-preview | 75ドル | 150ドル | 37.5ドル |
gpt-4o | 2.5ドル | 10ドル | 1.25ドル |
gpt-4o-audio-preview | 2.5ドル | 10ドル | - |
gpt-4o-realtime-preview | 5ドル | 20ドル | 2.5ドル |
gpt-4o-mini | 0.15ドル | 0.6ドル | 0.075ドル |
gpt-4o-mini-audio-preview | 0.15ドル | 0.6ドル | - |
gpt-4o-mini-realtime-preview | 0.6ドル | 2.4ドル | 0.3ドル |
o1 | 15ドル | 60ドル | 7.5ドル |
o1-pro | 150ドル | 600ドル | - |
o3-mini | 1.1ドル | 4.4ドル | 0.55ドル |
o1-mini | 1.1ドル | 4.4ドル | 0.55ドル |
gpt-4o-mini-search-preview | 0.15ドル | 0.6ドル | - |
gpt-4o-search-preview | 2.5ドル | 10ドル | - |
computer-use-preview | 3ドル | 12ドル | - |
詳細な料金情報はOpenAIの公式サイトで確認できます。
ChatGPTのAPIを取得する方法と使い方
ChatGPTのAPIを取得する方法から具体的な使い方まで順を追って解説します。
ChatGPTのAPIを取得する方法
はじめにOpen AIのアカウントで「Open AI developer platform」へアクセスします。
https://auth.openai.com/log-in

Open AIより
表示内容の右上にある設定アイコンをクリックして下さい。

Open AIより
左のメニュー欄から「API keys」をクリックします。

Open AIより
こちらの画面でAPIキーを作成します。右上の「Create new secret key」をクリックしてください。

Open AIより
「Name」欄にAPIキーの名前を入力し、「Project」欄を「Default project」へ指定して「Create secret key」をクリックします。

Open AIより
すると生成されたAPIキーが表示されるので、こちらをコピーして任意の場所に保管してください。コピーしない状態で画面を閉じると、APIキーを再確認できません。
ChatGPTのAPIが発行できない場合はクレジットカード登録をチェック
すでにChatGPTのAPI無料枠を過ぎている場合、利用するにはクレジットカードの登録が必要です。

Open AIより
左のメニュー欄から「Billing」をクリックします。

Open AIより
表示画面から「Payment methods」をクリックしてください。

Open AIより
「Add payment method」をクリックすると、クレジットカードの入力欄が表示されます。クレジットカード登録後、再度「API keys」欄からAPIキーを作成してみて下さい。
ChatGPTのAPIをPythonで使ってみた
ChatGPTのAPIキーを使ってPythonで実行する方法を、Google Colab上で説明します。
はじめにGoogle Colabを開いて以下のコードを実行してください。
!pip install --upgrade openai
from getpass import getpass
import os
from openai import OpenAI
# 安全にAPIキー入力
os.environ["OPENAI_API_KEY"] = getpass("OpenAI APIキーを入力してください: ")
client = OpenAI(api_key=os.environ["OPENAI_API_KEY"])

Open AIより
APIキーの入力欄が表示されるので、先ほど取得したキーを入力してください。
次に以下のコードを実行します。内容は「ChatGPTにメッセージを送って返答をもらうための関数」です。
def chat_with_gpt(messages, model="gpt-4"):
response = client.chat.completions.create(
model=model,
messages=messages,
temperature=0.7
)
return response.choices[0].message.content
次にAPIを使ってAI都チャットするための機能を実装します。下記のコードを入力・実行してください。
# 会話履歴の初期化
conversation = [
{"role": "system", "content": "あなたは親切で丁寧なAIアシスタントです。"}
]
print("💬 ChatGPT風チャット開始!(終了したいときは『終了』または 'exit')")
while True:
user_input = input("あなた: ")
if user_input.strip().lower() in ["exit", "終了", "quit"]:
print("🛑 チャットを終了します。")
break
# ユーザーの発言を履歴に追加
conversation.append({"role": "user", "content": user_input})
# GPTに応答をリクエスト
reply = chat_with_gpt(conversation)
# GPTの返答も履歴に追加して表示
conversation.append({"role": "assistant", "content": reply})
print("アシスタント:", reply)

Open AIより
するとチャット欄が表示されるので、任意のプロンプトを入力してください。今回はテストとして「美味しいホットケーキの作り方を教えて下さい。」というプロンプトを実行してみます。

Open AIより
するとプロンプトに沿った回答が出力されました。このようにAPIを使うことでChatGPTのようなチャット機能を作成できます。
ChatGPT APIの活用事例
ChatGPTのAPIは高性能な自然言語処理を活かし、業務効率化や顧客対応など多くの分野で活用されています。以下は具体的な導入例です。
カスタマーサポートの自動化(問い合わせ対応をAIに)
ECサイトや通信キャリアなどで、ユーザーの問い合わせに自動応答するチャットボットとして活用されています。
- 返品・交換手続きの案内
- 料金プランや契約内容の説明
- ログイン情報の再発行ガイド
人手に頼っていた対応をAIが代替することで、コスト削減とユーザー満足度向上を両立しています。
社内業務の効率化(文章作成・要約を自動化)
報告書や議事録の作成など、時間のかかる文書業務をAIがサポート。官公庁や企業で導入が進んでいます。
- 会議の音声記録を要約してレポート化
- 箇条書きから報告書を自動生成
- メール文の敬語チェック・リライト
社員が本来の業務に集中できる環境づくりに貢献しています。
教育・学習サポート(個別指導をAIで)
eラーニングや塾・研修などで学習者に合わせた個別対応をAIが担います。
- 理解度に応じた説明や問題出題
- 英作文の添削と文法アドバイス
- コード提出に対するフィードバック
学習の質を落とさず教える側の負担を軽減します。
マーケティング・コンテンツ制作支援
広告・SNS運用や記事制作の現場で、文章作成のサポートツールとして導入されています。
- 投稿文・広告文の自動生成
- キャンペーンアイデアの提案
- 記事構成やタイトル案の作成
アイデア出しから文章化までの時間を短縮し、制作チームの生産性を高めます。
開発支援・コード生成(エンジニアの相棒)
開発者の作業をサポートするツールとしても注目されています。
- 自然言語からPython/SQLなどのコードを生成
- バグやエラーメッセージの解説
- 関数の説明文やAPI仕様の自動出力
プログラミング学習から実務支援まで、幅広く活用されています。
多言語チャット対応・翻訳ボット
旅行業・越境ECなどで、多言語対応のチャットボットとして導入されています。
- 日本語⇔英語・中国語などのリアルタイム翻訳
- 外国語での予約・問い合わせ応答
- 多言語メールの作成支援
人手不足でもグローバルな対応を実現できる仕組みとして注目されています。
このようにChatGPTのAPIは「文章」や「会話」に関わるあらゆる業務に応用可能です。自社に合った使い方を見つけることで、大きな業務改善や付加価値向上につながります。
References
- ^ OpenAI. 「API 料金」. https://openai.com/ja-JP/api/pricing/, (参照 2025-04-08).